巨乳」いう言葉が世の中に浸透して四半世紀がたつ。

今では一般的なこの言葉だが、実は1989年にAVデビューしたバスト110cmの女優・松坂季実子、彼女の豊かな胸を表現するために使われた言葉であり、以降、大きな胸を表す言葉として市民権を得ていったのだ。

巨乳評論家の本誌ボイン学園ハマノ理事長によると、松坂季実子、夢野まりあ、椎名舞などが活躍した1989年からが「巨乳黎明期」美竹涼子、聖さやか、黒沢愛など、アイドル並にカワいい女のコが急増した1998年からが「巨乳普及期」。そして、Hitomi、仁科百華、佐山愛などが登場し、AVの細分化が進んだ2005年からが「巨乳成熟期」に分類できるという。

次々と誕生し、また引退していった巨乳を武器にしたAV女優たち。そんな四半世紀を見続けてきたおっぱい界の第一人者・高槻彰(たかつき・あきら)氏が、思い出に残る女優、そして「なぜ男は巨乳に魅せられるのか」を語る!

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1985年に初めて巨乳モノのAVを撮って以来、今までに数え切れないくらい巨乳AV女優と仕事をしてきました。

そのなかで思い出に残る女優といえば、一番は、みずしまちはるですね。彼女は当時、うちの専属女優で何本も作品を撮らなければいけませんでした。しかも、当時、巨乳を撮る監督は自分しかいなかったので飽きもします。

でも、彼女はとても頭が良かった。「次はこれがやりたい」とエロくて現実的な企画を考えてくれ、僕が困らないように導いてくれたのです。

Nカップの城エレンも思い出深い女優さんです。彼女がデビューした頃、僕は「爆乳ひと筋でやっていこう!」と心ひそかに決意していたんですが、実際に作品が売れ始めたのは彼女がきっかけでした。あのおっぱいはかなりインパクトがありますからね。彼女自身もすべてを投げ出すくらいの気持ちでついてきてくれました。

もうひとり、君津ゆうりも忘れられない女優さんです。彼女がデビューした2002年頃は、あれほど大きなおっぱいの女優はいませんでした。性格も穏やかで、うちのホームページにはいまだに彼女のパイズリを懐かしむ声や書き込みが届きます。それだけ素晴らしかったということですね。

さて、なぜ男は巨乳に魅せられるのかということですが、私は「おっぱい=母性の象徴」だからだと思います。以前、売れっ子の爆乳女優を使ってSMモノを撮ったことがあったんですが、多くのユーザーからお叱りを受けました。「なんで女優さんを痛めつけるんだ」って(笑)。おっぱいが好きな人を突き詰めていくと、“母性”や“安らぎ”を感じたいということにつながっていくんです。

また、巨乳の風俗嬢に話を聞くと、おっぱい好きのお客さんはとても楽だと言います。胸に顔をうずめさせたり、ぎゅっと抱きしめたり、基本的に甘えさせればいいからだそうです。

ともあれ、社会で働く男性の多くは、程度の差はあれ「癒やされたい」「安らぎたい」という気持ちがありますよね。それを身近で叶えてくれるのが、母性の象徴であるおっぱいであり、巨乳なんです。

●高槻彰(たかつき・あきら) 1988年に爆乳専門メーカー「シネマユニット・ガス」を設立。巨乳AV界の“黒澤明”と呼ばれるベテラン監督で、現在も精力的に活動中