秋元康氏プロデュースの女性11人組アイドルグループ「WHITE SCORPION」(ホワイトスコーピオン)の妹分グループ「FINALIST」(ファイナリスト)が注目を集めている。
同グループは昨年12月にデビューした「WHITE SCORPION」を輩出したオーディション「IDOL3.0 PROJECT」の最終審査で惜しくも落選した17人で結成。8月3日には国内最大級のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)」でオリジナル楽曲「命しか捧げるものがない」を披露した。
そのTIFのステージでセンターを務めたのが現役高校生メンバーのイチゴだ。イベントなどではツインテールにするなどガーリーな印象だが、ひとたび踊ればキレキレのダンスを披露。さらにその内面には、アイドルとして上に行きたいという強い思いがあった。
――アイドルを目指したきっかけはカードゲームでアニメも放送された「アイカツ!」だそうですね。
イチゴ そうなんです。イチゴという芸名も「アイカツ!」の星宮いちごちゃんから取っています。スターライト学園(劇中に登場するアイドルを養成する学校)に入りたくて。ママにずっと、「あそこに入るんだ」って話したら、「現実にはないよ」って言われて(笑)。
「アイカツ!」はAKB48さんや橋本環奈さんとコラボカードを出していたので、そこで「あっ、アイドルってアニメやゲームの中だけじゃないんだ!」とアイドルの存在を知りました。
――そこからアイドルを目指し始めるんですか?
イチゴ 最初はプロのダンサーを目指していました。テレビで踊ってる人を見て、「踊りたい、テレビに映りたい」って思って小1からダンスを始めました。
ダンスはかっこいい系のヒップホップダンスをやっていたんですけど、中3の時に日向坂46さんのオーディションを受けたのをきっかけに、自分の将来の夢がダンサーからアイドルに変わりました。そこからは櫻坂46さん、モーニング娘。さんだったり10個以上色々なオーディションを受けたんですが、全部落ちてしまって。
特にAKB48さんは大盛真歩さん、小濱心音さんが推しで本当に大好きで、オーディションも最終の一歩手前まで進めたんです。アイドルになったらどんな髪型にしようとかも考えてウキウキしていたんですけど、結局落ちてしまってすごく凹みました。
――よく心が折れてしまわなかったですね。
イチゴ 高校1年生の誕生日のときに、おばあちゃんに「アイドルになるのが夢なんだ」って話したんです。でも、その次の日におばあちゃんが倒れて、そのまま亡くなってしまって......。そこからは、おばあちゃんのためにも本気で夢を叶えるしかないとギアが入って、何度落ちてもずっとオーディションを受け続けました。
――おばあちゃんとの約束が支えだったんですね。昨年「IDOL3.0 PROJECT」のオーディションでは最終選考までいくも、そこで落ちてしまいました。当時の心境はどうでしたか?
イチゴ 絶望しかなかったです。「ああ、落ちた」となった瞬間、涙が止まらなくて。隣のメンバーにずっと肩をよしよししてもらって、楽屋に戻るときも涙で前が見えず、ずっと支えてもらって歩きました。
――「WHITE SCORPION」にはなれませんでしたが、その後オーディションの落選者で結成される「FINALIST」への道が開かれました。
イチゴ 最初にお話を聞いた時は「へっ?」ってなりました。夢を叶えられるという気持ちと、ここまで頑張ってきたみんなとまだ一緒に活動できるんだっていう気持ちもあって。「FINALIST」にはオーディションでグループが一緒だったサナさんとタマの2人がいたことも大きかったです。その2人が居なかったら多分やろうとも思えていないと思います。
――「WHITE SCORPION」は同じ「IDOL3.0 PROJECT」の仲間であると同時に、イチゴさんが落ちたオーディションに受かった人たちです。そこに悔しさはあるのでは?
イチゴ あります! 「WHITE SCORPION」の初めてのリリースイベントに行ったときが一番悔しかったです。そこで歌った「眼差しSniper」は最終選考の課題曲でその時は私たちも踊った曲でした。その曲を正式な衣装を着て、自分たちの曲として披露している「WHITE SCORPION」を見た時は悔しくて、悔しくて。
「FINALIST」として活動を始めると決まったときから、自分たちは自分たち、「WHITE SCORPION」は「WHITE SCORPION」って思うようにはしているんですけど、やっぱりどこかで悔しさが沸いてきて。今はその悔しさをバネにして練習に取り組んでいます。
――イチゴさんは3日のTIFではセンターを務めました。感想は?
イチゴ とても緊張しました。不安もありましたが、FINALISTのみんなが声をかけてくれたり、自信を持って歌えるようにたくさん練習に付き合ってくれ、センターに立ちたいという夢の背中を押してくれました。
とても楽しみながらパフォーマンスができましたし、センターは全体のパフォーマンスのクオリティを決める大事な役割がありますが、それを意識しながらパフォーマンスができたと思っています!
初めてFINALISTを見た人に、もっとこのグループ見てみようと思ってもらいたい。その気持ちをのせながら全力でセンターを務めました。17人それぞれ、そして全体での個性を磨き、パフォーマンス力を上げてデビューできる日に向けて頑張り続けたいという思いがより強くなりました。
――TIFではセンターでしたが、「FINALIST」でデビューできるとしたらまたセンターがいいですか。
イチゴ センターがいいです!
――即答ですね(笑)。
イチゴ センターに立つのが夢なので、すぐ返しちゃいました(笑)。
――イベントではツインテールをされていたり、ガーリーでどちらかといえばおとなしそうなイメージもあるので、意外性があって面白いですね。
イチゴ 実は体育祭や文化祭では結構先頭に立って張り切ってやっていたタイプなんです。ツインテールもかわいい感じが好きなのもありますが、「FINALIST」は17人もいるのでファンの方に覚えてもらいやすいようにと思って多めにやっています。
――そういう戦略でもあったんですね。これからファンになる人にはどこを見てほしいですか?
イチゴ やっぱりダンスです。普段はほわほわしているのにダンスのときはバキバキだねって、メンバーにもファンの方にもよく言われるので、そのギャップを見てほしいです!
――グループとして、そしてイチゴさん個人としての今後の目標を教えてください。
イチゴ まず直近の目標は「FINALIST」としてのメジャーデビューです。そして将来の夢は、ちょっと大きすぎるかもしれないんですけど、東京ドームに立ちたいという思いがあります。あと紅白歌合戦に出るのも夢です。家族も友達も親戚もみんな応援してくれていて、一番目に見える恩返しは私が紅白歌合戦に出て「おおっ」ってなってもらうことかなって思っています。
あと個人としてはドラマ「相棒」が大好きで、ぜひ出てみたいです。「死体役でもいいから出たい」って小学校のときから言ってるんです。もし出られるならアイドルの死体役でも大丈夫です!
●FINALIST
秋元康氏が手がけるIDOL3.0PROJECTオーディションで約1万人の応募者の中から各種審査を経て11人組アイドルグループWHITE SCORPIONが選ばれた。その後、同オーディションの最終候補者の中から17名が事務所・オーバースに所属しFINALISTとしての活動を開始。
IDOL3.0 PROJECT
公式X【@idol3_project】
公式Instagram【@idol3_project】
●イチゴ
2006年12月1日生まれ、埼玉県出身。
身長:161cm 特技・趣味:お菓子作り、ダンス、スティッチの声真似
公式X【@I3P_ichigo】
公式Instagram【i3p_ichigo】
公式TikTok【i3p_ichigo】