皆さんサワディーサワディー! 無事に"微笑みの国"タイはバンコクに入りました。
トランジット(乗り換え)で降りたマレーシアのクアラルンプールでは、空港カウンターでたらい回しにされるトラブルもあったけど、そのくらいは想定内ってことで。
ちなみに、安価なLCCは荷物の制限や経由便で遠回りは当たり前。タイは直行便で6時間のところ、今回は待ち時間含め12時間。ま、1ヵ国稼いだと思って、旅は焦らず...。
さてさて、選挙後で落ち着いたのか、空港から"微笑みの国"は健在で、デモも警備の厳しさもなく平和な様子。いざ、パッバー(バックパッカーの略です)の聖地・カオサンロードへ!
空港から市内への移動は、エアポートシャトルやタクシーで200バーツ(約600円)が一般的。だけど、私はバックパッカー。どこの国でも、より安くローカルな方法を選択するのが鉄則。そう、路線バスだ。
でもバスは旅人上級編。裏道を辿ってわかりにくいので下調べは必須。努力のかいあって、59番バスでカオサンまで約1時間、23バーツ(約70円)の激安で。これが成せるのも、荷物がバックパックひとつのおかげ。スーツケースとか大きい荷物があると乗車拒否されちゃうこともあるからね。
カオサンでデモのことをマッサージ屋のおばちゃんに聞くと、「カオサンロードは全然平気~」とのんびり。カオサンを出ても、日本で思われているようなデモの様子は全くなく、むしろ怖いのは交通量。デモとは関係なくのほほんとした人たちを今にもひく勢いでトゥクトゥクやタクシーが道を行き交う。
私はそれを横目に、毎晩パッタイ30バーツで空腹を満たす。あまりのパッタイ屋台の多さに、デモよりパッタイ屋の客取り合戦が荒れないか心配になるほど。
そして、あまりの物価の安さに、初日だけはプール付きの宿で旅のオープニングセレモニー。ラグジュアリーなこの空間、2千円きってます。翌日からは1日500円で水シャワーしか出ない宿が続く...。
■予防接種、4本完了!
今回タイでの一番の目的は、日本に比べて激安の予防接種を打ちまくること。これがなきゃわざわざデモの最中狙って行かないよねー。
ニシキヘビを首に巻けるという「スネークファーム」に隣接した「赤十字病院」は、きれいな病院で日本ではマナー違反の携帯電話もOKだし、なんと撮影も許可された。むしろノリノリ(さては慣れてるね)。
やりくり上手にならなくてはいけないバックパッカーにとって、タイでの予防接種は常識。病院には次々といろんな国のバックパッカーが現れ、それぞれの向かうエリアに必要な予防接種を打っては何事もなかったように去っていく。
今回私が打つのは、ブラジル入国に必要な熱病、第三摂取目の狂犬病、破傷風&ジフテリア&百日咳&ポリオの混合、そしてA型肝炎の計4本。
血圧計測中、4本打つ緊張感で看護婦さんに話しかけたりソワソワ動いてたら、正しい数値が出ずやり直し。笑顔で「Don't speak」と言われたよ。ソーリー。
さらに、看護婦さんに「同時に4本も打つの? 大丈夫? ランチ食べた?」と心配され、ちょっぴり不安になりつつも、さあ、お注射の時間ですよー。
先生は慣れた手つきで4本の注射を準備。でも途中床に何か落としたりするもんだから、ちょっと心配に。そしてついに、4本連打! アタタタタ!
感想は、余裕のよっちゃん。チャラへっちゃらですね。目的達成感のほうが大きく、大満足で大きく腕を振って歩き始めたら......イタタタタ。筋肉痛のような重み。そして帰り午後4時の市内は大渋滞で、この時間のバスはやめようと心に誓った。
■タイの虎ちゃんは器がデカいです
たくさんのワクチンを打った私は完全無敵。今こそ虎と戦おうと思った。
目指すは「タイガーテンプル」。市内から3時間の所にある、十数頭の虎たちが僧侶と暮らす仏教寺院で、虎に触ったり、写真をとったり、お布施という名の追加料金を払えば赤ちゃん虎をだっこしたりもできる。
ツアーバスに〆切10分前にすべり込むも、露出度の高い服、赤や黄色などのホットカラーの服はトラを興奮させるため禁止だったので、ダッシュで宿に戻ってお着替え。先日出演させていただいた坂を走るTV番組より全力で走ったかもしれない。
バスは、タイガーテンプル行きのお客も、どこかの宿泊客のピックアップも一緒でギュウギュウづめ。私はひとり席に居たのに、チビだからか運転手とガイドの間の真ん中の席に移された。これが恐怖の始まり。
タイの交通状況は半端ない。スピード違反じゃないんですか?? ガンガンに飛ばし、逆走も何のその。ポリスの横はウィンクでスルー。虎にやられる前に、クラッシュしてあの世行き。旅に出て1週間もせずに皆さんサヨウナラ...と思いました。
とかいいつつ、気づけば居眠りしてるうちにタイガーテンプル到着ね。人間の順応力ってスゴイ。
そこは、ヘブンかと思う不思議空間。敷地内は鹿や猪やバッファローが放し飼い。「バッファローに襲われないように、自己責任でよろしくね」と言われても......。
テンプルで人に飼い慣らされた虎ちゃんは、マタタビをあげたワケでもないのにナチュラルにおとなしい。野生活動時間は夜のほんの4時間なので、昼間はダラダラと横になって20時間を過ごすのだ(うらましい)。
その虎ちゃんですが、ソフトタッチ禁止。くすぐったいのかな。ドーンと体当たりぐらいでちょうど良い。感触はハラコの高級ソファ。でもこっちが寂しくなるほどのノーリアクションで、弱者への配慮なのか、器のデカささえ感じます。
ちなみに、タイガーテンプルは密猟によって母親を殺された虎の子を、近隣住民がお寺なら殺生がなく、動物を虐待もしないだろうと連れてきたのが始まりとか。
虎との絡みに後ろ髪引かれながらも、40度の気温が私達ツアー客を帰路に導く。気付けばあのスーパースピードでカオサンに到着。記念にタイガービールで1日を〆てやりました。ガオー。
【This week's Blue】 今週のブルーは。微笑みの国タイはトゥクトゥク! ブルーボディーのかわいい乗り物。かわいいのは見た目だけ。振り落とされたり、ボラれたり、おみやげ屋に連れて行かれないように注意! 乗る前に交渉しよう!
●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。【http://ameblo.jp/marysha/】Twitter【marysha98】