勝負は時の運とはいえ、万全の準備で取り掛からなければならないのは当たり前。今回はマゴチの釣り方をリサーチ

海の底の砂と同化し、姿を見せないマゴチ。そんな強敵はどうしたら釣り上げることができるのか。週プレ釣り部はマゴチを釣る3つのポイントを綿密にリサーチした。

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当然、簡単には釣れないのがマゴチ。しかし、必ずチャンスはやってくる! 次の3つの基本動作を常に念頭に入れておけば、必ず食ってくれる。今回はそのポイントを確認しよう。

■完璧なエサ付けでアタリが30%アップ

まず一つ目は「エサ付け」だ。

エサは基本的に生きているフレッシュベイトであること。鮮度が良いのはもちろんだが、そのエサを弱らせないようにハリに付けることがポイント。

今回使うサイマキのようなエビ類は、口からハリを入れて頭部の角周辺に1ミリくらい針先を出す。頭の黒っぽい部分は脳なのでここは必ず外すこと。誤って刺すとたちまち死んでしまうのだ。

脳を刺したら一発で即死。手際よくスムーズに角の辺りを刺そう

そこで、エサ付けの奥義をひとつ。エビ類を付けるときは、水の中でそっと背中を掴(つか)み、水から出して腹を上に向ける、すると頭の裏に赤っぽい口が確認できる。

口はケバケバの棘(とげ)に覆われているので見つけにくい。そこで、この棘に自分の息をフッっと吹きかけると口がはっきり表れる。素早く口の中にハリを入れ、ハリ先を少し引くように刺すと上手くいく。予(あらかじ)めエビの角を折っておくのも良い。

問題なくハリを刺せれば、エビはピンピン跳ねて足が元気よく動いている。このエビは、海の中で足を動かして泳いでいるのだ。これを発見したマゴチは、涎(よだれ)をたらしながら接近し、狙い定めて飛びつくという寸法だ。

ハゼやメゴチなどの小魚の場合でも一緒だ。水の中で、そぉーっと胴体を持ち、上あごに素早く針を刺す。もちろんギュっと掴んだり、水から出したらグズグズせず素早く付けられることが釣果に繋(つな)がるのだ。

目の前にエサをチラつかせるには?

■潮の流れを見極めてエサを見せつけろ!

上手くエサ付けができたら、次は「タナ取り」

タナ取りとは、ターゲットの魚が泳いでいる(棲息している)深さを見極めることだ。これも基本中の基本。

ハリスの長さは1.5mにしておこう。ターゲットのマゴチは海底に張り付いて、エサが近くにくるのをじっと待っているということは、エサはマゴチの頭周辺に位置することが最も食べやすい。

魚はなんでもそうだが、潮が多少とも動いていないと活性が悪い。動いている潮時が食事タイムなのだ。

となると、1.5mのハリスは潮の流れに応じて、横に流されることになる。流れが強いと角度が急になり、海底から離れる。流れが弱いと流れずにだらんと垂れ下がり、場合によっては海底にへばりつくことになる。

常に、流れを読み、マゴチの頭の上、見えやすい位置にエサがあるようにすることが釣果に繋がる。

では、どうするか? 最初にオモリが底にトンと着いたら、底からハリス長の1.5mオモリを上げる。それを基点に、流れが速い時は少しオモリを下げる。流れが弱い時は底からオモリを1.5m上げて、その場で待つか若干上げる。

また、大事なことだが、底までの深さは常に一定ではないので、アタリがなければ頃合い(5分くらい)を見て、再度タナ取りを行なう。これを繰り返することでエサが動いて、マゴチへの誘いにもなり、結果、アタリを導くタイミングが増えるのだ。

焦る気持ちを抑えて、とにかく辛抱

■アタリがきたら40秒の辛抱

そして最後、3つ目はいざマゴチが食いついたら「早合わせ厳禁」ということだ!

気を急いても仕方がない。じっくり待たなければ台無しになることも

待望のアタリがあったら先ず落ち着いて、このアタリは何かを見極めよう。この時期、サイマキに食ってくるものは、本命のマゴチ以外にも多くの魚がいる。

活性のいい時のマゴチのアタリはゴツン…ゴツッ…ゴッ…グッググゥーという感じだ。ヒラメやマゴチはいきなり一度に飲み込まない捕食機能がある。一度口にくわえ、エサを弱らせ生殺しにする、それから徐々に飲み込んでいく。口の奥にいかないうちに合わせてしまうと、針がすっぽ抜けてフッキングしないのだ。

このタイミングは、よく言う「ヒラメ40(秒) マゴチ20(秒)」がセオリーだ。早合わせは厳禁。急いては事を仕損じる、よく食い込んでから合わせるのが鉄則だ。逃してしまって、なんだかわからないうちにエサだけ取られるのは最も不甲斐(ふがい)ない。

とにかく、(1)エサ付け、(2)タナ取り、(3)早合わせ厳禁、この3つを常に念頭に入れ、あとはひたすらドキドキとアタリを待とう。

(7月19日配信予定の第3回に続く)