ゴリラと結婚することもありうると考えている〝百獣の王〟武井壮 ゴリラと結婚することもありうると考えている〝百獣の王〟武井壮

ひろゆきがゲストとディープ討論する『週刊プレイボーイ』の連載「この件について」。〝百獣の王〟武井壮さんとの対談4回目は、武井さんの結婚観について聞いてみました。すると「ゴリラと結婚することもありうる」と!? さすが〝百獣の王〟です。そして「武井壮はなんでもできるんだ」と思われたい真意についても......。

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ひろゆき(以下、ひろ 前回は孤独が嫌いで人とつながりたい武井さんが結婚していないのに、ひとりでも平気な僕が結婚しているという逆転現象について話しました。

武井壮(以下、武井 完全に矛盾してますよ(笑)。

ひろ 武井さんが結婚していないのは、高望みしてるからですか?

武井 いや、高望みはしていませんよ。生物だったら、だいたい大丈夫ですから。

ひろ じゃあ、ゴリラと結婚することもありうるんですか?

武井 まあ......ありえますね。

ひろ へぇ、武井さんがゴリラとセックスしたいと思っているのは初耳でした(笑)。

武井 いや、なんでゴリラとの交際がセックス限定になるのよ。

ひろ でも、武井さんならチャンスがあればゴリラとセックスしたいと思うかなと。

武井 いや、チャンスとかじゃないから。もし、ゴリラとロマンチックな雰囲気になって、俺にソフトタッチしてきて、心が通じ合ったら、そりゃハグする可能性はありますよ。

ひろ 「ゴリラとロマンチックな雰囲気」というのがちょっとわからない(笑)。

武井 なんでよ? 例えば、メスゴリラの近くに獰猛なヒョウが現れて、俺が腕を噛まれながら身を挺してヒョウを撃退して「ウォー!」と吠えたら、メスゴリラがキュンとするかもしれないよ。それで俺の横にそっと近寄ってくるとか。それはゼロじゃない。

ひろ 確かにゼロではない(笑)。

武井 俺くらいのフィジカルがあればそういう可能性もある。ひろゆきさんは、すぐやられちゃうから想像ができないだけだよ。

ひろ まあ、僕が獰猛なヒョウを倒せるとは思えないですからね。という冗談はさておき(笑)。武井さんは自由が必要なんですかね? 結婚するといろいろあるじゃないですか。

武井 いろいろね(笑)。

ひろ 武井さんみたいにいろいろやりたいことがあって、自由が必要な人は、結婚生活を送るのは難しいかもですね。

武井 だから「なんで結婚しないのか」と聞かれると、結婚自体が嫌なわけじゃなくて、ひとりでやるタスクがたくさんあって、それをこなすときにスピードダウンするのが嫌だからだというのが答えだと思います。結婚によってタスク処理が加速する可能性もあるけど、今はまだその領域にたどり着いていない。

ひろ でも、その領域にたどり着いた頃には、もう60歳とかになっていません?

武井 でも60代でも100mを11秒台で走ってると思うよ。

ひろ いや、100mを11秒台で走るかどうかの話ではなくて、結婚して子育てしてるかどうかって話ですよ。

武井 だから、60代になってもまだまだ衰えていないし、肉体も繁殖力も元気だと思うんですよ。

ひろ 武井さんのお子さんはスポーツ万能そうですもんね。

武井 でも、自分の子供にスポーツをやらせたくないんですよ。

ひろ え、そうなんですか?

武井 父親が武井壮だとプレッシャーを感じるでしょ。そして、できれば女の子がいい。

ひろ 息子と一緒に特訓しているイメージありますけどね。

武井 俺が子育てをするなら、仕事は全部やめると思う。もう24時間態勢でフルオペレーション。赤ちゃんが起きたら俺も起きる。そして一緒に遊ぶ。寝たら一緒に寝る。できる限り一緒に過ごして、自我が発達して自分で活動できるようになるまでのすべての時間をコミットしたい。その時間を10〜15年くらい全力で楽しみたい。

ひろ いや、たぶん子供は10年もすれば、父親が四六時中一緒にいることはめちゃくちゃ嫌がると思いますよ(笑)。

武井 そこはアルプスの山里とかに住むから。

ひろ でも、海外での役者仕事も順調みたいですし、結婚や子育ては、当分先になりそうですね。

武井 だね。今、本当に楽しい第二の芸能人生がスタートしてるから、有意義な時間を過ごしてます。

ひろ 武井さんは日本の芸能界で成功しているので、のんびり生きることもできるじゃないですか。それだと満足できないんですか?

武井 うん。満足できないみたい。

ひろ その結果、ゴルフのティーチングプロのテストに合格したわけですよね。どう考えてもめちゃめちゃ大変じゃないですか。

武井 テストを受けているときはプレッシャーで、ゴルフ場で吐いたりしてたんだよ。でも、やっぱり落ちたくないじゃん。「不合格でした」というニュースを流したくない。「武井壮は本気になったらなんでもできるんだ」というのを自分のエンターテインメントとして見せたい思いが強かった。できない自分を見せるのもショーだけど、「いや、できるんかい!」という男でいたかった。だから「毎日500球は絶対に打つ」と決めてトータルで15万球くらい打ち続けたんですよ。

ひろ マジですか(笑)。

武井 だからといって、ゴルフがうまくなったとは思えず、毎日悩んでいました。テストの前日も深夜12時まで打ち続けたし、テストの初日と2日目も電気が消えたゴルフ会場のグリーンで深夜3時までアプローチとパターの練習をしていました。それでも、「全然ダメだ。これじゃ落ちる」と思っていたけど運良く通ったんです。最終日にハーフのベストが出たんですよ。ミラクルが起きたんです。

ひろ やっぱり積み重ねは裏切らないんですね。

武井 いや、それは違うと思います。「裏切ることも多いけど、それを裏切りだと思っちゃいけない」ということかも。技術は足らなかったけど「俺は15万球打ったんだ」という自信でカバーしたシーンがいっぱいあったんです。例えば、「俺は15万球打ってきたんだからワンオンする」と思って打ったショットがベタピンだったり、5mくらいのパットを1日に5000球くらい打ったことがあって、本番の大事な場面で5mのパーパットがやって来て「俺はあの日、5000球打ったよな。最後の70球は連続で入れたんだよな。これは同じだから外れるわけがない」と思ってカツンと打ったら、ど真ん中に入ったんです。

ひろ ほお。

武井 だから、積み重ねは裏切らないというより、積み重ねたことが俺を支えてくれている感じ。映画の現場でも、俳優さんたちは俺よりベテランで、俺が一番後発だけど、俺には彼らが積み重ねたことのない何かがあると思ってやっているんです。だからメンタルが折れない。「NGが出て『もう1回』と言われても大丈夫。次は監督の指示どおりできるはず」と思ってドンとぶつかっていける。

ひろ 根拠なく「俺はできる」と思うタイプの自信家もいますけど、武井さんは「努力したんだから俺はできる」と思うタイプの自信家ですね。

武井 うん。そっちのタイプだね。

ひろ でも、僕は完全に根拠のない自信で生きてるタイプなんですよね。

武井 やっぱり、俺たちは正反対だね(笑)。

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■西村博之(Hiroyuki NISHIMURA) 
元『2ちゃんねる』管理人。近著に『生か、死か、お金か』(共著、集英社インターナショナル)など 

■武井 壮(So TAKEI) 
1973年5月6日生まれ。東京都出身。タレント、元陸上十種競技日本チャンピオン。格闘技、野球、ゴルフなど様々なスポーツの経験を持つ。公式Webサイトは【https://gogotakei.com】、公式Xは【@sosotakei

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