4月の消費税増税による購買意欲低下が懸念され、景気回復もここへ来て少し足踏み状態の日本社会。夏のボーナスが出ても、世のビジネスマンたちに財布のひもを緩める気配はなさそうだが、ここへ来て興味深いアンケート結果が出てきた。
ビジネスパーソンのためのトータルファッションブランド「THE SUIT COMPANY」(http://store.uktsc.com/)では、「20歳代、30歳代の男女ビジネスマン」412名(男性20歳代:103名 30歳代:103名、女性 20歳代:103名 30歳代:103名)を対象に『2014年 夏のボーナスに関するアンケート調査』を実施した。「夏のボーナスで購入したいビジネスアイテムは?」という質問に対し、男性の1位は「時計(24.0%)」、2位は「靴(20.0%)」、3位は「Yシャツ(19.0%)」となり、女性の1位は「靴 (28.0%)」、2位は「鞄(18.0%)」、3位は「財布(12.0%)」となっている。
面白いことに、男性、女性ともに「時計」や「靴」、「鞄」などの高価なアイテムが上位を占めたのである。特に時計は、スマホ全盛時代の昨今、むしろ不要になりつつあると言ってよいアイテムだ。また、男性は「Yシャツ」や「スーツ」などにも票が入り、女性よりも「衣類」への購入意欲が高まっていることがわかる。 ボーナス支給のタイミングが、毎日着用するスーツ関連商品の買い足しの時期にもなっている様子だ。
今夏のボーナス増は間違いなし?
今夏のボーナス支給については、「出た(出る予定)」と回答した人は6割を超え、「満足している(満足しそう)」と回答した人は53.9%、「満足していない(しなそう)」と 回答した人は46.1%という結果になり、「満足している」が 若干上回っている。肝心の支給額も、現状維持の「変わらない(変わらなそう)」が41.8%、「去年より増えた(去年より増えそう)」が38.3%と、去年以上の支給額という回答が8割を超える結果となっている。
同様の調査を毎年行っている日本生命保険の契約者を対象に実施したアンケートを見ても、平均支給額は59万3000円と昨年調査より8万6000円増加した。その他、各種機関の調査結果を踏まえれば、総合的に見て今夏のボーナス増は間違いないところだ。
先行きの不安がまだ払拭されていない状態では、まだまだ旅行や娯楽など思い切った消費はやりにくく、やはり多くの人は預貯金に回したいと思うところ。個人がアベノミクスの恩恵を受けるのまだまだ先、というのが正直な実感だろう。しかし確実にボーナスは増えている。
そこで、どうせ使うならビジネスアイテムを充実させたい、今後のために自分に「投資」をしたい――そんな堅実かつ前向きな気持ちが、高額アイテム購入へと向かわせたのではないだろうか。そして夏のボーナス期は、絶好の投資タイミング、ということだろう。
アベノミクス以降、企業投資は確実に上向いている。6月発表の内閣府と財務省の予測でも、14年度の全企業の設備投資額は前年度比4.5%増と引き続き堅調な増加が見込まれている。個人レベルでも同様に潜在的な投資意欲が高まっているのであれば、全体的な購買意欲が低迷していたとしても、今後の景気回復に期待が持てると言える。
新しいスーツに身を包み、ビジネスアイテムをバッチリ身に付け、前向きな気持ちでバリバリ働けば、明日への希望は自然に湧いてくるのかもしれない。
(取材・文/週プレNEWS編集部)