芸能人で熱狂的なファンが現れ、グッズはファッション化、映画番組でも推されまくり……と、にわかに人気を博している“サメ”。

なぜサメなのかは不思議でもあるが、調べてみるとわりと面白い生物だということが判明! そこで本格的ブームとなる前に、選りすぐりのサメにまつわるトリビア、“サメビア”を紹介しよう!

■サメビア No.01 新種メガマウス発見はイエティ発見に匹敵! 1976年にハワイのオアフ島沖で発見され、新種と認定されたメガマウス。5m前後もある超大型種が地球上で新たに発見されることは大変珍しく、地上の生物でたとえるなら、UMAの代表格、雪男イエティが本当に発見されて新種登録されたようなものだったとか! 38年前の世紀の大発見!

■サメビア No.02 太平洋にホホジロザメの合コン会場がある! 単独行動が多いホホジロザメだが、夏頃になるとカリフォルニア州とハワイ州の間の海域に集まってくるという。このエリアは研究者らの間で通称“ホホジロザメカフェ”と呼ばれており、シーズンになると雄と雌が交尾を目的に一堂に会すのである。ある種の合コン会場と化しているのだ!

■サメビア No.03 サメの雄は全員チ◯コを2本持っている! サメは魚類でありながら交尾をして子孫を残すのだが、なんとサメの雄には交接器(人間にとってのペニス)が2本ついているのだ! サメは体の構造が左右対称になっており、左右に2枚ある腹ビレについているため交接器も2本あるなどの説があるが、その理由はいまだ解明できていないのである!

■サメビア No.04 処女のまま子供を授かる雌ザメがいる! 雌ザメの中には雄との交尾なしに子をつくる、“処女生殖(単為生殖)”と呼ばれる特殊能力があるものも。現在までで数種類の雌ザメで事例が確認されているが、あくまで稀有(けう)なケースらしく、水族館飼育の個体にだけ起こる現象なのか、野生の個体にも起こる現象なのかさえも解明できていない

サメのくせに歩ける図々しいヤツも!

■サメビア No.05 母親の胎内で兄弟同士が共食いし合う種も! シロワニは母ザメのおなかの中で、子供同士による天下一武道会さながらの闘いが行なわれるんだとか! 胎内で卵から孵化した子ザメたちがなんとその場で共食いを始め、生存競争に勝ち残った者だけが母親の胎外に産み出されるというのだ!(サメは子宮がふたつあるので2匹産み出される)

■サメビア No.06 女子ウケ抜群の“歩く”小型ザメがいる! 全長60cm=1mという小型ザメであるマモンツキテンジクザメ。サンゴ礁などの浅い海を“歩く”のが特徴で、かわいいと話題を集めている! “歩く”といっても実際には“ヒレで這(は)う”のだが、発達した筋肉や変わった構造の胸ビレを器用に使い、胸ビレと腹ビレを使って前進するのだ

■サメビア No.07 池に人食いザメが生息するゴルフ場がある! オーストラリアのとあるゴルフ場内の池には、最大で全長3mにもなるオオメジロザメが、確認されている限り6匹も生息している! 近隣の川が洪水で氾濫した際、淡水でも生息可能な同種が池に流れついて棲(す)みついたとのこと。このゴルフ場はサメが名物となり、大繁盛しているらしい(笑)

■サメビア No.08 ホホジロザメの3倍! 大昔の超巨大ザメ! ホホジロザメは最大でも全長6mほどだが、約200万年前まで全長18mにも及ぶメガロドン(和名「ムカシオオホホジロザメ」)なる超巨大ザメが存在! 実は1万2000年前にもまだ生き残っていたという説もあり、サメマニアの中には今現在もどこかに生息しているのではと夢見ている人もいるとか

■サメビア No.09 常に歯は新品! 計3万本生える種も! 替わりの歯が生えてこない人間と違い、サメはいつでも新品の歯で狩りができるように、次々と新しい歯が生えてくるのだ! しかも歯茎自体が外側方向にゆっくりと移動し、古い歯が次々と押し出されていき、新しい歯と替わっていくそう。生涯に約3万本も歯が生え替わる種もいるという!

ジョーズ出没はアプリで検索する時代に

■サメビア No.10 数km先の音、一滴の血のにおいを探知可能! サメは獲物を狩るため、非常に感覚器官が発達しており、数㎞先を泳ぐ獲物の音が聞こえ、おいしそうな音(獲物)かどうかを聞き分ける聴覚を持つ種も。また、ずば抜けた嗅覚を持つ種もおり、仮に25mプールに一滴の血を垂らすだけでもそのにおいの所在を嗅ぎ分けられるほどだとか!

■サメビア No.11 アプリでジョーズザメの強襲情報がわかる! 映画『ジョーズ』のモデルとなったホホジロザメの動向が、リアルタイムでわかるアプリがある! 「ExpeditionWhite Shark」(対応:iOS)はホホジロザメにつけられたタグによって位置情報を追跡し、どの個体がいつ、どこで人間を襲ったかなどがわかるようになっているぞ!

■サメビア No.12 人食いザメは人間を食べる気は毛頭ない!? サメ映画の影響で勘違いしがちだが、そもそも地上に住む人間をサメは餌として認識していない。ではなぜ人を襲うのかというと、水面でボードから手足を出しているサーファーなどが、水中から見るとサメが捕食しているアザラシやウミガメに見えるため、勘違いして襲っているという説が濃厚だ

(取材・文/昌谷大介、東 賢志[A4studio] 取材協力/京急油壺マリンパーク水族館、沼口麻子)