『仮面ライダーガッチャード』(テレビ朝日系)で錬金アカデミーの教師・ミナト役を演じ、俳優として注目度が上がっている熊木陸斗が7月29日(月)、「週プレ グラジャパ!」から自身初のデジタル写真集『不器用』をリリースした。
写真集は"休日デート"をコンセプトに、木漏れ日が差し込む公園を散歩したり、隠れ家バーでお酒を飲んだり、ラグジュアリーなホテルでシャワーを浴びたり、さまざまな妄想シチュエーションで撮り下ろし。愛くるしくて官能的、爽やかでミステリアス、まっすぐで不器用......そのギャップにどっぷり沼ること間違いなしの一冊となっている。
週プレNEWSでは、撮影後の彼にインタビューを実施。撮影裏話のほか、『仮面ライダー』や役者への思いなどを語ってもらった。
■脱ぎのシーンでは"30代の色気"にチャレンジ
――初のデジタル写真集『不器用』。撮影スタッフの中には昔から知っている方もいらっしゃったそうですね。
熊木 カメラマンさん、ヘアメイクさん、スタイリストさんは、宣材写真とかこれまでの活動で事あるごとに協力してくださっていたメンバーを揃えさせていただいて。何年も前から知っていて、「自分の写真集を作ることになったときは、一緒にお仕事して恩返ししたいです」と言っていたんですよ。
――そんな馴染みのある方々の撮影はどうでしたか?
熊木 僕、緊張しいなんで、現場に入ると最初のほうは固まっちゃうんですよ。でも気心の知れたメンバーで撮影させてもらえたので、初めからリラックスして挑めました。素の部分とかも撮ってもらえたんじゃないかなと思います。
――撮影で印象に残っていることはありますか?
熊木 ホテルに行って撮影したんですけど、普段着ないようなスーツとかパジャマを着たんです。役でスーツを着ることはあっても機会は少ないし、パジャマで寝ることもないので見慣れない自分がそこにいて。気心の知れたメンバーに囲まれたいつもの自分と、見慣れない自分がミックスしているような感覚がありました。
――寝るときはパジャマじゃないんですか?
熊木 ずっとサッカーをやっていたので、チームとかのユニフォームを着て寝ることが多いです。高校のユニフォームとか(笑)。
――サッカー少年だったんですね。写真集では大人の雰囲気にドキドキさせられるというか、ベッドシーンやシャワーシーンなどセクシーショットが満載でした。
熊木 はい、そこはチャレンジでした。正直、34歳という年齢に追いついていない自分がいるんですよ。中身は20代後半くらいで止まっちゃっているみたいな感覚があって。ただ、せっかく写真集をやるんだったら"30代の色気"とか大人の部分を出したかったんです。現場のスタッフさんたちに委ねつつ、自分でもギアを上げていくしかないって覚悟を決めてやり切れたかなと思います。
――役作りのように"大人の色気"を出すためにイメージした人とかはいますか?
熊木 イメージですけど、映画『娼年』の松坂桃李さん。過激なシーンが多いはずなのに、ただエロいって印象では終わらないんですよ。初めて映画を見たときから、どう演じたらこの感じが出せるんだろうと気になっていて。今回の撮影前にもう1回見て、ちょっと意識した部分はあります。
――男が出せる色気ってどういうところだと思います?
熊木 単純に体のラインとかじゃなくて、"何を考えているのかわからない"のが色気なのかなと。その瞬間を切り取った写真から、この人の目は何を物語っているんだろうって、答えが誰とも一致しないようなミステリアスな部分が色気に感じるのかなと思って。だから、今回の脱ぎのシーンでも、何かをまっすぐ訴えることはしないようにしていました。
■『仮面ライダーガッチャード』にかけた思い
――放送中の『仮面ライダーガッチャード』では錬金アカデミーの教師・ミナト役。元々、特撮作品への思い入れが強かったそうですね。
熊木 思い入れというか、これで決まらないんだったら役者を辞めようくらいの覚悟を持って受けさせてもらったのが、『仮面ライダーガッチャード』のミナト役でした。次にチャンスがあったら受けてみようって特撮のオーディションに挑戦して、結局、何度も落ちていて。
――特撮が好きになったきっかけは何だったんですか?
熊木 好きで受けていたのも事実ですけど、本当の話をすると、26歳くらいまでは視野にも入れてなかったんです。当時は、どれだけお芝居が好きでも、どれだけこの作品に出たいと願っても、無名の役者にはチャンスが回ってこない現状とぶつかっていて。役者として先に進むためにはキャリアが必要だと思い、たどり着いた答えが特撮だったんです。そこから作品を見るようになって、オーディションに落ちたらまた見返して。先へ進むために始めたのに、ただ純粋に「特撮に出たい」って気持ちのほうが強くなっていったんです。
――『仮面ライダー』はどんなところに魅力を感じたんですか?
熊木 大人になってからちゃんと見るようになったので、世界観やストーリーが新鮮でした。僕の世代って、子供の頃は特撮があまり身近じゃなかった世代なんですよ。8歳下の弟がいるので、『仮面ライダークウガ』を一緒に見たくらいしかなくて。
――熊木さんは1990年生まれなので、幼少期に『仮面ライダー』のテレビシリーズがちょうど放送されていない世代ですよね。
熊木 そうなんですよ。大人が見ても自分の夢とか頑張っていることをダイレクトに励ましてもらえて、奮い立たせてもらえる作品なんだなって思いました。子供向けだからこそ原点で、この気持ちを純粋に表現できる役者にならないと見ている人にも響かないだろうなって。
――『仮面ライダーガッチャード』放送開始から約1年を振り返って、今どういう心境ですか?
熊木 いやぁ......、年齢的にも最後の青春を味わわせてもらったな、本当に夢のような時間だったなと思います。特撮って演技に関するすべてが経験できるんですよね。お芝居とアクション、アフレコ、キャラクターの歌もそうですし。33歳までのらりくらりと経験を積んできた自分では太刀打ちできないことが山ほどあって、今までの自分はちっぽけだったってことを痛感させられました。10年ほどの役者経験よりも100倍濃くて、もがきながらやらせてもらった一年間でした。
――ミステリアスで仲間思いのミナト役がハマっていますが、普段の熊木さんもあんな感じですか?
熊木 あんなにパリッとしてないですね。現場ではいじられることが多いですし、やらかしちゃうキャラなんですよ(笑)。それこそ週プレさんの撮影のときも衣装なのに4回くらい飲み物をこぼしてしまって......。絶対こぼさないぞって思っていてもなぜかヒジが当たってこぼすみたいなことが多いので、"ガッチャード"の現場でも年下からもいじられるようになって(笑)。でも、それくらい気をつかわないほうが僕も助かるので、いじってくれてありがとうって感じですね!
――今後、挑戦してみたい役はありますか?
熊木 ミナト役のまっすぐで硬派なイメージとは真逆の、狂ったような役とか。僕の顔を見るだけで嫌悪感を抱いてしまうくらいの役をやってみたいですね。自分はまだまだどこかで見たようなお芝居になっているので、もっと人間力を磨いて魅力的な大人になって、唯一無二の役者を目指していきたいなと思います。
●熊木陸斗(Rikuto KUMAKI)
1990年5月14日生まれ 新潟県出身 身長180cm
○大学在学時にスカウトされ芸能活動をスタート。ドラマ・映画など俳優として活躍中。『仮面ライダーガッチャード』(テレビ朝日)でミナト役を務め、公開中の劇場版『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』にも出演。
公式X【@Rikuto_Kumaki】
公式Instagram【@rikuto_kumaki】