標高4500mの温泉で多国籍な人々と「いい湯だナ~♪」

みなさん五月病に負けず元気ですかー? 病み上がりのまま砂漠の砂ぼこりに鼻先をくすぐられ、さらには標高差に弄(もてあそ)ばれているマリーシャです。

さて、サンティアゴから長距離バスで北上すること24時間。着いたのは砂漠の街、サン・ペドロ・デ・アタカマ(チリ)。ここは標高約2400mの高地にあり、歩くとさすがに少し息苦しく感じる。

1時間もあれば一周できそうな小さな町は、まるで物語に出てきそうな砂漠街。『ドラクエ』のキャラになったような気持ちで、一軒一軒全てのドアをたたきたくなる。

そして、泊まる宿もまた砂漠スタイル。手書きの宿名が貼ってあるドアを開け中に入ると、リビングなのに屋根がない。パティオのような開放的な空間にイスやテーブルが並べられ、旅人たちは昼は太陽、夜は星空の下、ネットをしたりおしゃべりしたり。

「雨は年に2回、去年は多くて10回降ったよ」と宿主が言うだけあって、砂漠地帯に屋根など必要ないのだ。ネットがつながるのは感心だけど、すぐに停電。これは南米あるあるで、もう慣れたもんです。

星空も名物のアタカマ。夜空と砂色の建物のコントラストが映える街

昼のアタカマ

お店をのぞくと小さな店主が。かわいさにつられツアー確約?

3日間の国境越えツアーに備えて…

アタカマからは月の谷へ。月のクレーターのような岩肌の広大な砂漠地帯。その一部には生物が住めない「デスバレー」と呼ばれる所もある。生き物が住めない場所を世界中の人が観光しにくるなんて、なんだか不思議。

ツアー車を降りて観光している間に、席に置いてきた水のボトルが無くなって焦って探し回った。砂漠でつくづく感じる水の貴重さ。すると「ドアから外に転げ落ちたよ」とドライバー。ドア開けて運転とか、客の荷物が落ちてもそのままとか、南米あるある。慣れたよ。

そして、迷子の参加者を待つタイムロスのおかげでサンセットに間に合わないけど、気にしない。これも南米スタイル。

デスバレー。水がなくなったけど生き抜いてやる!のポーズ

死の谷から無事に帰還した腹ペコの私に、「5リットルの水と、コカの葉を用意して、今夜はお肉やお酒を摂取しないでくださいとの厳しいお達しが。

これは、明日から3日間に渡る国境越えツアーのため。そう、アタカマはチリからボリビアに抜ける経由地で、ここからかの有名なウユニに向かう。

満点の星空の下、レストランでロマンティックなアタカマナイトを過ごす観光客を横目に、チーズ入りエンパナーダ(餃子型の揚げ物)とゆでた野菜でさみしい夜を過ごす私。「一緒にパーティーしない?」と言ってくれた同じ宿のイギリス&カナダガールズの誘いを断って、ノリの悪い日本人と思われやしないか心配しつつ、眠りについた。

エンパナーダ屋の「W杯に行きたいのでチップ下さい」の貼紙には笑った

動きまわる子供がかわいかったので、この子たちに空腹も癒された。ことにしよう

最高所の温泉とアンデスのかわいい動物たち

■いよいよ14ヵ国目、ボリビアスタート!

早朝、寝ボケたまま迎車に積まれた私は、陸路で国境へ。このルートはハードなので若者が多く、イミグレーションでは各国のバックパッカーが長蛇の列を作る。

チリ出国&ボリビア入国の手続きを終えると、私たちはチリのツアー会社からボリビア人運転手の四駆車へ引き渡された。「ボリビアは道がないけど、まあ頑張って~」と手を振るチリ側の人。いよいよ14ヵ国目がスタート!

私は、四駆車に同乗する脚長美人のオーストラリア人・エレンに通訳してもらい、スペイン語しか話さないボリビア人運転手・セバに「3日間私の命をよろしくね」と頼むと、四駆車はボリビアの山々がみえる広大な景色のなか、道無き道を思いっきり走り始めた。

ガタガタ揺れる車は、どこを走ってるのか全くわからないけど大丈夫かな。

ボリビア国境のイミグレーションはこんな小規模な感じ

国境の係員に「一緒に写真撮ってくれ」と言われた。日本人が珍しかったのかな?

ツアーは、アンデスのダイナミックな大自然を堪能しながらウユニを目指す。アタカマから約100km北へ進むと、標高約4500mにあるタティオ間欠泉。ここでのお楽しみは、世界最高所の温泉につかること!

「いい湯だな! アハハン♪」

標高も高ければテンションも高く、私は久々のお風呂を楽しんだ。各国の旅人たちが、お湯の中でジャンプしたり、タバコを吸ったり、フリースタイルで入浴中。でも、私はすぐに薄い空気にフラフラ、ハァハァしてしまい、千鳥足で車に戻る。う~、気持ちワル~。高山病の症状を緩和してくれるというコカの葉っぱを噛みながら、なんとか標高差と戦う。

多国籍の人々が同じお湯につかる光景は標高や景色関係なくおもしろい

フラミンゴのいるラグーンに行ったり、アンデスに住むかわいい動物・ラマに癒された後は、シャワーなし宿で初日の睡眠をとる。はずが、横になり呼吸が浅くなると頭痛や苦しさでほぼ眠れず。しかも極寒。

チビな私はベッドの8分の1くらいのサイズに丸まってなんとか夜を越えた。翌朝は欧米勢もつらい寝起きを迎えたようで、バーニョ(トイレ)には嘔吐も見られた。これが噂の高山病か。

フラミンゴの群れは圧巻。日本だと鶴みたいな感じなのかなー

おみやげの人形やバッグの柄になってるボリビア代表動物のラマ

ビクーニャの群れ。みんな同じ表情がなんかウケる

ビクビクしながら突入した2日目は、アンデスの生き物・ビクーニャの群れに遭遇。昨日のラマにつづき、かわいい動物には癒される~。とかいいつつ、夕飯にはラマ肉が。昨日はかわいーといって見ていたのに、今日は食べちゃうなんて。弱肉強食のこの世界。ラマちゃん、許してね。ちなみに硬めのラム肉みたいな感じ。

夜はウユニ塩湖畔の街・コルチャニにある「塩のホテル」へ。このホテル、なんとウユニ塩湖で切り出された建材用の塩ブロックでできている。壁もテーブルもイスもぜんぶ塩! そんなのに泊まれるの?と思うけど、意外にしっかりしていて、風も通さず暖かい。塩で家が建つなら、ほかにもいろいろ作れそうだなー。いざとなったら食べれるし 笑。

やっと標高差にも慣れてきたし、今夜はここでゆっくり眠りにつけそうだ。明日はいよいよ、お待ちかねのウユニ塩湖へ!

セバの安全運転とコカの葉で高山病も乗りこえ、まだ生きてます!

塩のホテル。番号ふってあって一見監獄みたくなってるけど 笑

ボリビア人と和む。左端が優秀ドライバーのセバ

【This week's Blue】石の木アルボル・デ・ピエドラ。雲ひとつない空と、奇岩石の木のコラボはカッコイイ! 今までいろいろな景色を見てきたけど、やっぱり私は青い空と岩群とのコラボが好きみたい。

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。【http://ameblo.jp/marysha/】Twitter【marysha98】