あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。
【今週のお悩み・第120回】常にネガティブなイメージを持ってしまいます。昔からみんなが推薦するものに懐疑的になってしまう癖があり、たとえば競馬でも圧倒的な本命に対しては、疑問視してしまいます。
これはギャンブルだけにとどまらず、たとえば政府が推進しているNISAなんかも怪しいなと思ってしまいます。実際にこの前の日経平均の暴落のときにも、こういうことがこの先もたくさん起こるんじゃないかと思いました。疑り深い性格の私ですが、ギャンブルにおいて、この性格を強みに生かせないでしょうか？（40代・男性・会社員）
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キーンランドカップは対抗のサトノレーヴ、4番手に挙げた8番人気エイシンスポッターが2着と参考にして当たった方も多くいてよかったです。本命のセッションは逃げて沈みました。
新潟2歳は馬場読みが外れて外での決着。トータルクラリティ、コートアリシアンは今後どうなるか楽しみです。
では質問へ。
「疑う」。これはギャンブルにおいて非常に大切な要素の1つです。
ネガティブなイメージを持ってしまうという表現が正しいのかどうかはわかりませんが、これ自体はむしろプラスで、既に活かされていると思います。
例えば、運転が上手だと自分で過信してしまっている人よりも、常に慎重で臆病で、事故を起こしてしまうんじゃないかと考える人の方が、事故が少ないのと同じです。必要なディフェンスの部分です。
僕も、あらゆる可能性を考えます。当然最悪な状況も考えます。そうすることにより、リスクヘッジが出来ているわけです。運転だったら大怪我をしないで済んでいます。
株価の大暴落で「終わりだ！」と嘆いてる王子もいましたしね。もしこれが、最悪な状況を考えられる人ならば、こんな結果にはなってなかったはずです。正直、僕も大暴落で結構損はしました。ただ、許容範囲内にとどまりました。
それはなぜか？
元々そういう可能性を考えて投資しているからです。
そういうことを想定していると、次の行動も迅速に出来ます。ただただ塞ぎ込んできても前に進みません。何も起きません。
一般の方は不幸が起こったときに、想定外だからショックも大きいのでしょう。そういう意味でも、このネガティブな発想が出来る人、疑うことが出来る人はむしろギャンブルに向いてる一面はあります。
今週のギャンブル格言【「疑う」は不幸にならない為に必要なもの。「信じる」は幸せになる為に必要なもの】
しかし、それだけで人生で勝者になれるか？と言えばノーです。
事故は起こさないかもしれませんが、F1レーサーにはなれません。
人生とは、どこかで攻めが必要なんです。
最悪な状況を想定しつつも、どこがでリスクを取ることをしないと一流にはなれないのです。疑うことはきちんと疑った上で、最終的に自分を信じることが必要です。
そして、自分を信じるためには、そこに至る根拠が必要でしょう。何も疑わず、何の根拠もない自信はただただ大怪我をするだけです。
藤井聡太7冠は、終盤に決して守りには入りません。安全に勝つことをしません。最短で勝ちにいきます。平気で飛車を切ります。
そこには、深い読みから生まれた自信、自分を信じてリスクを取ることが出来る根拠があるからです。その姿は美しすぎるくらい美しいです。
ネガティブだから疑うのではなく、疑うことの本質を理解する必要があります。
疑うとは、自分が納得出来るまで物事を知ろうとするということです。
「誰かから聞いた」「テレビ、ラジオ、YouTubeで言ってた」「それが常識とされてるから」
こうやって得た情報を鵜呑みにして、自分の知識にしてしまう人が多いです。それを答えだと思ってしまう人が多いです。
それを巧みに利用したものが洗脳です。信じさせるまでのプロセスが短すぎるのです。疑うから信じるまでのプロセスが大切です。その為には自分で調べ、考え、納得して初めて自分の意見が生まれます。
ワイドショーの情報を鵜呑みにしてSNSで誹謗中傷をするような人は、大抵その思考のプロセスがありません。物事の本質はどれも思っているよりも深いものです。
そして、受け売りではなく、自分の意見が確立された時に、人は強く逞しくなります。人の意見に左右されないような揺るがぬ心の軸が誕生していることでしょう。これはギャンブルに限らずです。
何でもかんでも疑って人を信じることが出来ない人もいると思いますが、そこで終わってしまってはいけません。
信じる為にやるべきことがあるはずです。
疑うことも大切ですが、信じることはもっと大切だと考えます。
とまあ、今回のコラムを書きましたが、僕の言うことを疑ってみて、自分なりに考えて答えを出してみてください。
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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』（KADOKAWA）など著書も多数。
