フォトエッセー重版で話題沸騰中。PTSDを乗り越えて輝く時の人。
渡邊渚が3月3日(月)発売『週刊プレイボーイ11号』の表紙&巻頭グラビアに登場。インタビューでは撮影にかけた思いやグラビアにかけた思いを語り尽くします。
■解放されたタイでの撮影
――今回は日本を離れてタイでの撮影でした。飛行機でバンコクへ行ってから、さらにそこから6時間車で移動してフェリーに乗り継いで離島に行ったり。まずは思い出深かったことなど教えていただきたいです。
渡邊 人生2回目のタイで4泊5日の撮影だったんですけど、印象的だったことがたくさんありすぎて楽しかったです! 撮影の初日からスタッフさんが荷物をなくしかけてみんなで大慌てで探したり(笑)、編集さんが日焼け止めと間違えて洗顔クリームを体に塗ってしまっていたのも面白かったですね。
今回はクッド島というタイ南部の離島で日程の大半を過ごしたんですが、海の透明度が本当に高くて。それに人がたくさんいるような島じゃなかったから「わ~、人の目がない!」って解放的な気持ちになれました。
――衣装もどれも似合ってましたね。
渡邊 グラビアでも使われている白の衣装や青のドレスのカットはとても好きでした、ドレスは特にお気に入りで。くるくる回りながら撮られていたんですけど、「私、『ラ・ラ・ランド』みたいだな~」って思ったりして。ワクワクしました。子供っぽいから誰にも言わなかったけど(笑)。
――青いドレスのカットは神秘的な滝の前での撮影でしたが、すぐ隣で渡邊さんと同じように海外の観光客の方々が撮影してましたよね。
渡邊 そうそう、しかも私と同じようなポーズでめっちゃキメ顔で(笑)。「私よりグラビアっぽいポーズできてる!」って驚きましたし、けっこう距離が近かったので恥ずかしかった......(照)。
――タイはごはんもおいしかったですよね。
渡邊 本当に! トムカーガイというココナツベースのスープがおいしすぎて。ひとりで3人前くらい食べた日もありました(笑)。帰国してからもタイ料理はたくさん食べちゃってます。
――トムカーガイの入った巨大な丼を抱えながら飲んでましたもんね(笑)。渡邊さんと初めて会ったのは5ヵ月前くらいですけど、そのときはまだ食が細かった印象で。
渡邊 確かに、その頃と比べると少しずつ食べれるようになってきているかもしれないです。飲む量も増えてきているかも。
――飲む量も?
渡邊 最近はずっと家にいることが多いので、食べるか飲むかくらいしかやることがなくて。アニメを見ながらチビチビと......。『チ。―地球の運動について―』『Dr.STONE』『薬屋のひとりごと』などなどセリフを覚えてしまうくらいに見入ってます。
――なるほど。撮影に向けて何か準備はしましたか?
渡邊 いろんな人のグラビアを見てポージングや世界観のつくり方を勉強しました。そのおかげでInstagramのおすすめ欄がカワイイ女のコのグラビアで埋め尽くされるようにはなりましたけど(笑)。あとは現場でスタッフさんたちにいろんな指示をもらいながら、撮って→チェックしてを繰り返したのでちょっとは鍛えられたのかなって思います。
――休憩中も熱心に写真のチェックをされている姿が印象的でした。
渡邊 なんというか、部活の合宿を思い出しましたね(笑)。1日目と最終日とでちょっとずつだけどちゃんと"顔"をつくれるようになった気がします。
■予定がないほうがキツイと思う
――今回週プレの表紙と聞いたとき、どんな気持ちでしたか?
渡邊 めっちゃくちゃうれしかったですよ。ちょっと前までは自分が雑誌の表紙を飾れる人生を送れるなんて想像すらできない状態だったので。1年前は本当に動けなくてベッドでずっと寝ているような状態でしたから。
――この半年、お会いするたびに渡邊さんが少しずつ元気になっているような印象があります。
渡邊 そうですね、元気になってきている気がします。撮影が決まったときは本当にうれしくて、生き生きしたというか。一回すっからかんになったからこそ何か目標があるとすごく頑張れるんです。
入院していた時期もそうだったんですが、何もできなくて体も動かない、空っぽな時期は「なんで生きているんだろう」って気持ちになっていて。でも今回の撮影のように破れない予定とか目標ができると、頑張ってみようって、勝手に体が元気になるというか。
――なるほど。それで忙しくなりすぎるのもしんどくないですか? 渡邊さんはマネジャーもつけずにすべてのお仕事をおひとりでやられてるから、大変なんじゃないかと。
渡邊 そんなに大変ではないですよ。それに予定や目標がないほうが自分にとってはキツイかなって思います。実は1月末にフォトエッセー『透明を満たす』(講談社)が発売されてから、数日間なんにもできなくなってしまって。力が抜けて、なんか気分も落ちちゃったというか。「もう、燃え尽きたのかも」とも思いました。だから週プレさんが3月に表紙をやってくださるって聞いたとき、救われたんですよ。
――いい反響が届いてほしいです。一方で渡邊さんがグラビアをやられることについては一部で否定的な意見もありますよね。SNSでも書かれていましたが、「PTSDの人がグラビアをやれるワケがない」という意見が届いたこともあるとか。
渡邊 そうですね、でも自分にとっては週プレに出ることや写真を撮られること=セクシーっていうことではないというか。病気になったことで「何かやりたい気持ちにふたをしなくちゃいけないの?」「一度病気になった人は永遠に日陰を歩かなきゃいけないの? そんなことないでしょう?」って気持ちもあります。
――逆に肯定的な意見も多々目にしますしね。
渡邊 むしろ前回の週プレのグラビアやフォトエッセーに対して、温かい意見のほうが多かった気がします。一部の記事では私に届いている誹謗(ひぼう)中傷がすごいって書かれていたりするけど、DMとか実はそんなにないんです。私と同じようにメンタルの不調を感じている方から「こうやって元気になって生きれるんだって希望になりました」など、そういった言葉をいただけると私自身も救われますし、挑戦してよかったなって気持ちになったり。
――そうした声がモチベーションになったりもする?
渡邊 もちろんなりますよ! 少しでも私の言葉や写真で救われる人がいるんだったら、私もやってよかったと思えます。でも同時に悩んでいる人のためにってだけじゃなくて自分のために活動している側面も大きいなって思います。
正直、発信を続けて世界を変えよう、良くしよう!っていうほど強い人間ではなくて。まずは自分がやりたいこと、自分が元気になれるようなこと、楽しいと思えることを等身大で誠実にやっていきたいなって思っています。
■グラビアで勇気をもらえた
――今後の目標があれば、教えていただきたいです。
渡邊 う~ん、考えてみると社会復帰してから4ヵ月しかたってないし、自分が何をできるかがまだよくわかっていないんですよね。今は先ほども話したように楽しいと思えることをやるのが大事なのかなって。
元気じゃなかったときに鏡でボロボロの自分を見て、人生の底を見た感じがして。自分が自分じゃなくなる感覚でした。でもそんなときに色みのあるリップを塗ったり、ボサボサの髪がリンスで整ったりすると、ちょっと元気に見えるから「あ、外に出られるかも」って思えたんですよ。
――外見を変えることで元気が出るみたいな。
渡邊 そうです。だから今回のグラビアも自分にとってとてもいい経験になっていて。ステキなメイク、ステキな衣装でステキな写真を撮ってもらえて、出会ったことのない新しい自分に出会えたんです。撮影を通じて冒険する勇気をもらえたような感覚もありました。
――それはよかったです。
渡邊 グラビアで着た服が似合っていた気がしたので、それを参考にしてこの前春服を購入したんです。ちょっと透けてるやつ! 自分的にはけっこう挑戦しているデザインで。春になったらそれを着るぞっていう小さい目標で前向きな気持ちになっています。これからもグラビアだけでなく、ファッションやメイクのお仕事も元気で笑っていられる今だからこそ楽しみたいです!
そしてファンの方も大切にしたいですね。コメントやDMは全部目を通しているんですけど、次第にアイコンとか顔とか覚えちゃうんです。応援してくださっている方の応援には本当に心を温めてもらっているし、心強いです。一生ファンでいてくれたらいいなぁ。そのためにも私が裏切らないように活動を続けていきたいと思っています。
■渡邊 渚(Nagisa WATANABE)
1997年4月13日生まれ 新潟県出身
身長165㎝ 血液型=O型
○慶應義塾大学卒。フリーランスでモデルや執筆活動を行なう。2024年10月に自身のInstagramで、過去にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患っていたことを公表。そうした経験を生かして、精神疾患への理解の普及活動なども行なう。
公式Instagram【@watanabenagisa_】
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★『週プレ プラス!』では、本誌未掲載のアザーカットなどスペシャルコンテンツを公開!【https://www.grajapa.shueisha.co.jp/plus】