今春に高校卒業を迎えた4名の注目女優を撮り下ろし。教室に響く声、放課後歩いた帰り道、思い出だらけの制服姿__。青春の記憶と今しかない輝きを閉じ込めた卒業写真とともに、高校時代の思い出や今後の目標について語ってもらった卒業記念インタビューをお届けします。

今回は、俳優・藤岡弘、の次女である天翔天音(てんしょう・あまね)。芸能一家の一員として若くから注目を集め、現在は女優・モデルとして躍進する大和撫子の素顔とは?

――藤岡家の次女としては幼い頃からテレビに出演されていましたが、本格的な芸能デビューはいつになるのでしょうか?

天翔 本格的な芸能デビューは高校1年生の時です。それまで藤岡家の一員としてテレビに出演することなどはありましたが、中学生までは学生として勉強を頑張っていました。高校に進学と同時に少しずつ様々な経験をさせていただくようになると、芸能活動を本気で頑張っていきたいと思うようになったんです。

――ではまさに高校時代が転機ですね! 最初に芸能活動に取り組んでいきたいと思うきっかけになったお仕事はありますか?

天翔 初めてお声がけいただいたモデルのお仕事です。雑誌のスチール撮影だったのですが、かわいくて素敵なお洋服でキレイに着飾って、プロのカメラマンに撮っていただけたのが、最高にうれしくて。そこでやりがいを感じたことで、これから本気で頑張りたいって思うことができました。

――撮影で難しいと思うことは?

天翔 子供の頃からバレエや舞踊を習っていたおかげで、かっこよくキメたり、自分を魅せるポージングは自然とできるのですが、逆にオフのような雰囲気の撮影の時は少し難しく感じます。すぐビシッとスイッチが入りがちなので、柔らかい雰囲気をキャッチ出来るように頑張りたいです。

――モデルとしての活動はもちろんですが、昨年にはNHK大河ドラマ『どうする家康』でドラマデビューを果たしました。いきなりの大河ドラマへの大抜擢。やっぱりプレッシャーは感じましたか?

天翔 もちろんです。まさか初めての女優デビューが大河ドラマという大きな作品になるとは想像もしていなかったので、とてもありがたかったです。大先輩の出演者の方々たちに囲まれた中で、現場に入ってお芝居をするのは本当にプレッシャーを感じました。

――実際に撮影に参加した感想は?

天翔 すごく勉強になりました。出演者の方々の演技の素晴らしさはもちろん、纏(まと)っているオーラもすごくて、本物のプロの方たちの現場はこういうものなんだって衝撃で頭が真っ白になりました。でも、撮影の日まで発声練習などをお父さんが訓練してくれたので、しっかり臨んで無事に撮影を終えることができました。

――芸能界の大先輩でもあるお父さんの協力は心強いですね。今回の大河ドラマに限らず、いつもアドバイスをくれるんですか?

天翔 そうですね。お芝居では、父がとても詳しいので、台本の読み方からセリフの言い方まで、演技について指導してもらっています。

――とんでもなく贅沢な演技指導です! でも、同業だからこそ厳しいこともあるんですか?

天翔 あります。でも、基本的に父は私が持っている良い部分に気づいてくれて、「君はこういう魅力があるよ」など、ポジティブなことを言ってくれるんです。なので自分自身の新しい気付きが多く、厳しくてキツイと思うことはあまりないです。

――高校生といえば反抗期を迎える人も多い時期でもありますが、天翔さんはお父さんに対して反抗することはなかった?

天翔 なかったですね。でも、それはやっぱりお父さんが芸能の仕事で頑張っている姿を小さい頃からずっと見てきたので尊敬していますし、父親としても愛情深くて常に優しくて、そんなお父さんに反抗するって気持ちが湧かなかったんだと思います。

――すばらしい関係ですね。ちなみに4人とご兄妹も多いですが、ケンカとかは?

天翔 ケンカはします。冷蔵庫が家にひとつしかなく、「これをがんばったら食べよう」と思っていたお菓子やアイスを食べられていることがけっこうあって。そうするともうケンカです(笑)。ほんとにくだらないんですけど。

――ケンカというには微笑ましすぎます(笑)。高校生活についてもお聞かせください。3年間を振り返って一番青春を感じた思い出は?

天翔 私が通っていた学校は文化祭が年に2~3回あってクラスごとに出し物をするんですが、その出し物に向けてみんなで放課後に集まって準備や、それぞれ持ってきたものを飾ったりするのが楽しかったですね。「あぁ、私たち青春してるなぁ」って感じた瞬間でした。

――天翔さんは何係を担当されていたんですか?

天翔 私は装飾の係でした。飾りのデザインをして作ったり、飾ったり。何かを作ることや細かい作業が好きなので楽しいんです。

――高校生活で大変だったことは?

天翔 高校だといろいろな科目の勉強や試験があるので、学業と芸能のお仕事の両立が大変でしたね。

あと、芸能デビューしたことで、学校生活で少し困ったことがありました。テレビや雑誌などで私を見かけた生徒たちが、私を見に来ることが多くなって、その視線に悩まされていた時期もあったんです。

――どうやってその時期を乗り越えたんですか?

天翔 家族に相談したことで価値観が変わりました。「その視線は私への興味や純粋な応援の気持ちなんだよ」って言われて、素直にそう思うことができるようになったんです。

私自身が素直になれたことで、応援してくれる人も増えました。「がんばってるね」とか「あれ見たよ」とか、褒めてくれたり優しい言葉を言ってくれたりするんです。私を見に来た生徒たちも温かい言葉をかけてくれて、「あっ、みんな味方なんだ」ってうれしくなりましたね。

――最初は大変だったかと思いますが、ネガティブなものがポジティブに変換される大きな経験になったんですね。そんな天翔さんも高校を卒業。今後の目標は?

天翔 音楽。音楽がやりたいです。私はK-POPが大好きで、自分自身も踊りや表現をすることが本当に大好きなので、若いうちにアーティスト活動や自分の曲を出してパフォーマンスをするのがひとつの夢なんです。

――それはソロでの活動ですか?

天翔 ソロもいずれできたらいいですけど、最初はグループでの活動がしたいと思っています。K-POPのアーティストのようにグループで成長していくというか、"グループで魅せる力"みたいなものが素敵だなって思うんです。

――いっそ姉妹でデビューは?

天翔 姉妹!? 期待してるとよく言われます! でも姉妹で活動するのは全然感覚が湧かなくて、想像つかないです(笑)。

――ありがとうございました! 最後に女優としての目標をお教えください?

天翔 もっとお芝居を磨いて様々な作品に出演できたらいいなって思っています。その中でも、私は小さいころから『武道』を習っているので、それを活かしてお父さんのようなアクションスターを目指したいです。

(スタイリング/米丸友子 ヘア&メイク/米尾太一<untitled.>)

●天翔天音(てんしょう・あまね)
2005年6月14日生まれ 東京都出身 音楽大学1年生
◯藤岡弘、の次女。昨年、NHK大河ドラマ『どうする家康』でドラマデビュー。8月8日(木)から上演の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド~海と人がともに生きる~』にヒロイン役で出演予定。
公式Instagram【@amane_tensho】
公式X【@AmaneT_official】