隣でマゴチを釣り上げられ、自分にもくるかっ! と大きな期待を抱くも、まったく反応もなかった週プレ釣り部。場所も変わり、気を取り直して投げたら……
*** 時は8時を回っている。マゴチのアタリが続かず、船長も見切りをつけ、移動した先で再び釣りを再開。第3投目、今度は新しいエサに取り換えた。
そして、仕掛けを落とした直後、ゴツッ、ゴツッっと待望のアタリ。すぐにハートがドキンドキンと反応を示した。待つこと10秒……15秒……
焦っちゃダメだ! ドキドキ感は急成長しMAX状態。この感覚がマゴチ釣りの醍醐味〈だいごみ〉なんだ!
グッグッ……20秒、グッグッグ―。竿先が海面に突っ込んだっ! そらっ、アワセろっ!
いくぜっ! そりゃーッ!
大きくアワセを入れる。その瞬間、根ガカリしたのかのように動かない。すると、グングンっとトルクフルな引き込み。
グンッ、ググンッググンッググンッ!
MYマゴチ竿が真ん丸と曲線を描いている。なおも、グンッ、ググンッググンッ。
気持ちいいーー!!
ここでバラしちゃいけないと思う反面、この引きをもっと楽しみたいと思う気持ちが同時に湧いてきた。
無事、バラさず釣り上げたのか?
しかし、そうもいかない。船長が傍らで玉網を構えている。やがて、「おおっ! 見えたっ」「本命だっ! マゴチだっ!」と無事、船長の網に収まった。
おおぉー、45㎝のまぁまぁサイズ。がっちり上顎(あご)の脇にハリ掛かりしている。
この流しは的中だ。さぁーもういっちょっーいくでぇー!
■やっかいなゲストに注意
この日は、昼に近づくにつれマゴチのアタリが出だした。よく漁師言葉で、「潮の動き出し、上げ三分、下げ七分」と言われているが、まさに言い得て妙だ。満潮の潮止まりから潮が動き出した7分目、つまり10時30分ごろは入れ食い状態で4匹続けて釣れた。ストロングタイムが的中したのだ。
ちなみこの時期、エサにサイマキを使うとマゴチ以外に多くの魚が反応してくる。スズキ、マダイ、ヒラメなど嬉しいゲストもいるが、ショウサイフグ、アカメフグなど料理が困難なゲストも多い。
そして、イカはシリヤケイカとスミイカが多く常連客。グゥーンとした重みとギュンギュンと引っ張られる感じがしたら、それはイカです。決してハリ掛かりしないが、エサへの執着心が旺盛なので水面までエサを離さず上がってくる。イカもフグもエサを突っつくようなアタリで、エサの状態を確認するとエビの背中がえぐれていたり、体中に穴が開いてたりする。スズキはエサを引ったくるようなアタリが出るのだ。
改めて見ても不細工なマゴチ。その味は
なにはともあれ、終了時間(沖上がり時間)が来た。この日は最終的に45cm~50cmの本命マゴチを合計6本仕留めることができた。大収穫、大満足だ。
エサのサイマキはお代わり2回(10匹)、最初の5匹と合わせると合計15匹使用したことになる。釣り終わって船長に1000円渡すと、「今日は何本釣れた?」「6本でした」「おぉー良く釣れたねぇー」「じゃーエビ代は400円でいいよ」「6本釣ったから“釣り”600円」とサービスも忘れない。
■スーパースターを実食!
さぁーどんな料理を作ろうか! あらかじめ船上で活き締めと血抜きは怠らなかった。左側に座った釣り人は、大工さんが持っているノミで首筋の頸椎〈けいつい〉をグサっと刺して締めていた。骨が堅いのでいいアイディアだ。
まずは刺身だが、すこぶる爽やかで、上品で、歯触りの良い一品。氷水で締めた洗い。蒸し暑い今の季節、涼しげな日本酒の肴〈さかな〉となる。
眞子(まこ)も入れたアラ煮は、特にホホ身は言わずもがなの絶品。眞子は歯ごたえ良く、魚卵にしては淡泊でこちらもまた日本酒が進む。 天ぷらも極上だし、塩焼きの風味も最高。まさに全て揃ったスーパースター。誰だ! プレデターなんて呼んだのは?
【今回の釣果】 40cm~45cmと45cm~50cmのマゴチがともに3尾、合計6尾