2016年の「第41回ホリプロスカウトキャラバン」での鮮烈なデビューから8年。
今年は7月5日より放送開始のフジテレビ系ドラマ『ビリオン×スクール』に出演するほかファッション雑誌『Ray』の専属モデルが決まるなど、順調に成長を続ける女優・三浦理奈にインタビュー!
■ホリプロスカウトキャラバンを知らなかった
――デビューのきっかけとなった「第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン」から8年が経ち、今年は20歳を迎えました。すっかりお仕事にも慣れたんじゃないですか?
三浦 でも、賞をいただいた中学生のときは地元の滋賀県にいて、ほとんど芸能活動はしてなかったんですよ。本格的にお仕事させていただくようになったのは、高校で上京してからなので、まだ全然ですね。
――でも、今回の撮影を見ていても実に堂々とされていて。
三浦 やっと、やっとです。いまだにドラマのオーディションも緊張します。
――『ビリオン×スクール』もオーディションだった?
三浦 オーディションでした。めっちゃ緊張しました。撮影に向けたワークショップでもずっと緊張しています。不安すぎて自分を追い込んでしまうんです。
――何が不安なんでしょう?
三浦 セリフが飛んだらどうしようとか、いろんな不安があって。実際、セリフをど忘れしちゃったこともあるんです。それがトラウマになっているのかもしれません......。
――もともと芸能界に入ったのはスカウトですよね?
三浦 たまたま家族旅行で原宿に来ていたときに、ホリプロの方に声をかけられました。でも、そのときはホリプロが何かも知らなかったんです(笑)。芸能人になりたいと思ったこともなかったので。
――それが結果としてはグランプリに次ぐ審査員特別賞。地元でもかなり話題になったのでは?
三浦 なりました。出場することすら誰にも言ってなかったんですけど、なぜか知られていて。
――それはそうでしょうね(笑)。そのくらい影響力のある賞だということも知らなかった?
三浦 全然です。選考の様子はHuluの番組で生配信されていたんですけど、演技している姿を友達からめっちゃバカにされました。「お姉ちゃん」っていうセリフなのに、「お兄ちゃん」と何度も間違えてしまって。恥ずかしかったですね。
■友達からは「〇〇」と言われる
――芸能界に興味がなかったのに、どういうモチベーションで出場したんですか?
三浦 ただ、「チャレンジしてみたい」って気持ちでした。「負けないぞ」という。
――スポーツの大会みたいな感覚?
三浦 そうですね。大会の規模も歴史も何もわかってなかったので、そのくらい気軽に。
――授賞式のあとに感極まって泣いている姿が印象的でした。芸能界に興味はなかったけど、受賞自体はうれしかった?
三浦 あれはうれしくて泣いたわけじゃなくて、悔しくて泣いちゃったんです。
――悔しかった?
三浦 グランプリじゃないんだって(笑)。
――トップを狙っていたんですね。
三浦 目立ちたがり屋じゃないんですけど、「この勝負に勝ちたい」っていう気持ちはすごく強いんです。
――負けず嫌い?
三浦 はい。兄がいるから。
――どういうことでしょう?
三浦 よく小さい頃から一緒にゲームしていたんですけど、全然勝てなくて。勝つまで何度も何度も挑む性格になっちゃったんです。友達に対してもそうでした。
――友達からはどういう性格だと言われます?
三浦 うーん、アホ。
――アホ?(笑) 天然みたいな?
三浦 未知の生物みたいに思われています(笑)。
――じゃあ、子どもの頃から活発なタイプではあった?
三浦 中学まではめちゃくちゃ元気でした。でも、ワンちゃんを飼うようになってからは引きこもりがちになって。人間よりも寿命が短いじゃないですか。一緒の時間を大事にしたいって思うようになってから、徐々に内気な性格になりました。
――犬がきっかけで内気になるって珍しい(笑)。でも、今はそう見えないですけどね。
三浦 ほんとですか。めっちゃ人見知りですよ。コンビニの店員さんにもキョドっちゃうくらい。人前に立つのも苦手ですし、知らない人と喋るなんて信じられないくらいでした。
――それはいつから変わった?
三浦 上京してお仕事を始めるときに、「このままだとマズい」と思って。マネージャーさんに会うのさえ緊張するようになっていたんです。それで少しずつ直していって、今はちょうどいい状態です。
――撮影現場なんて初対面の人だらけですものね。
三浦 ただ、溶け込むのに時間がかかっちゃうんですよ。初めてドラマに出たときも、同世代の女のコたちばかりの現場だったのに、人見知りが出たせいで、最初は大人しいコだと思われていました。
――根っこの性格は変わってないわけですね。
三浦 でも、撮影が進むうちに少しずつ喋るようになりました。最終的にはみんなでTikTokをしたり、バカ騒ぎしていましたね(笑)。
■現場での「やっちゃった」
――今まで印象に残った現場は?
三浦 『舞妓さんちのまかないさん』です。
――是枝裕和さんが総合演出を務めたNetflixのドラマですね。
三浦 現場ではあまりご一緒できなかったのですが、是枝さんの『海街diary』などの作品が好きだったので、お仕事できたのはすごくうれしかったです。稽古ではものすごく怒られたことも印象に残っています。
――それは是枝さんに?
三浦 日本舞踊の先生です。
――そうか、舞妓さんの役だから稽古があった。
三浦 先生なので当たり前ではあるのですが、権威あるものすごく厳しい方で。私は踊りが下手なコの役だったので、完璧にできるまでという感じの指導はなかったですけど、それでもめちゃくちゃ大変でした。
――現場で失敗したことは?
三浦 今でも言われるのは発音ですね。
――関西出身だから方言が出ちゃう?
三浦 たまに出ちゃうんですよ。特に緊張がピークになると何が正解かわからんくなって、余計に生まれ育った言葉が出てきちゃいます。イントネーションがおかしいところだけ別録りしたこともあって。「やっちゃった......」ってなりました。
――もしかして、「関西弁が出ちゃうかも」という不安も緊張につながっている?
三浦 そう思います。「セリフ飛ばへんかな」って意識するほど関西弁が出てしまうので、余計に緊張しちゃう(苦笑)。
――それでも今年は山下敦弘監督の『水深ゼロメートルから』など、注目作への出演が続いています。なぜ自分が選ばれているのだと思いますか?
三浦 なんでなんですかね? どれもオーディションなんですけど、いつもこんな感じなのでなぜ選んでいただいているのかは自分では全然わからないです。
――オーディションでは、いつも素なんですか?
三浦 このまんまです。
――いや、プロの現場で素でいられるのもすごいと思いますよ。
三浦 でも、あー......。
――何か言葉を飲み込んだ(笑)。
三浦 あの、緊張はするんです。だけど、人に対しては緊張しないんです。その現場には緊張するって意味です。
――つまり、「○○さんだ!」という緊張はないけど、「セリフがちゃんと言えるかな」みたいな緊張は人一倍あるってことですか。
三浦 (うなづく)
――じゃあ、共演者に対しても緊張することはない?
三浦 あまりないですね。でも、事務所の大先輩である石原さとみさんにお会いしたときは、めっちゃ興奮しました!
――緊張じゃなくて興奮(笑)。
三浦 「うわー、さとみさんだ!」って。
――それは誰でもそうなるから大丈夫です!
■あこがれは綾瀬はるか
――ちなみに、趣味はなんですか?
三浦 ラーメンの食べ歩きです! 昔から好きであちこち行っています。
――何系が好きなんですか?
三浦 あっさり系ですね。貝出汁が特に好きです。京都の「麺屋 優光」さんにハマって、系列の銀座店にも行きました。
――じゃあ、休日はラーメン屋めぐりをしたり?
三浦 ラーメンだけじゃなく、とにかく食べるのが好きで。東京では一人暮らしなんですけど、料理もしていますね。
――すっかり東京の生活にも慣れて。
三浦 そうですね。もう戸惑いはないです。
――仕事の目標はありますか? 「こういう女優さんになりたい!」とか。
三浦 綾瀬はるかさんです。中学生のときに撮影現場を見学させてもらったんですけど、監督に言われたことをすぐに飲み込んで演技されている姿が、すごくカッコよくて。それからずっとあこがれています。
綾瀬さんはアクションもとてもカッコいいんです。特にドラマ『奥様は、取り扱い注意』は、アクションシーンを何度も見返しました。
――三浦さんもアクションに挑戦してみたい?
三浦 ぜひやってみたいです! 自分も綾瀬さんみたいにカッコよく戦えたらいいなって思います。
――じゃあ、当面の目標はアクション作品への出演ですね。
三浦 でも、学園モノの恋愛ドラマにも出てみたい(笑)。やっぱり、恋愛系のヒロインはあこがれなので。こんな自分に合っているのかはわからないですけど(笑)。
●三浦理奈(みうら・りな)
2004年1月1日生まれ 滋賀県出身 身長160cm
〇2016年に開催された、第41回ホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞。その後は、女優業を中心に活躍。主な出演作に配信ドラマ『舞妓さんちのまかないさん』(Netflix)、映画『水深ゼロメートルから』など。
公式Instagram【@rina.miura.official】
公式X【@rina_miura_】