辰年も後半に差しかかったタイミングで小田原ドラゴン先生が週プレNEWSに降臨! 隔週連載の漫画『堀田エボリューション』が9月14日からスタートした。というわけで、編集部が小田原先生にアレコレ話を聞いてみた!!
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■新連載開始直前に婚約が破断に......
――9月14日に待望の新連載『堀田エボリューション』の第1話が週プレNEWSから配信されました。この作品は小田原先生の真骨頂であるフィクションギャグストーリーです。
小田原 フィクションギャグストーリーは、『ロボニートみつお』(講談社)以来なので、9年ぶりの挑戦になります。
――主人公の堀田正一は老いた母親と暮らす無職の中年男性です。
小田原 付け加えると、クルマ好きのおじさんですね。
――9月28日に配信された第2話では、そんな主人公の「使命」が明らかになりました。
小田原 彼は正義のヒーロー"堀田レボリューション正一"となり、世界を救うため悪と戦います。
――正義のヒーローということは、これから敵や味方やヒロインも登場する?
小田原 10月12日(土)に配信予定の第3話で動きがあります。
――堀田エボリューションは何話まで先生の頭の中にあるんですか?
小田原 現時点で10話ぐらいですかね。
――なるほど。まさに注目の新連載なわけですが、気になるのは7月8日に先生がX(旧ツイッター)にポストされた《結婚の約束をしていた人がいたのですが破談となってしまいました!》。この話はガチなんですか?
小田原 相手は地方在住の女性で、結婚するなら彼女と決めていたんですが......。
――プロポーズはされた?
小田原 彼女に膝枕してもらいながら、「結婚しようよ」と伝えました。その場で彼女も快諾してくれたんですが......年齢がふた回り違いましたし......。
――スゴっ! 上にふた回りも違う女性!?
小田原 上ちゃう!! 下や、下ーッ!! プロポーズ断ってきたんは30代の女性や(苦笑)。
――大変失礼しました(笑)。ちなみにプロポーズはどんな感じで断られたんですか?
小田原 LINEで......。
――あー......それで今、絶賛婚活中なんですね。先生、本気で結婚したいんスか?
小田原 したい!
■新作の下地には「7040問題」
――今夏、突然の訃報もありました。先生の盟友で、『小田原ドラゴンくえすと!』(小学館)にも登場するライターの石川キンテツさんが永眠されました。
小田原 僕はキンテツとは20年以上の長い付き合いだったんですが、いいときに逝ったと思っています。
――それはどういう意味ですか?
小田原 近年のキンテツは仕事もロクにせず、老いた親の仕送りでメシを食っていた。そして、その金を握りしめて秋葉原のコンカフェに通い詰め、お気に入りのコンカフェ嬢の誕生日にはシャンパンを入れる。キンテツは本気でコンカフェ嬢を口説き落とそうとしていたし、なんだったら結婚できると真剣に思っていた。以前、国際ロマンス詐欺で200万円ダマシ取られたこともあって......まぁそういう男なんです。
――石川さんは先生の婚約が破断になったのはご存じだったんですか?
小田原 キンテツはこの手の僕の失態が大好物だった(笑)。破断を伝えたら嬉々としてマウントを取ってくるだろうなぁと。そう思いながら7月8日、彼に《残念だけど結婚はなくなったよ》とLINEしたんです。でも、何日経っても既読がつかなかった。キンテツは7月8日の夕方、自宅マンションのドアの前で倒れていたそうです。
――石川さんの最後をどなたからお聞きに?
小田原 キンテツのお父さんと話ができたんですが......肩の荷が下りた顔をされていた。そりゃそうです。老いてまだ息子を食わせていたんですから。自分と息子の未来を考えたら、苦しかったと思います。
――そんな激動の夏を経て、新連載『堀田エボリューション』がスタートしました。主人公の堀田は老いた母親と暮らす無職の中年男性です。作品の下地には「7040問題」「子供部屋おじさん」「ひきこもり」「弱者男性」という社会問題もちりばめられています。
小田原 僕は商業高校を卒業したんですけど、とにかく働きたくなくて就職しなかった。それでしばらく家でゴロゴロしてたんですよ。
ーーなるほど。そういう経験も作品に反映されていると。
小田原 まぁ、基本的にはクルマ好きの無職のオジサンの話ですけどね(笑)。
ーーズバリ、『堀田エボリューション』は先生の中でどんな位置付けの作品ですか?
小田原 集大成です。