見ているだけでも楽しい、ご当地インスタントラーメン。もちろん、しっかり地元の味を再現しているところが人気が理由

今、ご当地B級グルメブームが「インスタントラーメン」に飛び火している。

富山のB級グルメ、ブラックラーメンを商品化した「富山ブラック」(寿がきや)のように、地域の名物・名産などをモチーフにしたり、名店の味を再現したインスタントラーメンが全国各地で続々登場し、人気を博しているのだ。

どうしてブームになったのか? 全国各地から商品を取り寄せている、インスタントラーメン通販店「さくら」の出口英史オーナーに聞いた。

「ご当地B級グルメがブームになった流れで、4、5年前から続々と地域限定のインスタントラーメンは登場していました。

さらに2年ほど前に、あるバラエティ番組で藤原製麺(北海道・旭川)と札幌市円山動物園のコラボ商品である『白クマラーメン』をマツコ・デラックスさんが食べて大絶賛。それで売り上げ10倍の爆発的ヒットになったんです。あまりにも売れすぎて藤原製麺が受注をストップしたほどでした。その『白クマラーメン』の二匹目のドジョウを狙って、各地のメーカーが参入してきている」

火つけ役は『白クマラーメン』。そして現在では、北海道だけでも100種類以上のご当地インスタントラーメンがあるというから驚きだ。

「北海道は『ミリタリーラーメン』や『えべチュンら~めん』は一風変わったパッケージとは裏腹に、麺もスープも本格派。九州では『むつごろうラーメン』なんかもおもしろい。ハゼ科の一種のムツゴロウをふんだんに使用しているのがよくわかるほど、香りや味が確かに違います。ほかには『池袋大勝軒 つけめん』や『来来亭しょうゆラーメン』のような名店系も人気ですね」(出口氏)

一昨年あたりから“本格志向”で袋麺人気が復活していたが、ご当地インスタントラーメンも、その勢いに乗っかった形だ。

だが、ここまで種類が多くて、はたして採算は合うのか?

「パッケージや味つけを含め、一商品を開発するのに50万円から100万円ぐらいかかるそうですが、それだけ先行投資しても採算が取れるほどご当地インスタントラーメンは売れるんです」(出口氏)

ゆるキャラブームも後押しして、キャラコラボ系も急増中。これからは、旅行のお土産として定番化するかも?

(取材/昌谷大介、千葉雄樹[A4studio]、撮影/五十嵐和博)

■週刊プレイボーイ3・4合併号「冬に自宅で食べたい!!最新ご当地インスタントラーメン大全!!」より