天性のハスキーボイスと独自の表現力を持つアイナ・ジ・エンドの10年間の歩みすべてを詰め込んだ1st写真集『幻友』より、現実に過ごした日々のはずなのに、まるで夢だったかのようなそんな温かくも切ない写真たちの一部を、5月13日(月)発売『週刊プレイボーイ22号』で――。
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■呼吸するみたいに撮られた10年間
――プライベートの友人でもあるフォトグラファーの興梠真穂さんが、約10年間にわたって撮影した写真集『幻友』(ムービーウォーカー)が発売されました。
アイナ 10年前に真穂と出会ったときから、いつか写真集にできたらいいねって話していました。去年の6月にBiSHが解散してソロになり、真穂と出会ってから10年の節目。やるなら今しかないかもしれないと思って。
――『幻友』というタイトルが、とても印象的です。
アイナ タイトルは去年の冬、寒い季節に浮かびました。友達や親友というカテゴライズに、真穂と自分は当てはまらないような気がして、ふたりの関係に特別な名前をつけてみたいと思ったんです。
――アイナさんにとって、真穂さんはどんな存在でしょう?
アイナ 真穂と一緒にいると、自分ひとりではできないようなことを体験させてくれます。だから、真穂と出会ってからは初めて体験することが多くて。そう考えると真穂は、〝初恋みたいな存在〟だなと思います。
――どれも特別だと思いますが、中でも印象深いカットは?
アイナ 椅子に座って、カップ麺ができるのをただ待っているだけの写真です。昨年の3月末に額をケガした後で、顔が腫れているんですけど、その時期は真穂が毎日のようにお見舞いに来てくれていて。正直、額の傷は治らないだろうと思っていたし、人前にも一生出たくないと思っていた時期でした。
でも、真穂になら写真を撮られてもいいかなと思って、いつもの日常と同じように撮られていたんです。その中でも最大限に気が緩んでいる写真。犬が、信頼している人におなかを見せるみたいな(笑)。
それ以外も、真穂にしか撮れない、ほかで見せたことのない表情の写真ばかりだと思います。今も真穂に撮られることはあるんですけど、真穂は呼吸するみたいに撮るので気づかないんですよ。
――10年間の自分の写真を見て、変わったなと思うのは?
アイナ 10年前はマツエク220本に黒いデカカラコンをして、分厚くて絶対に動かない前髪にしていました。その前髪は〝奇跡のヘルメット〟って呼んでいたんですけど(笑)、そうしないと人前に出られなかったんです。
でも今は、「どう写っても大丈夫」と思うようになって。それは、周りの人たちが自分を愛してくれていることにこの10年で気づいたから。10年前は誰にも愛されていないと思っていたし、仮面をかぶって本当の自分を隠していたと思います。
――逆に変わらない自分は?
アイナ ずっと、どこか自信がなさそうなところ。真穂の前だからそういう自分がそのまま出ているんだと思うんですけど、10年間の写真を見て、そこはやっぱり変わらないなぁと思いました。だから今は、それも魅力にするしかないと思っています。
――BiSH解散後は、ソロアーティストとしての音楽活動に加え、映画『キリエのうた』での主演など、グループ時代以上に幅広い表現をされています。
アイナ 最初は、ひとりで表に出ることがものすごく怖くて。それで悩んだ時期もあったけど、今は乗り越えて、歌うことがグループ時代以上に楽しいです。踊りも今までよりずっと自由に、ダンスのジャンルなんて関係なく、自分からにじみ出てきたものを踊る楽しさを知りました。
――今後の表現が楽しみです!
アイナ モデルやお芝居などをやらせていただいてあらためて思うのは、やっぱり私は音楽で自分を育てていきたいということ。なので、今後も音楽を核にした活動をしていきたいです。
こないだコーチェラ・フェスティバルを見にアメリカへ行ってきたんですけど、いつか自分もコーチェラに呼ばれるぐらいナイスな音楽を作っていきたいと思います。これからも音楽に浸って、ひとりでどこまで行けるのか探検したいですね!
●アイナ・ジ・エンド
12月27日生まれ 大阪府出身
◯2021年に全曲作詞作曲の1stアルバム『THE END』をリリースし、ソロ活動を本格始動。2023年6月にBiSH解散後、現在はソロとして活動中。9月11日(水)に自身初の日本武道館公演「ENDROLL」が開催決定。
公式X【@aina_THEEND】
公式Instagram【@ainatheend_official】
アイナ・ジ・エンド1st写真集『幻友』(ムービーウォーカー、発売中)より