あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。
【今週のお悩み・第123回】負けると分かっていても男は戦わなくてはいけないときがある。映画や漫画でよくみるシーンです。じゃいさんは、こういう男の美学をどう思いますか?(負け猫・40代・男性)
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日曜日のローズステークスは本命の7番人気単勝26.8倍のチェレスタが2着、単穴にあげたクイーンズウォークが1着、1番人気単勝1.7倍のレガレイラが危険と予想し無印にして5着。3連単196350円を的中! 気持ちいい馬券になりました。
月曜に行われたセントライト記念はダービー組の1.2フィニッシュで堅い決着に。やはり実績馬が上位で菊花賞を占う上で参考になる結果だったと思います。
では質問へ参りましょう!
面白い質問ですね。男は負けると分かっていても戦わなくてはいけないときがある。映画や漫画でよくみるシーン。
どんなシーンだろう?
映画や漫画はご都合主義的なところがあるから、強大な敵とか敵いそうもない敵に立ち向かうシーンはあるけど、なんがかんだ最終的には勝つことが多いように思います。
負けると分かっている確率が100%なのか? それとも勝てる確率が1%でもあるのか?
漫画ワンピースの中で中将モモンガが言ったセリフ、「1と0は違う」という言葉。
ワンピース見てない人には「はっ?」っという話ですが、1と0、この差は大きいとは思うんですよ。
流石に勝てる可能性が0なら戦うのは愚かなことだと思うんだけどな。
例えば自分が普通のサラリーマンだとして、誰もが羨むような会社のマドンナ的存在に告白するとしましょう。周りからは「100%無理だ!」「お前が付き合えたら地球が逆回転するわ!」なんてことを言われるでしょう。
でも、本人は少なくとも可能性が0とは思ってないでしょう。ダメ元と言いつつも、小さくとも1つの希望の光が見えてるはずです。
そして、万が一それが叶った時は周りから驚かれ、羨ましがられるでしょう。
「それなら俺が猛アタックすればよかったわ」
そんなこと言う奴がいたとして、そいつは戦わなかったから得るものもないのです。
どうせ無理だと諦めたら勝つ可能性は0です。
高校野球で9回の裏に10点差。ほとんどの人が諦める中、選手達は真剣に打席に立っていますし、泥だらけになって一塁にヘッドスライディングをするでしょう。そんな姿はカッコいいですし、感動しますよね。
確率はとてつもなく0に近いかもしれません。でも決して0ではありません。
なぜこのような行動がカッコいいと思えるのでしょう?
挑戦、冒険、諦めずに立ち向かう姿、これはやっぱりカッコいいと思える行為です。
逆に、怠惰、すぐに諦める、弱気、人のせい、言い訳、愚痴、これらをカッコいいと思う人はいないでしょう。
これは動物的な本能なんだと思います。
何かを手に入れたり、地位を手にしたり、富を築いたり、成功を収める人は前者になるでしょう。
後者が成功を収めることはまずないでしょう。
本能的に人は強者を求める。動物のメスなんかは特にそんな習性があります。
ダメなやつに惹かれる母性本能タイプもいるかもれないが、モテるモテないにしても確実に成功を収めた人の方がモテるでしょう。
これは普遍の本能なんです。
これを前提とすれば、やはり戦ってる姿がカッコよく映るのは必然。
勝ち目の薄い、勝率の低い、成功率の低い、無謀とも言える勝負をしてる姿でも、逞しく見えるはずです。それが負けると分かっていても戦わなくてはいけないという状態がカッコいいと思われるカラクリなのかもしれません。
個人的な意見でいえば、僕も強い人と戦うのは好きです。弱い人と戦えば勝てるかもしれませんが、勝って当たり前の勝負に価値は感じません。
強い人と戦うこと、周りからは無謀な戦いと言われる勝負、それには勝つための戦略が必要であり、仮に負けたとしても、敗戦の中で次に勝つための学びを得て、強者から勝つための技を盗み、次に戦うときは勝てるように成長していくことで、相手に「次は負けるかもしれない」と思わせることが出来たら最高です。
戦いは人を強くさせます。
最初は負けると分かっている勝負でも、0が1になれば次は勝てるかもしれない、その次はいい勝負、その次は勝てる、その次は負けられない。そうして自分が成長することによって勝つ確率も変化していくでしょう。
今は負けるかもしれませんが、最後には勝つことを想定して勝負を挑みたいものです。負けたままじゃ終われないでしょ!
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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。