じゃい

あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。

【今週のお悩み・第127回】じゃいさん、教えてください。僕が知りたいのは、馬券を買う際に、「絶対に切る馬」の条件です。GⅠはどの馬も強そうに見えて、絞りきれません。あとは穴馬のヒントも教えてください。(20代男性)

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秋華賞はチェルヴィニアがオークスに続き2冠。オークスでも本命にしてた馬で、今回も本命にしました。まあ今回は1番人気になってしまったし、予想としては特筆することはありません。

2着には僕が切ったボンドガールが入り、3着はステレンボッシュ。3連単100倍以上とは美味しい馬券ですね。

僕は調教の動きと人気を加味してボンドガールを切りましたが、新馬戦でチェルヴィニアを負かした馬なので、まともなら今回の出場メンバーでチェルヴィニアを負かせる素質はあると公言はしていた。

伝説の新馬戦の1、2着での決着はやはり凄い。ステレンボッシュも出来は100%ではなかったことは明白だし、調子の良し悪しでこの3頭はまた着順も変わることはあるでしょう。

クイーンズウォークは出遅れと途中かかり気味で競馬になってなかったので参考外ですが、他のメンバーにこの3頭は負けることはなさそうです。

この流れで質問にいきますが、取捨選択は馬券を買う上でかなり重要な要素です。僕の著書でも書いていますが、「切る馬から予想しろ!」

これはまず実践して損はないです。馬券力が上がることはあっても下がることはないと思います。

じゃあどうやって切る馬を予想すればいいのか?

これはこれで簡単なことではありませんが、なるべく伝わるようにしたいと思います。

まず、「圧倒的に力が足りない」

競馬は何が起こるか分かりません。しかし、元々の力に差がありすぎると勝つことはありません。例えば地方交流がなぜ堅く収まるのか? それは何回走っても埋まらない実力差があるからです。

例えば日本の1つの中学校で1番脚の速い生徒が、オリンピック100M走金メダリストと戦ったらどうでしょうか? いくら中学生が調子良くても、いくら金メダリストが調子悪くても、中学生が勝つ可能性は皆無でしょう。近走の成績が良いとか悪いとかではなく、元々の力が違う場合は切る馬認定になります。

次に「調子」です。

競馬はクラスがあるし、新馬戦以外は基本的には同クラスの馬同士が戦います。その中で、その馬の出来は大事なファクターになります。仕上がりが五分くらいなのか? メイチ(目一杯)に仕上げているのか? 

これは馬体重でもある程度測ることは出来ます。ベスト体重から大幅に増えている、減っているとなった場合はそこを精査しないといけません。

たとえば、秋華賞のボンドガールは調教が悪かったのに2着、府中牝馬ステークスは約1年ぶりのプレイディヴェーグが勝利と、僕が切った馬たちのように、実力でなんとかしちゃうケースもあります。

しかし、これは勝つ可能性がないから切ったわけではなくて、オッズと見合わないと判断したから切ったわけで、後悔はないし、来たことで驚きもありません。だから、絶対来ない馬を切ることもあれば、来る可能性はあれど、馬券的に美味しくないから切る選択をすることもあります。この違いは大切です。

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他では「条件」で切ることもありますね。

競馬場は陸上のトラックとは違い、競馬場によってコースの形が全く違います。右回り、左回りも違ければ、直線の長さ、坂の有無、芝の質も違います。距離も決まっていないし、枠によっての有利不利もあります。

月曜日の新潟9Rの千直も大外の16.17番が馬券に絡みました。明らかにトラックバイアスがかかっています。新潟千直の外枠有利は有名ですが、その馬の脚質によって内、外の有利が変わることも把握しておく必要はあるでしょう。

この全ての条件を考慮して切るということもあります。

切る馬を見つける努力をした上で、どうしても完全に切る馬が見つからない時は「総流しを選択する」こともあります。

ただ闇雲に総流しするのと、この過程があるのでは結果的に同じ馬券になったとしても、全く質が違います。

それくらい切る馬の選択は重要なのです。

GⅠで強い馬ばかりでも、そこに差はあるし、切る作業は細かい作業になるかもしれませんが、その作業は怠ってはいけません。

人気度外視で切る馬の選択をしてください。オッズ妙味で切る場合はむしろ人気があるから切るということもあります。

穴馬のヒントですが、切る馬の逆だと思ってください。

・最近成績が悪いが、元々の実力は大差がない

・調子が良い

・条件が向く

・人気馬に不安要素がある

人気、オッズと実力は比例しないということを常に頭に置いておいてください。

おおよそのイメージは伝わったでしょうか?

聞くと当たり前だと感じるかもしれませんが、意外とこの工程を省いている人は多いように感じます。

もちろんそれでも切った馬が来ることも、堅いと思っていた人気馬が飛ぶこともあります。
全てのレースを当てることは不可能です。

精度を上げ、回収率を上げることが馬券で勝つ秘訣です。

的中率にこだわりすぎて回収率を疎(おろそ)かにしてる人はまず勝てないと思っています。

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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。

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