日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』! 1作目の"その後"を描く、SFホラーシリーズ最新作!

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『エイリアン:ロムルス』

評点:★2.5点(5点満点)

©2024 20th Century Studios. All Rights Reserved. ©2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

「ファン」への「目配せ」は万全。しかし......

作品ごとに賛否はあれど、これまでの『エイリアン』シリーズの面白さや驚きは、それぞれの監督の持ち味と密接に関わっていた。1作目の『エイリアン』は驚きに満ちたショッキングな映画であり、その世界を引き継ぐからには新たな驚異、新たなショックが必須だと彼らは理解していた。

ただ、新たなショックをもたらすために投入された新要素がシリーズのファンを常に満足させるものだったかといえば、必ずしもそうではなかったということは事実である。しかしそういう新たな要素によって『エイリアン』世界が拡張されてきたこともまた事実で、それはグロテスクと恐怖に向かう想像力の進化でもあった。

最新作の本作は徹底的に1作目と2作目の世界観を踏襲することで、そういう過去作の、カギカッコ付きの「失敗」を回避しようとしたように見える。また、それほど前面に押し出されてはいないが3作目や4作目の要素も盛り込まれており、ファンへの「目配せ」は万全である。

問題は本作が最終的に「分かってますよ」という「目配せ」だけに終始してしまったことで、結果、新味に欠けるファンメイドの動画のようなものが出来てしまったのはまったくもって皮肉なことである。

STORY:異星の採掘植民地で厳しい暮らしを送る若者たち。彼らは現状打破のために宇宙ステーション"ロムルス"に忍び込む。だが、そこで彼らを待っていたのは、寄生した人間の胸を突き破り、異常な速さで進化する"エイリアン"だった

監督・脚本:フェデ・アルバレス
製作:リドリー・スコット
出演:ケイリー・スピーニー、デヴィッド・ジョンソン、アーチー・ルノーほか
上映時間:119分

全国公開中

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