ひろゆきがゲストとディープ討論する『週刊プレイボーイ』の連載「この件について」。〝百獣の王〟武井壮さんとの対談5回目は、「日本以外の場所で住むならどこがいい?」というテーマで話していただきました。すると、武井さんはアフリカに住みたいとのこと。やはり〝百獣の王〟なんですね。
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ひろゆき(以下、ひろ) 最近は海外にも活躍の場を広げている武井さんですけど、今後、住んでみたい国とかあります?
武井壮(以下、武井) ぶっちゃけ、地球上ならどこでもいいです。4年くらい海外で生活をしたことがあるんですが、もう少し長く住んでいればよかったなと思っているんですよ。
ひろ その4年はどこに住んでたんですか?
武井 アメリカにゴルフ留学したときに約3年。あとは台湾ですね。
ひろ じゃあ、アメリカはもうおなかいっぱいですか。
武井 いや、まだ行ったことがない州がけっこうあるんですよ。アメリカってかなり広いし、州が違えば別の国かと思うくらい文化も違う。だから、またアメリカには住んでみたい。あと、ヨーロッパもいいですよね。俺は世界史が好きなので、歴史にまつわる場所に行って、おいしいもの食べ歩くみたいな生活で余生を過ごしたい。あと百獣の王としては、アフリカには一度行ってみたいですね。山小屋を建てて、野生動物と一緒に暮らしたいという願望はあります。
ひろ あはは(笑)。
武井 ちなみに、ひろゆきがフランス移住を決めた理由は?
ひろ ちょうど日本に飽きてきた頃、妻に「移住するならフランス、カナダ、アメリカ、ブラジル、ポルトガルの中でどれがいい?」と聞いたら、「フランスがいい」ということで決まりました。
武井 理由はそれだけ?(笑)
ひろ ですです。
武井 じゃあ、今後、住んでみたい国とかあります?
ひろ ネットが安定していればどこでもいいです。今、フランスにいますけど、ほとんど家に引きこもっていますから。ただ、自炊をけっこうするので、スーパーでいい食材を安く買える国にはなると思います。んで、そういう意味でいうと、北のほうにある国はキツいっすね。基本的に食材はほとんど輸入だから高くなってしまいます。
武井 俺も寒い国は厳しいかな。
ひろ そういえば、僕は5年くらいラトビア(エストニアとリトアニアに挟まれたバルト海に面した国)の住人になっていたことがあるんですけど、住みたいとは思わなかったです。
武井 え、ちょっと待って。ひろゆきって、ラトビアの住人だったの?
ひろ ええ、ラトビアの居住権を取ったことがあるんですよ。
武井 なぜ?
ひろ ラトビアで5年の居住実績があると、永住権申請の資格がもらえるんです。で、5年たったので永住権を取ろうと思ったら、ラトビア語のテストがあると言われて諦めました(笑)。
武井 え、そこで諦めるんだ。
ひろ いや、これがフランス語だったら今後も使う可能性が高いので勉強したんですけど、ラトビア語ってマニアックなので使うことがほとんどないじゃないですか。しかも、ラトビア人ってだいたい英語をしゃべれるんです。よけいにラトビア語を勉強する意味がなくなってしまったんですよ。
武井 なるほど。じゃあ、逆に「地球上でひとつの国にしか住めない」と言われたら、どこに住みます?
ひろ それだったらアメリカになっちゃいますね。アメリカは50州あって、北に行けばウインタースポーツを楽しめますし、南に行けばリゾート的な遊び方もできる。気候という意味ではペルーも北から南まで長いですし、文化圏もいろいろあるので面白いですよね。それに海産物もおいしい。ただ、アメリカのほうがいろいろな面で住みやすいですよね。てか、北と南で気候が大きく違って、しかも海産物がおいしい国って、日本じゃないですか(笑)。
武井 そうだ(笑)。
ひろ 北の魚は脂が乗っていておいしいし、カニも獲れる。南のほうではフグもいたりして、日本は海産物において万能すぎるんですよ。しかも、海産物の流通システムが日本のレベルまで発達している国って、ほぼないんですよね。
武井 ヨーロッパは魚もおいしいよね?
ひろ 北のノルウェーあたりではサケが獲れますね。あと、南だと地中海に面した国は魚が豊富です。でも、ひとつの国で北から南までの土地を持っている国はあんまりないんですよ。フランスは地中海に面しているし、ブルターニュ地方でもカキが獲れるのですが、サケはやっぱり獲れない。日本のほうが恵まれていますよね。
武井 なんか、こうやって食の話で盛り上がるくらいわれわれは食に左右されているんだろうね。どの国にいてもおいしいものは食べたいもんな。
ひろ 食事は毎日しなくちゃいけないので、同じ生活をするならよりおいしくて安いものを食べたほうがいいとなるのは必然ですよね。
武井 確かに。そういう意味でいうと、日本はかなりいい国だと思う。清潔だし、安全だし、安いし。
ひろ 日本って、今住むには本当に快適な国ですよね。「世界で一番住みやすい国はどこ?」と聞かれたら、やっぱり日本になる。
武井 北海道と沖縄で気候が違うのはもちろんだけど、同じ地域の県でも歴史や文化が違っていたりするし、移動のしやすさでも日本はマックスかもしれない。
ひろ 東京で満員電車に揺られて通勤するとなると、日本は大変な国ですよね。なので、働かないで暮らすなら日本は超いい国です。
武井 リタイア後とかは、最高だと思う。
ひろ あと、真面目に働く人が多いから暮らしやすいのもありますよね。例えば、役所の人とか真面目です。フランスの役所の人はめっちゃ適当ですよ。
武井 警察官も真面目だし、そうなると、もう日本を出るという選択肢はない(笑)。
ひろ あはは。結局、いろんな国の話をしてきましたけど、一周回って「日本が一番いい」という結論になりましたね。ただ、百獣の王である武井さん的には物足りないかもですけど。
武井 だよね。日本に生まれて不便なことはないんだけど、だからこその不便さというか、不便なことへの憧れがあるのかもしれない。アスリートだから、過酷な環境に身を置きたいんだと思う。
ひろ 「日本でぬくぬくと暮らすよりも、あえてアフリカに行きたい」みたいな。
武井 そう。自分からアフリカに行っておいて「うわー、やっぱりシンドイわー」とか言っちゃうんだけど、でもタロイモを食べて「なんだこれ! うめー!」とか言いたいもん。それくらいまで自分を追い込んで、成長することを求めているのかもしれない。
ひろ ここで冒頭の「(住むなら)地球上ならどこでもいい」につながってくるんだ(笑)。
武井 地球に対する適応力を高めて旅したいんだよね。俺の脳には開拓したいというフロンティア精神が残っているんだと思う。でも、ひろゆきは、アフリカに住みたいとか開拓したいとかないでしょ?
ひろ フロンティア精神とかはないっすね。それにアフリカだとネットも不安定だから、引きこもれないじゃないですか(笑)。
武井 なるほどね。
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■西村博之(Hiroyuki NISHIMURA)
元『2ちゃんねる』管理人。近著に『生か、死か、お金か』(共著、集英社インターナショナル)など
■武井 壮(So TAKEI)
1973年5月6日生まれ。東京都出身。タレント、元陸上十種競技日本チャンピオン。格闘技、野球、ゴルフなど様々なスポーツの経験を持つ。公式Webサイトは【https://gogotakei.com】、公式Xは【@sosotakei】
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武井壮
1973年5月6日生まれ。東京都出身。タレント、元陸上十種競技日本チャンピオン。格闘技、野球、ゴルフなど様々なスポーツの経験を持つ。公式Webサイトは【https://gogotakei.com】、公式Xは【@sosotakei】