「京佳お嬢様と奥田執事」のふたり(ガクテンソク・奥田修二とぱーてぃーちゃん・金子きょんちぃ) 「京佳お嬢様と奥田執事」のふたり(ガクテンソク・奥田修二とぱーてぃーちゃん・金子きょんちぃ)
『有吉の壁』(日本テレビ系/毎週水曜夜7時放送)の人気コーナー、男性芸人と女性芸人が即席ユニットを組んでネタを披露する「男女即興ユニット」で偶然生まれたガクテンソク・奥田修二さんとぱーてぃーちゃん・金子きょんちぃさんによるユニット「京佳お嬢様と奥田執事」。放送後、SNSで数日間トレンド入りしたり、ショートドラマ化されたりと話題沸騰中だ! 渦中のふたりに誕生のきっかけや今の心境を直撃した!

■誕生のきっかけは「寒いから着ていい?」

――おふたりで組むと決まった瞬間の気持ちは?

きょんちぃ(以下、きょん くじを引いて、「ガクテンソク奥田」って文字を見たときは、「うんわー、どんな人なんだろー!」でした(笑)。ほとんど関わったことがなかったんですよ。『有吉の壁』ってけっこうずっとふたりでいるから、しゃべることないと気まじいな~どうしようって。

奥田修二(以下、奥田 出演者の一覧を事前にもらうので、一応なんとなく「もしこの人と一緒になったら......」っていうのはうっすら考えていったんですけど、予習してへんところがテストに出たみたいな(笑)、「うわ、ヤマ勘が外れた!」って感じでした。

――そこから、どのような流れでお嬢様と執事という設定が浮かんだんでしょう?

奥田 ふたりで衣装部屋に移動して、「何か考えてきた?」って聞いたんですけど「なんも考えてなーい」と。でも、そんな中できょんちぃがヒョウ柄のアウターを手に取って......というか、なんかもうしっかり着てて。着てるってことは何か思いついたんだと思ったら「寒いからこれ着ていい?」って。この人、小道具を探してたんやなくて、ただ寒くて服選んではったんや!って。

きょん ははは!(笑)

奥田 でも、そのモコモコのコートを着て私物のバッグを持ってる姿が、なんかすっごいお金持ちっぽく見えたんですよ。

一方の僕は、その日、たまたま番組のオープニングから衣装の黒いスーツを着てて。しかも、そのポケットにいつかのライブで使おうと思って入れっぱなしにしてた蝶ネクタイがたまたま入ってたんです。実はよく見ると変な蝶ネクタイっていう。

きょん うん、メッシュだもん。どういう意味?って感じ(笑)。

奥田 せやろ。こんなに着けることになるとは......(笑)。で、「蝶ネクタイある......執事......お嬢様......できるか」みたいな。その案を言ったときも、きょんちぃは別に何も言わんかったよな?

きょん うん。「え、いいじゃんいいじゃん~」って。ちなみにあのアウター、レンタル品だったんですけど番組が買い取ったらしいです。「今後絶対使うんで!」って。スタッフさんもめっちゃノリいいんですよね。


――そして、1本目の「干物屋さんにいる京佳お嬢様を見守る奥田執事」を披露します。現場の反応はどうでしたか?

きょん 私は最後に逃げちゃってるんで反応を知らないんですよ(笑)。

奥田 実は僕も最後に走ってお嬢様を追っかけてるからわからへんのですよ。でも一応、背中で有吉さんの「○(マル)」の音だけは聞こえました。

――結果、おふたりのネタが計4本も放送されました。

奥田 1本もカットされることなく......。特に3本目のは急やったよな。

きょん そう。喫煙所どこかな~って歩いてたらスタッフさんに声かけられたの。

奥田 リクライニングチェアしかないところで「ここで何かできませんか?」って。俺はもう少女漫画脳になってるから、漫画みたいなことしか思いつかへんくて......(笑)。結果、執事が寝ているところにお嬢様が毛布を直しに来るっていうネタにしました。

あれはさすがに、お笑い要素がゼロすぎて、やる前にちょっと笑ってもうたよな(笑)。

きょん めっちゃ笑いましたよ。さすがに、「何これ大丈夫!?」って。まあ最悪、有吉さんに怒られてもしょうがないかって思ってました。

奥田 そしたら逆に、最大のホメ言葉「いいかげんにしろよ」がもらえてうれしかったですねえ。あのネタ、きょんちぃ喫煙所から出てきたよな?

きょん 出る直前までたばこ吸ってました(笑)。

■このキャラは皆さんで好きに使ってください

――そんなネタがオタク心に刺さって話題になりましたが、もともと漫画やアニメなどの執事系コンテンツは通ってきたんですか?

きょん 全然通ってないです。

奥田 僕もまったくないです。困らされるじいや......みたいなイメージで、漫画のあるあるをちょっとやろうかと思ったくらいで。でも、この世には"執事ファン"という層がいるらしくて、お笑いファンじゃなくてそっちにも刺さってるみたいなんですよね。

きょん 世の中にこんなに執事ファンっているんだーって思った。本物の執事からもリアクションありましたよね?

奥田 そう。本当の執事会社の執事の方から、「私もお嬢様にいただいたプレゼントはずっと大切にしております。まあ、うちのお嬢様は逃げたりしませんが(笑)」みたいな、ちょっと冗談も入れたおしゃれな反応とかも来てたんですけど、俺はそれになんと言ったらいいんや、と(笑)。

きょん 奥田さんのことを本当の執事だと思ってる人が多すぎるかも(笑)。私が何げなく「書き初めがしたい」ってポストしたら、リプライで「奥田に頼もう」って来たり、奥田さんに「お嬢様がやりたがってます」って送られたりもしてた。


――新しいファン層が増えたことで、おふたりへの反響も大きいのでは?

奥田 いや、個々のアカウントよりも公式(ユニットのXアカウント【@kyokajo_okuda】)の伸びが......。

きょん そう、公式が(笑)。私、フォロワー数抜かれた。

奥田 抜かれたか。俺もあとちょっとやねん。

きょん そっちに興味持つなら、うちらにも興味持ってよって感じ(笑)。

奥田 でももう、いっそ別人と思ってくれたほうがラクではあるかもな......(笑)。

――ハッシュタグも数日間トレンド入りされていましたね。

きょん しかも、ファンアートを描いてくれる人もいっぱいいて。絵だけじゃなくて、ふたりの衣装を着たキューピー人形とかアイロンビーズを作る人もいてマジすごい。一番すげえと思ったのが『どうぶつの森』で再現したやつ!

奥田 見た見た。あと、『スーパー野田ゲーMAKER』でもすぐゲームになってた。執事が主人公で、執事と連動してきょんちぃが違うことするから全然捕まえられないらしいねん(笑)。

きょん (笑)。あと、別の展開の漫画とかストーリーを作ってくれてる人もいてね。

奥田 ね(笑)。適当に言ったセリフとかも奇跡的やったみたいですね。「20年仕えてる」ってセリフから、出会いは奥田が21歳、お嬢様が11歳のとき......その年齢ならこうなんじゃ、みたいな。考察や物語が好きな人がどんどん間を埋めたくなるんですよね。

きょん で、どうやら奥田さんは元不良で、ボロボロで転がってたところをきょんちぃが雨の中拾ってきたっていう。なんで雨なの(笑)。

奥田 どうやら雨やねん。しかも、僕の昔の金髪ヒゲピアス時代の写真を「これがその頃の奥田」って添えられて、どんどん補完されていくっていう。すごすぎます。


――年齢設定は、現在のおふたりの実年齢なんですね?

きょん 知らないです(笑)。

奥田 それも勝手に調べてくれはっただけで(笑)。

――そうしたSNSの要望に応えるように、公式によってショートドラマまで作られました。ドラマの脚本はどのようにして制作を?

きょん うちらはなんにも触ってないです。

奥田 僕らが前のめりにこれやってたら、キモないですか?「奥田執事はこのしゃべり方しないっすよ!」とか変にこだわりあったり。

きょん はははは(笑)。それはイヤかも(笑)。

奥田 このキャラはほんまに僕らの体からは離れてしまってるんで、もう皆さんでどうぞお好きに使ってくださいという感じです。

きょん ほんとマジ、女優です。脚本を渡されたとき、「なんか違うなって思うところありますか?」って聞かれたけど、「いや、わっかんないすね......」としか答えられなかった(笑)。


――とは言いつつ、今後展開する際に気をつけたい心得みたいなものがあれば......。

きょん 心得~!?(笑)

奥田 そうですね。刈り上げが甘い状態ではダメだなと思っています。執事の仕事前は散髪に行かなあかんなと。1㎝以上膨らんでたらイヤなので今日はギリギリです。

きょん 今ちょっと長いんだ(笑)。でも確かに髪かも。私は基本ネイルと髪型を仕事のたびに変えてるんですけど、「放送時と同じ感じで来てください」って言われるんで、赤とか紫は入れないようにしてます。まあ、ネイルは無理だから替えちゃってる!

奥田 別に変わっててもいいけどな?

――まだまだ展開が期待されていますが、今後どうしていきたいですか?

奥田 ファンの人が書いてたもので、「そこまでいったらさすがにおもろいな」と思ったのはパリ編。でっかいヴィトンの紙袋とか箱を崩さんようにこう歩いて......。

きょん 見た!(笑) ザ・ムービーやりたい! パリ行きたい! 皆さん、そこまで連れてってください!

奥田執事(ガクテンソク・奥田修二 
1982年生まれ、兵庫県出身。ガクテンソクのツッコミ担当。2024年の『THE SECOND~漫才トーナメント~』で優勝を果たす

京佳お嬢様(ぱーてぃーちゃん・金子きょんちぃ 
1993年生まれ、神奈川県出身。ぱーてぃーちゃんのメンバー。本厚木のキャバクラでNo.2の過去を持つ。目標とする芸人は和牛と銀シャリ