小田原ドラゴン先生が24年9月より週プレNEWS(集英社)で新連載『堀田エボリューション』を開始! というわけで、小田原先生がどんな道のりを経て、本作品にたどり着いたのかをジックリ語っていきます。
新連載第4回は『堀田エボリューション』に紐づく愛車について。
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地元(兵庫県)で乗ったクルマは全部で4台です。
ホンダの軽トゥデイ(18歳)、いすゞのジェミニイルムーシャー(21歳)、ダイハツシャレード(23歳)、そして25歳で手に入れた三菱の6代目ギャランです。
ギャランは初めて、「ああ、これが本当のクルマなのか」と僕に思わせてくれた逸品でした。
安定の中古で、マニュアルトランスミッション車。総額は43万円。3年払いのフルローンでの購入でした。
1987年に発売された6代目ギャランは名機4G63型エンジンを搭載した高性能モデルのVR-4が有名です。
その名を天下にとどろかせたのが、1988年から参戦したWRC(世界ラリー選手権)。篠塚健次郎選手(24年3月に他界)が日本人ドライバー初優勝を達成するなど、5年間で総合優勝6回を決める金字塔を打ち立てました。
余談ですが、このギャランVR-4で磨きに磨かれた技術が、堀田(新作漫画『堀田エボリューション』)が恋焦がれるランエボ(ランサーエボリューション)に継承されます。
僕が購入したギャランはVR-4ではありませんが、タイヤをブリヂストンのレグノに交換したらビックリするほど乗り心地が良くなったのを覚えています。
クルマの選び方が〝玄人好み〟と言われることもありますが、当時、僕が徳大寺有恒著『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)の熱心な読者だったのも関係あるかもしれませんね。
いずれにせよ、当時の僕は、中古車雑誌のページをめくりながら、少ない予算の中で、いかにいいクルマを買うか。あれやこれや妄想を膨らませる......そんな〝ひとり遊び〟が1番楽しかったんです。恋人も友達もいなかったので......。
実は1995年にこのギャランを購入してから、僕の人生は大きく動き始めます。でも、その前に地元で就職したときの話をします。