美メンズをめざし、スキンケアを始めて3週間。昨日は憧れの同僚女子に話しかけられ、これって美肌効果?とニンマリしてみたり。
そして梅雨が明ければいよいよ夏本番。なんだか自信も出てきたし、出会いを求めて海に山に出かけよう!
……と思いきや、「ちょっと待った! 夏本番前に紫外線対策を忘れないで!」と男性美容研究家の藤村岳(ふじむら・がく)先生。では、デイリーケアの最終ステップ、UVケアで男の美肌をコンプリートです!
■UVケアをしないとスキンケアが台無しに
―昨今は“美白男子”とか“日傘男子”なんて、肌を焼きたくない男も増えてるようです。とはいえ、やっぱり夏は小麦色の肌のほうが精悍でカッコよくないですか?
「そういう人ほど、UVケアは絶対にしないとダメです。紫外線はシミ、シワ、たるみなど、肌の老化を早める一番の原因になります。
女性の場合はメイク用品にUVケア成分が入っていますが、男は本当にすっぴん。さらに前回もお話したように、ヒゲソリで表皮をガリガリ削りとってるわけですから。
どんなに洗顔・保湿をしても、紫外線対策をしないで15分外に出ただけで、過去何日分ものケアが台無しになってしまいます」
―えっ! せっかくのスキンケアが台無しに? 勇気を出して化粧水までつけたのに、それは困ります。紫外線ってホントにそんなに悪者なんでしょうか?
「紫外線にはA波、B波があります。やけどっぽいサンバーンの原因になるのがB波で、これは5月くらいから強力になります。これに対して、後でじんわり小麦色になるサンタンの原因が、波長の長いA波。
一般に、日焼けサロンではA波だけを照射しますが、実は最近の研究でA波のほうが肌への影響が大きいことがわかってきました。なぜかというと、B波が届くのは表皮まで。でも、A波は奥のコラーゲンやエラスチンなど、生きた細胞がいる真皮まで届く。これがDNAを破壊し、さまざまな老化現象を引き起こすんです。
さらに厄介なのがこのA波、1年を通して影響があります。冬でも曇りの日でも降り注いでいます。そして、じわじわとDNAを破壊し、ある日時限爆弾のようにドカンと爆発します」
日焼け止めの塗り方、選び方は?
■日焼け止めは365日、必要です!
―ドカン! 優雅にスキンケアの話をしてるはずなのに、なぜか不穏な単語のオンパレードです。対策はどうすれば?
「365日、雨の日をのぞいて毎日、日焼け止めを塗って紫外線をブロックすることです。
塗り方は、まず手の平にクリームをとって伸ばします。それを、おでこや鼻の頭、頬骨などの焼けやすい部分に塗ってから、さらに全体に伸ばします。でも、量が少なすぎると効果が得られないので、あまり薄く伸ばしすぎないように。
基本的に肌が出ている部分は全部塗ってください。意外に忘れがちな、首の後ろや耳の裏など自分では見えない部分もしっかりと。また、汗をかいたり洗顔シートでふいたりしたら、必ず塗り直しが必要です」
―日焼け止めクリームもいろいろありますが、SPFって何でしょうか?
「SPFはSun Protection Factorの略で、B波の防止効果を表します。何もつけていない肌に比べて、日焼けするまでの時間をどれだけ伸ばせるか。例えば、紫外線に20分あたると赤い斑点ができる人なら、SPF30の場合、20分×30=600分間。
目安としては、春秋冬ならSPF30、夏の外出やリゾートならSPF50くらいを使い分けるといいでしょう。
また、最近注目のPAは“Protection Grade of UVA”の略で、A波の防止効果を表します。+、++、+++の3段階だったのが、去年4段階まで格上げされました。こちらは、春秋冬は++、夏は+++、リゾートなら++++くらいを目安に選びましょう。
今は昔と違って日焼け止めも白うきしないし、ねっとりとした皮膜感もなく、使いやすくなっていますよ。試してみて、自分の好きなテクスチャを見つけてくださだい」
最近はオゾン層破壊などで紫外線の影響も増しているとか。男なら、つべこべ言わずにUVケアを始めるべし!
さっそく試してみよう
【自分の肌に合った日焼け止めを見つけよう】
(左)ニベアフォーメン UVプロテクター(ニベア花王) 30ml/オープン価格(実勢価格 600円前後)
SPF50+、PA+++ 皮脂コントロール成分(シリカ)配合により、皮脂によるテカリ、ベタつきを長時間抑える。汗や水にも落ちにくい。保湿成分配合で、日やけによる乾燥を防ぐ。クールシトラスの香り
(中)オキシークーリングドライUVスプレー(ロート製薬) 60g/700円+税
SPF50+/PA+++ 背中などにも簡単にぬれるスプレータイプ。さらさらパウダー配合でベタつきを抑える。グレープフルーツの香り
(右)ウル・オス プラス 日やけ止め(大塚製薬) 25ml/1200円+税
SPF50+・PA+++ 保湿成分AMP(アデノシンリン酸)、ヒアルロン酸Na配合で肌に潤いを与える。白うきせず、肌にスッとのびる使用感。専用クレンジング不要で、通常の洗顔でおとすことができる。ハーバルミント系の香り
(撮影/五十嵐和博)
●藤村岳(ふじむら・がく) 男性美容研究家。1973年、東京生まれ。雑誌・書籍の編集者を経て、シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論を打ち立て、男性美容のパイオニアとして活動中。総合情報サイト『All About』にて「メンズコスメ」のガイドも務めている。数々のテレビ番組やラジオなどの出演のほか、講演・イベントなども行う。【http://danbiken.net/】