2024年4月末、筧美和子さん写真集『ゴーみぃー』発売。2024年8月末、『ゴーみぃー』の写真に新たな撮り下ろしを交え、佐内正史さん写真展『写真の筧さん』開催。本という形で、展示という形で、第三者の目に触れる写真。筧さんを応援している人、佐内さんの写真が好きな人、あるいは、たまたま興味を持った人が、『ゴーみぃー』に連なる写真を見る。何となく心惹かれる一枚が強烈に記憶にこびりついたり、全体から伝わる空気感にぼんやりと魅了されたり。受ける影響は様々だと思う。
そうした写真を見た瞬間の感覚は一時的なもので、数ヶ月も経てば全く他の何かに夢中になっているかもしれない。あまりに情報が交錯しすぎている今日は、素直な気持ちを側に置いておくだけでもひと苦労。大変だ、大変だ。時間に追われ、好きなアレコレを忘れて、だんだん自分が分からなくなる。もどかしい。
何かを求めて写真展に足を運ぶ。何かを求めて? いや。動機はもっと単純で、純粋に写真を見たいという気持ち、ただそれだけかもしれない。筧さんが写った写真がある。週刊プレイボーイの誌面にドーンと掲載されているような写真。もっと曖昧な写真。その境界線は、まるで波打ち際。確かな線があって、押したり引いたりしながら少しずつ砂浜と混じり合う。砂浜に到達した波が、海の底から連れてきたもの。見たことのない形の貝殻。未知の生き物。ヘンな味......。
佐内さんは言う。「写真は間を撮るもの、筧さんとの間、グラビアとの間、そこにピントを合わせている」。知らなかったことが、いっぱいある。防波堤を建ててしまうことで、見えなくなる景色もいっぱいあると気づく。純粋に、遠くの景色が見たい。
心の隅っこでうずくまっていた素直な気持ちが、大空へ放たれる。その大空をみんなで眺めて、「気持ちが良いね」と笑う。グラビアとは? 写真とは? 19歳、芸能活動を始めて間もない頃、各誌で表紙を飾るなどグラビアで活躍した筧さん。30歳の節目に、原点であるグラビアに改めて挑戦したい。写真が好きだからこそ、ちゃんと、その本質に近づきたい。その思いで、大好きな写真家の佐内さんに撮影を依頼した。
写真の話よりも、好きな漫画、好きな映画、好きな街、好きな食べ物の話をした。とりとめがなさすぎて忘れてしまった会話、そのなかで生まれた忘れられない気持ち。いつの間にか、答えよりも大事な答えを知ったそうな――。
写真集は終わりじゃない。グラビアと写真は、もっと仲良くなれる気がする。グラビアは写真だし、写真があってグラビアが出来上がるわけだから。その波打ち際で、あなたの夢を追いかけて。写真展の開催は9月21日(土)まで。
★筧美和子写真集『ゴーみぃー』刊行記念、佐内正史写真展「写真の筧さん」開催中!
◆会期:2024年8月29日(木)~9月21日(土) ※木・金・土のみ開催(祝日休)
◆開場時間:13:00~19:00
◆会場:@btf / 東京都中央区勝どき2-8-19 近富ビル倉庫 3階・3B
※9月7日(土)/14日(土)共に開場時間が異なります(13:00~16:00)。オリジナルプリント、大判ポスター、Tシャツも販売中です。詳細は公式サイトよりご確認ください。【https://www.shopbtf.com/】
【デジタル限定】筧美和子写真集『アフターゴーみぃー』
価格/1100円(税込) 撮影/佐内正史
発売/2024年9月4日(水)
写真展の開催に合わせて制作された、新規撮り下ろしを収録したデジタル写真集。写真集『ゴーみぃー』の、その続き。『週プレ グラジャパ!』ほか主要な電子書店で販売中です。
■佐内正史(Masafumi Sanai)
写真家。97年、写真集「生きている」でデビュー。写真集「MAP」で第28回木村伊兵衛写真賞を受賞。08年に独自レーベル「対照」を立ち上げ、写真集を発表し続けている。近著は『写真の体毛』『静岡詩』。また、映画「i ai」では撮影を務め、曽我部恵一とのユニット"擬態屋"で「DORAYAKI」をリリースするなど写真を越えて活動中。主な展覧会に「展対照<第一部>」Vacant(東京、2024年)、「静岡詩」タカ・イシイギャラリー、(東京、2023年)「静岡詩」静岡市美術館(静岡、2023年)、など。
■筧美和子(Miwako Kakei)
1994年3月6日生まれ、東京都出身。2013年、フジテレビ系『テラスハウス』に出演して注目を集める。以後、女優やモデル、グラビアなど幅広く活躍中