20周年イヤーに突入したAKB48が、秋葉原の劇場を完全リニューアル。それに合わせて総合プロデューサーの秋元康がおよそ9年ぶりに新公演を書き下ろし。その記念日となる12月8日にお披露目イベントが行われた。
それまで薄暗い感じもあった劇場は明るくなり、ロビースペースは映えスポットがたくさん。鏡があちこちに置かれ、以前よりも広くなったように感じる。また昔の劇場をミニチュアで再現したり、これまでにAKB48が手に入れたトロフィーや盾が飾られるなど、歴史を感じることもできる。
ステージまわりも以前はライブハウスのような雰囲気だったものが、キラキラしたシアターに。ステージと柱には大きなLEDモニターが設置され、座席もベンチに低反発クッションが、大きなイスになり快適性アップ。さらに段差がついたことで、後方からも見やすくなった。
そして何より新公演。秋元康が「新しい伝説を作る」という意思を込めて作った公演タイトルは『ここからだ』。ドレスをまとい復活を荘厳に歌い上げるオープニング曲から、アイドル全開のメドレー。ユニットでは18期エースの八木愛月がソロ曲に大抜擢。アンコールの村山彩希センター曲では、彼女が大ファンの元モーニング娘。鞘師里保が振り付けを担当。AKB48にまた新たな風を吹き込んだ。
ゲネプロ終了後には新劇場のテープカットが行なわれ、AKB48の立ち上げメンバーで、初代AKB48グループ総監督の高橋みなみが登場。この日初めて新劇場を見た高橋は「こんなに変わるの!」と驚き、さらに「ちょっとアレですけど、お金かかってんなー」と率直な感想を口にした。
9年ぶりの新公演について倉野尾は「今在籍しているメンバーは全員、初めて秋元先生が書いてくださるオリジナル公演をいただけるってことで。でも延期もあったので、本当なのかって思っていたんですけど、実際に楽曲が届いて、みんなすごい喜びました」とふり返る。
そして「たくさんファンの方からの期待もあると思いますし、また劇場に行こうかなって思ってくださる方もいらっしゃると思うので、そんな方がまたAKBのことを愛してくださるような公演にできるよう頑張っていきたい」と意気込んだ。
公演のラストで再び東京ドームへ立つことを目標に掲げた倉野尾。「東京ドームを目指すって、軽々しく言っていい言葉じゃない気がして。でもこの公演の準備期間に、やっぱり本当に目指したいなっていう気持ちが芽生えて。自分の口から言うことで始まるんじゃないかなって」と、あの場で宣言した意図を語る。
「この公演自体が、先輩の後を追っていくのではなく。新しい衣装を作っていただいたり、たくさんの方が今のAKB48に向けて準備してくださってる姿を見て、私たちもそれに応えていきたいという気持ちで。東京ドームに行けるようなグループにしたいと宣言させていただきました」と話した。
それに対して高橋は、「私も総監督をやっていたので、夢を掲げるっていうのがどれだけ大変なことかわかる。やっぱり誰かがスタートを切らないと、そこに向かって走り出すことは難しい」と答える。
「劇場公演っていうのは、秋元先生からの手紙なんです。そしてAKB48を新しいフェーズに連れてってくれるものだと思う。このリハ中に歌詞を受け止めて、ここから始まるんだって思って、東京ドーム立ちたいと思えたっていうのは本当に素晴らしいことだと思いますし、ぜひ叶えてほしいなと思います」とエールを送った。
AKB48の強みは専用劇場があること。ずっと劇場を見てきた者として、その進化に驚いた。ただ、それに負けじとメンバーのキラキラ感もすごかった。20周年イヤーに突入したAKB48のここからの逆襲を大いに期待したい。