ブラジルでどれだけ食べたかわからないシュハスコとも、いよいよお別れ…

みなさん、先週は本誌のご拝読グラシアス! ブラジル最後の街、アマゾン上流のマナウスにやってきたマリーシャです。

ベレンからマナウスまでは、本当はアマゾン河を船で上りたかったけど時間の都合で空の旅に。おかげで、アルゼンチンvsスイス戦を機内で観れました。テレビ付き飛行機、最高!

降り立ったマナウスの空港は、W杯開催地とは思えない地味な雰囲気。ナタールにしろここにしろ、空港の整備がW杯に間に合わなかったんだね。バスで通り過ぎたスタジアム周辺は、試合がすべて終了しているだけにさみしさが否めない。

いつか渡る!アマゾン河を上空からチェック

スタジアムは堂々としているが、もう誰もいないのがさみしい

 

そして、ダウンタウンが近づくにつれ、街は観光客など全くいないローカルエリアに。経験上、こういった場所は危険なことが多い。

「ここでバックパック背負ってバス降りるなんて鴨ネギじゃーん」

…と思いながらも、しかたなくバスを降りると、街の人たちみんなの視線が私に突き刺さる(ような気がする…)。

「カメラを出すのはコワいけど、ちょっとそのコワいカメラ目線いただきます!」

と、刺すような視線をすり抜け、なんとか宿にすべりこんだ。

鋭い目つきで見られると、ドキッとします。いつもの南米緊張感

 

“犬も歩けばシュハスコ屋台”っていうほど、夜のダウンタウンには同じ屋台が並ぶ。ブラジル人がよくシュハスコにつけるファロファという黄色いタピオカ粉。それを、ここではみんなコップにくんで飲んでる。初めは粉っぽくて微妙だなと思ったけど、慣れてくると日本のあられみたいな風味で、まあ食べれるなって感じ。ごはんとセットで、シュハスコ定食いただきました!

黄色いキャッサバ粉(タピオカ粉)を直接飲む。初心者は喉を詰まらせないように注意

マナウス在住のブラジル人。そっちのほうがおいしそう…と見てると味見させてくれた

ブラジル戦を明日に控えたコロンビアの街は…

そして、マナウスから乗り継ぎ便で6時間かけて向かったのは、W杯3戦目で対戦したコロンビアの首都ボゴタ。実はここが、旅人マリーシャ・南米旅の最終地となる。

空港の警官がとってもわかりやすい英語で行き方を説明してくれたので、難なく中心部に到着。コロンビアは南米でも比較的、英語のできる人が多いんだって。ありがたい。

さっそく、こじんまりとしたボゴタの旧市街を散策してみよう。この街は標高2600mの高地にある。富士山の5合目よりも高いだけあって、石畳の路地を歩いているだけで少し息がハアハア。

標高が高いといえば、なんとなくペルーのクスコに街並みが似てるな。大きな広場にたたずむ美しいカテドラル、国会議事堂、裁判所。そばにはリャマの姿も見られ、やはりアンデス山脈沿いの街なんだなと思う。

モンセラーテの丘をバックに美しいカテドラル。足元は鳥のフンだらけ

広場にはリャマがいる。アンデス山脈沿いには必須アニマルなのね

 

それにしても、分厚い南米ガイドブックでもほかの国に比べ圧倒的に少ない10ページしか紹介されてないボゴタ。見所はそれほど多くない 笑。

とりあえず宿から1ブロック離れた閉館間際のボテロ博物館に行ってみた。日本では知ってる人も少ないかもしれないけど、ボテロさんはコロンビア出身の世界的に有名な画家。彼が描くと、あら不思議。人も動物も食べ物もすべてふっくらぽっちゃりに変身してしまう、とってもユーモラスな画風。

もちろん、有名なこちらの方、モナリザさんも例外ではない。痩(や)せたアルカイックスマイルがミステリアスな魅力かと思ってたけど、こうしてふっくらさせたらどうでしょう? なんともかわいらしく、癒(い)やされるではありませんか! 日本でもぽっちゃり女子が流行(はや)ってるけど、コロンビアでもぽっちゃりは愛されているのね。

旅をしてて本当によく思うのは、海外勢のダイナマイトバディに比べ、日本女子は本当にスレンダーだなってこと。こっちにいると、もっとグラマーになりたいって思う。でも不思議なことに日本に帰ると痩せたいって思うんだよね。とかいいつつ、最後だからと南米フードを満喫しちゃいましたが…。

ぽっちゃりモナリザは、包容力ありそーな癒やしの魅力たっぷり

 

コロンビアvsブラジル戦を明日に控えてるわりに、街中では路上で応援グッズが売ってる程度だった。でも、明日になれば赤ちゃんから大人までみんな同じユニフォームで熱狂するんだろう。ブラジルもそうだったけど、南米諸国の人たちは当日にありったけの熱を注ぐ。何かと用意周到な日本と対照的に、南米はほら、スタジアムの屋根すら間に合ってないから 笑。

試合当日の熱狂ぶりは、ウルグアイ戦とギリシャ戦のお祝い騒動で死者も出てしまったほど。それだけにコロンビア人は気性が激しいと思うかもしれない。でも、私が今まで南米各地で会ってきたコロンビア人は、優しい人ばかり。英語もできるし、みな「コロンビアに来たら、うちにおいでよ!」と誘ってくれた。ウユニで友達になったアナとはギリギリまで会うためにやりとりしてたけど、宿のウンポコWi-Fiと滞在が一泊だけのせいで、結局会うことができなかった。ああ、どこでも日本と同じように使える携帯を持って旅したい!

コロンビア戦を控え、応援グッズが売られる路上でコロンビア人のピース

ボゴタの公衆電話? 携帯にチェーンがついてる

いよいよ南米を発ちます!

グラフィティアートがいっぱいのボゴタの街中。南米はどこも多い

 

翌日は、とうとう南米を発つ日。長いようで短かった3ヵ月半。南米はどこも本当に濃く、見所も多く、色の違う毎日だった。もっと掘り下げたかったし、つらかった場所ですら、また行きたいと思わせる。それでも、今までの旅で日本を恋しくなったことなどない私がホームシックにかかったのは、その旅のハードさや食事のせいかもしれない。正直、一時帰国を前に、ホッとしてる自分もいる。

ロス経由で帰国するため空港へ向かう。空港の景色に「まるで昨日のことみたい!」と思ったけど、まさにこの空港に来たのは昨日のことだった 笑。1泊は短すぎ!

コロンビアvsブラジルというビックカードを今日に控えた空港では、働く人も搭乗客もみんなコロンビアユニフォームだから、わかりづらい。

空港で働く人も搭乗客もユニフォームで見分けがつかない

免税店のキャンペーンガール。コロンビア女子も裏ピースするんだー!と日本を思い出した

 

今回も機内でW杯観戦かーと期待していたけど、テレビがない飛行機だった。機内放送「試合経過を時々、お伝えします」のアナウンスに乗客は盛り上がるも、そもそもこの日にフライトを選ぶくらいの人たちなので、サッカー熱はまあまあ。しかも、最終的には拍手で終わり、私はどちらが勝ったかわからぬまま、飛行機はフロリダ周辺に到着。

結果はロスでテレビ見ればわかるからいいやと、すんなりロス行きの飛行機に乗り換えるはずが……? まさかのトラブル発生! 次週、旅人マリーシャはどこにいるのか?

予定どおりロスには行けなかったけど、アメリカ某所で生きてます 笑。

【This week's Blue】ベレンが下流ならマナウスは上流。アマゾン河は思っていたより青く、ベレンほどは濁(にご)っていなかった。ピラニアのいる様子はないけど、いつか食べられる前に食べてやろう 笑●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。【http://ameblo.jp/marysha/】Twitter【marysha98】