じゃい

あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。

【今週のお悩み・第115回】いつもじゃいさんのコメントを読んで参考にしています。知り合いの社長は、いつも単勝1万円のみを買います。

個人的にはそんな買い方をするなら、予算を配分して馬単を買った方がいいのにと思ってしまうのですが、長い目で見たら、私と社長、どっちのほうが賢いでしょうか。(40代・会社員・男性)

 * * *

今週は中京記念でした。本命は不発の6着に敗れたものの、◯▲のワンツーフィニッシュ!

4頭目にあげたロングランも4着とまあ人気的に特に絶賛するほどのことでもないし、そもそも本命が来てないんだけど、じゃいさんの予想見てアルナシーム入れて当たった!という声もあり救われたかな。

自分があたるよりも、それが1番うれしいことです。これは神の領域なのか? 単純に富より名声が大事だと思っているのか? 多分後者でしょう。

それでは質問に。「単勝1万円か、予算を配分して馬単」さてどっちが賢い?

まず、質問ありがとうございます。このコーナーは質問者がいないと成立しないコラムなので、質問をしてくれた方には毎度毎度感謝をしております。そんな感謝をしている人に対して失礼な言い方になってしまいますが、これは愚問です。

なぜ愚問なのか? それをこれから説明いたします。

まず控除率という面で考えた場合、単勝は80%、馬単は75%ですから、単勝の方がお得です。単純計算で控除率通りの計算だと単勝は100万円賭けたら80万円戻ってくる。馬単は100万円賭けたら75万円戻ってくる。

100万円で考えたら単勝の方が5万円お得になります。この時点では単勝の方が得だと考えられます。

では、馬単が得だと証明するためには、この5%を覆すものがなくてはいけません。単勝よりも馬単が優れている点はどこか? まず、「相手を選べる」ことです。

例えば8頭立てのレースの場合。単勝を買う馬は1頭(説明はありませんでしたが、ここでは1頭とします)。

馬単の場合、他の7頭が相手の対象になります。総流しで予算配分するなら、単純に合成オッズの高い方を買えばいいだけですが、来ない馬を削れるなら、馬単が単勝に勝る可能性は高いです。

ただ、馬単だと2着が切った馬なら払戻しは0です。

そうなってくると、今度は予想の精度が必要になってきます。

そもそも単勝の時点でも予想の精度は必要で、単勝と馬単どちらがお得という前に、当たらなければどちらもお得になりません。

更に2着候補もとなると、予想力はさらに高くなければ勝てません。

予想力とはどういうことか? 予想の精度とはどういうことか?

一見よく当たる人が、予想力がある人、来る馬を当てられる人が予想の精度が高い人に思われがちですが、勝つということを考えたらそれは違うのです。

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例えば、単勝1万円買う知り合いの社長が毎回当たる場合と10回に1回しか当たらない場合、どっちが勝つでしょう?

「そんなの当たり前じゃん! 毎回当たる方が勝つに決まってるじゃん!」

そんなことはありません。

毎回1.5倍を当てると10レースで10万円が15万円になります。

10回に1回しか当たらなくても、それが20倍なら10レースで20万円が手元に残ります。ここを勘違いしている人は非常に多い。

「じゃいさんでも外すんですね」

「じゃい、最近調子悪いな」

こんなことを言う人がまさに典型的です。

たしかに僕の予想は全然当たりません。ところが、2024年だけで考えても、結構プラスになっています。

予想を世に出して、オッズが下がることを加味しても勝っています。本来なら4桁は勝っています。

なぜか? 当たる時が大きいからです。税務署の方は知ってるでしょうが。

なので、単勝と馬単どっちがお得かは知り合いの社長の予想力、予想の精度、期待値の精度によって変わってきます。

もしも、その力が高ければ馬単の方がお得だと思います。なんなら3連単の方がお得になります。

控除率は高くとも、予想力でカバー出来ます。

例えば、あなたが未来から来て、競馬の結果を知ってるとしたら、何の券種を買いますか?

そういうことです。

そして、私と社長、どっちが賢いでしょうか? これが1番の愚問です。

もし僕があなたの方が賢いと言えば、あなたは誇らしく思い、得意気になるでしょう。

社長の方が賢いと言えば、「チッ!」と舌打ちをするか、落ち込むか、そんな感じになるでしょう。

人間らしいと言えばそうかもしれませんが、こんな些細な比較や承認欲求はなるべく削ぎ落としていく方が、人生は豊かになると思っています。

社長もあなたも2人とも素敵な人です。

会ったことないですが、やはり社長という肩書きを手に入れただけで素晴らしいし、こうやって僕に対して質問してくれて、愚問とか言っちゃいましたが、文章から読み取るに憎めない可愛げのある方だと思います。

僕もたまに「こんな買い方でやっても勝てないでしょ」と思う時はあります。

でも人は人、自分は自分。生まれた場所も、産んでくれた親も、環境も何もかも違うんです。そりゃ価値観も違うでしょう。

人の良いところは盗む、ダメだと感じたら反面教師にする。アドバイスはしても押し付けない。

あくまで戦う相手は自分自身なのです。

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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。

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じゃい(インスタントジョンソン)

じゃい(インスタントジョンソン)

1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。

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