日の出も早くなってきた、この季節。旬を迎えた「マゴチ」を食そうと海に出かけた週プレ釣り部。前回の連載ではしっかり釣り方も調査したが、ツキに見放されたのか最大のチャンスを逃すことに!
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■朝日できらめく海を出港
東京湾アクアラインを抜け、木更津南IC下車して朝5時30分頃、富津(ふっつ)港に到着。もうこの季節、辺りは既に明るい。
受付を済ませて、船のミヨシから乗り込むが、ミヨシが高くせり上がっているので専用階段を上って乗船。
鹿島丸は大型遊漁船を2隻所有しており、この日は息子さんが船長の1号船がマダコ乗合、大船長が操船する2号船はマゴチ乗合で出船する。マダコ乗合は結構人が多いということは釣果が好調な証拠だ。本日のマゴチ乗合は総勢8名だ。船の大きさからいっても釣り座の間隔には余裕がある。
竿にリールをセットしたり、ロッドキーパーを取り付けたり準備していると、少し遅れて釣友がやって来た。支度を整えると、後方のマゴチ釣り初挑戦のグループに大船長の釣りレクチャーが始まっていた。私たちもこの釣りは数回しかやっていないので、念のためレクチャーに参加したが内容は概(おおむ)ね、前回のリサーチの通り。
ひと通りレクチャーが終わったので、沖のマゴチポイントに向かい、いざ出港。岸払いしたのは既に6時を回っていた。
待望の第1投目!
この日の最大満潮は4時47分、最大干潮は12時25分なので既に引き始めている。およそ20分も走っただろうか船足が止まった。船長がマイクで「ではこの辺からやってみましょう」「水深は15m、タナは底から1mくらい切って下さい」とスタートの合図をかけた。
手早くサイマキの口にハリ先を入れ、脳みそを避け頭部の角の辺りに1ミリハリ先を出した。これでよしっ! リールのクラッチを切り、第1投目を落とす。
15号の鋳込みテンビンがゆっくり落ちる。10秒くらいでトンと底に着底。糸を張って、1m巻き上げた。潮はゆっくり流れている。あと20cm上げてみた。これで底から1.2mのところにオモリがあることになる。
エサのサイマキは底から10~20㎝上がったところで潮に逆らい、足を動かして泳いでいるはずだ。今日の竿は全長2m、細身で7:3調子、魚が掛かると6:4の調子で胴に乗るマゴチ専用竿だ。ちなみに、調子とは「竿の曲がり方」のことで、竿全体を10等分に分けたときに曲がりの支点までの割合を数字で表す。7:3調子なら付け根から7分の位置は真っ直ぐで、竿先の3分が曲がるということ。リールはダイワの両軸ミリオネア。仕掛けは船長オリジナルのマゴチ仕掛けだ。
【使用タックル】 竿:マゴチ専用(2m前後の長さで、食い込みが良く胴はしっかりした6:4調子)。シロギス竿でも併用できる。手持ち竿なのでなるべく軽い方が楽だ
リール:ダイワの両軸ミリオネア。なんでもよいが、小型両軸、スピニング2500番前後、糸巻が付いた昔ながらの和竿も風流で玄人(くろうと)っぽく見える
道糸:PEなら1.0号前後、ナイロンは6号前後が100m巻いてあれば良い
針:スズキ針の17号・18号、マゴチの口は大きいので針も大き目を使用する。またマゴチの上あごの内側先端は非常に硬く、何回も同じ仕掛けを使うと針先が刺さらずに丸くなることも。こんな時、ハリは即交換する
隣の釣客が1匹目を釣り上げた!
■経験上、最大のチャンス到来!
5分たってもアタリ無し、変化無し。15分たっても船中でアタリ無し。船長が「上げて下さい、移動します」とマイクでしゃべった。5分くらい走って「どうぞ、はじめて下さい」と再開。
まだ1匹目のサイマキは元気だ。第2投目を投下する。
すると、私の左側の人が立ち上がった。竿先がクンクン引いている。そしてググーッと竿先が海面に刺さった。
大アワセ、竿が満月状態、掛かったようだ。グングンッと力強く引いている。それを見た船長が玉網を持って近づいた。
「結構引くねぇー」
バシャバシャッ! 現れたのは本命のマゴチだっ! 本日の船中1匹目。それも50cmの良型だっ!
よぉーし、テンション上昇! 今度はこっちの番だぞっ! 集中、集中!
一番に釣れなかったが、嬉しいのはなぜか。マゴチは船中のひとりがアタリ出すと、周りもバタバタとアタリ出すからだ。
マゴチは群れを作ってエサを捕食している。そして、1尾釣れると、直後にもう1尾掛かることが多い。マゴチは夫婦のように2尾で行動することが確認されている。現に、釣れた1尾を追いかけて、片割れがついてくる光景をこれまで何度も見たことがあるのだ。
5分……10分……
???
アタリ無し。おかしいな? ……うむっ、エサチェック。しかし、エサのサイマキは多少元気が落ちたようだが、忙しく足を動かせている。うぅーん、アタらないなぁー!
この流しはマゴチ1本のみで移動となった。せっかくのチャンスだったが、どうにもうまくいかない。
(7月26日配信予定の第4回に続く)