清潔感あふれる“美メンズ”をめざすこの連載。今回は男性美容研究家の藤村岳(ふじむら・がく)先生に、スキンケアの初めの一歩である「洗顔」ノウハウについてアドバイスいただこう。
たかが洗顔…といえど、365日×2回もするだけあって、実は肌への影響はかなり大きいという。藤村先生が指摘する「男の肌を老けさせる間違い洗顔」とは?
【間違い1】力を入れてゴシゴシ洗っている
「男は基本的に洗うことが好きで、ゴシゴシ洗うことが洗顔と思いがち。でも、強くこすると必要な皮脂まで落ちてしまいます。さらに、肌に余計な圧力を与えることでシワやたるみの原因になったり、メラニンが活性化されてシミの原因にも。ゴシゴシ洗いはムダに老ける作業をしているのと同じことなんです。
顔を洗うときには手の平は使わず、3本指の腹だけを使って、Tゾーンからくるくると円を描くように洗う。このとき、力が入りすぎる親指は使わないようにしましょう。力のかげんは『熟れた桃』を触るぐらい優しさで十分です」
【間違い2】洗顔料を泡立てないで使っている
「洗顔料に水を数滴たらして、泡立ったと思っている人が多いですが、それでは水とまぜただけ。手にこんもり泡があって、ひっくり返しても落ちないぐらいが目安です。この泡が皮膚の奥の汚れを吸着すると同時に、肌を摩擦から守るクッション機能を果たしてくれます。
泡は、100円ショップで売っている泡立てネットを使うと一瞬でできるのでラクチン。それも面倒だという人は、最初から泡で出るタイプの洗顔料がオススメです。
気をつけてほしいのは、面倒だからといってボディ用の石鹸を使わないこと。ボディ用は洗浄力が強く必要な皮脂も落としてしまう。マイルドな洗顔用石鹸を使ってください。また、石油由来合成界面活性剤やスクラブ入りも落としすぎるので注意。
今、固形石鹸の人気が復活していて、いいものがたくさんあります。いろいろ試して自分に合うものを見つけてほしいですね」
すすぎは水? お湯?
【間違い3】 冷水や熱いお湯ですすいでいる
「熱いお湯は、必要以上に皮脂を取りすぎてしまいます。熱いお湯でゴシゴシ洗い、肌がパキッとつっぱるのが洗った実感という人も多いですが、それは肌が悲鳴をあげている証拠。同様に、最後に冷水でしめるのもNGです。
基本的に熱い、冷たいの刺激は肌にとってストレス。適温は体温と同じか1、2度低いくらいのぬるま湯です。
それから、ため水もNG。必ず流水で流して、生え際やヒゲなど洗顔料が残りやすい部分はしっかりすすぎます。洗顔とすすぎは1:3のイメージ。洗顔料が肌に残ると、それが刺激で炎症の原因になってしまいます」
【間違い4】 タオルでゴシゴシこすっている
「最後に、タオルで顔をふくときもこすらないこと。タオルは顔に軽く押し当てるだけで、十分に水分を吸収してくれます。
それから、前の日のタオルを使わないこと。タオルが生乾きになっているだけで、すごい量の雑菌が繁殖しています。せっかく洗ったのに、そのタオルを顔につけたらまた雑菌をつけることに。それなら、ふかないほうがよっぽどマシです」
スイマセン、全部やってました…(汗)。みなさんはどうでしたか? すぐに改善できそうなことばかりなので、さっそく今日から改善して男の美肌を手に入れるべし!
(撮影/五十嵐和博)
●藤村岳(ふじむら・がく) 男性美容研究家。1973年、東京生まれ。雑誌・書籍の編集者を経て、シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論を打ち立て、男性美容のパイオニアとして活動中。総合情報サイト『All About』にて「メンズコスメ」のガイドも務めている。数々のテレビ番組やラジオなどの出演のほか、講演・イベントなども行う。【http://danbiken.net/】