タレントのマネージャーは時間厳守が基本。寝坊&遅行はゼッタイ不可なお仕事だ。多くの人気タレントが所属するホリプロでマネージャー歴16年。近年は鉄道オタとして『タモリ倶楽部』など、テレビ出演多数の南田裕介氏が寝坊撃退の最強テクを教えてくれた!
南田 僕は寝るのが好きで、朝起きるのは苦手。だから今はケータイのアラームとテレビのタイマーのふたつを使って起きてます。ケータイは時間が5つ設定できるので、3分ぐらいごとに時間をずらしてセット。そして絶対に起きなきゃってときは、アラーム音をタレントからの電話の着信音に。それが鳴ると慌てて起きますね(笑)。
─現場を遅刻した経験は?
南田 入社1年目、優香のマネージャーをしてたときですね。朝11時に千駄ケ谷駅集合だったんですけど、前の日に会社の忘年会がありまして、終電を逃して、家まで歩いて帰ったんです。で、いつ寝たか覚えてないんですけど、ケータイに非通知で着信があって、見たら10時40分なんですよ! ヤバいと思って慌てて準備して、でも運がよかったのが、僕、スーツのまま寝てたんですよ(笑)。タクシーに飛び乗って、着いたのが10時55分! ギリギリセーフでした。
─でも電話がこなかったらアウトでしたね。
南田 あれは神様からの電話だったんじゃないかと思ってます。でもそれ以来、朝が早くてヤバそうだったら、スーツにネクタイ姿で寝る方法を編み出しました! 少し時間があるときは、リラックスのために、下はパンツ一丁です。
─すごい格好だな……。
南田 でもウチの父がよく酔ってワイシャツのまま寝ていたので、僕は違和感ないです。あとテレビの収録が深夜まで続いて、朝が早いときはマッサージ屋に行く。ああいう所ってちゃんと起こしてくれるから、3時ぐらいに行って4時までマッサージ。家に帰って5時。シャワーを浴びて6時に出発です。
─それはいいですね。
南田 あと寝る前に水を飲みすぎると夜中起きちゃうのを応用して、水をごくごく飲む。すると朝、トイレに行きたくなってバッチリ起きられます! ただひとつデメリットがあって……。おしっこを出し切らないと、現場でトイレに行きたくてしょうがない!! スタジオだったらいいですけど、外ロケだったら地獄ですよ!
─ほかにはありますか?
南田 光を浴びると目が覚めると聞いて、頭の上にケータイを置いき、アラームの時間になるとケータイが光って起きるという方法も考えました。寝返りを打つとケータイが落ちちゃうので、5分ぐらいの仮眠にオススメです。
史上最強の目覚まし時計、その驚愕スペックとは?
─どんどん出ますね。では、タレントをうまく起こす方法は?
南田 ウチは、あまり起こさないんです。基本は自己管理。でも遅刻したときは本気で怒る。遅刻がどれだけ迷惑をかけるか、経験しないとわからないと思うんですよ。だからこそ僕も遅刻はできません。
─それでは、電車の乗車時に寝過ごさないテクはありますか?
南田 新幹線でいい方法があります。例えば「のぞみ」で東京から名古屋へ行くとき、寝過ごしたら京都まで行っちゃうじゃないですか。それを防ぐため、僕は席番なら20Cや20Dといったドア近くの通路側に座るんです。すぐ列車の外に出られるっていうのもありますけど、駅に近づくとザワザワするじゃないですか。それで目が覚めるんです。なんなら通路を歩く人の荷物が当たるような姿勢で寝ると完璧ですよ!
─出張サラリーマンにオススメのテクですね。
南田 あと僕が体験したすごい目覚まし時計の話があります。通称“おこし太郎”と呼ばれる鉄道マン御用達の起床器具なんです。鳥取の智頭(ちず)急行で体験させてもらったんですけど、起床時間になると背中の下の空気袋が膨らんで、痛くて寝てられないんです。鉄道ファン20人と一緒に体験したんですが、全員悶絶して起きました(笑)。これぞ究極の目覚まし時計でしたね。
(取材・文/関根弘康 撮影/佐賀章広)