“化けトン”(お化けトンネル)の中でも群を抜くヤバさ、全国で一、二を争う心霊スポットとされる犬鳴峠

この夏、「怖くても行ってみたい!」とされるスピリチュアルなエリアを東日本編、西日本編で紹介。有名すぎる伝説の場所から知る人ぞ知る穴場まで、新旧有名スポットを厳選してきたが、今回は特別編として、怪談サークル会長&オカルト探訪マガジン編集長の吉田悠軌氏と、心霊エリアを過激に訪問し『新耳袋 殴り込み』の著作もあるギンティ小林氏による決定版だ!

◆吉田さんセレクト

■岩手 松尾鉱山跡 八幡平市かつての団地や学校などがそのまま残されている巨大な廃墟地帯。怪奇現象がよく起きるとされている場所は学校の2階。すべての窓が板でふさがれていて風が通らないのに、「窓の開閉する音が聞こえる」のだという。また、学校の脇の体育館は鉱山事故の遺体安置所として使われていたそう。「日本廃墟界・東の横綱というだけでなく、UFOの目撃談や心霊の体験談も多数ある最恐スポットですね」(吉田さん)

松尾鉱山跡

■岡山 育霊神社 新見市哲西町わら人形に五寸釘を打ちつける「丑(うし)の刻参り」を行なう者が夜な夜なやって来るといわれている神社。杉の木には釘を打った跡と思われる大きな穴が開いており、人々の怨念が感じられる……。この神社の宮司さんはみんなの心の闇が晴れるように毎年、神社に残されたわら人形の呪いを解く作業をしているのだそう。

■福岡 犬鳴峠 宮若市糟屋郡久山町吉田さんが「全国にある"化けトン"(お化けトンネル)の中でも見た目の不気味さは群を抜いている」と語る、全国で一、二を争う心霊スポット。昔から心霊スポットとして有名だったが、昭和63年にはリンチ殺人事件の現場となり、心霊マニアの間でも"本当にヤバイ"スポットとして知られるようになった。トンネル入り口には「この先、日本国憲法通じません」という看板があったという噂も……!!

著書『ホラースポット探訪ナビ』(学研パブリッシング)では約160ものスポットを紹介、いまだ見たことのない「霊を見たい!」一心で全国各地を巡る吉田氏

一帯のホテルすべてが心霊の出る温泉街

新刊『新耳袋 殴り込み 第三夜』(角川ホラー文庫)が発売中。ラップ現象の起こる場所でラップを歌うなど霊を挑発し出てきてもらうのが自分のスタイルという“過激な仕掛け人”ギンティ氏

◆ギンティさんセレクト

■青森 N温泉 河東郡上士幌町ギンティ小林さんが「この地域一帯が"出る"といわれています」と語る温泉街。ツアーコンダクターの間でも有名な心霊スポットで、どこのホテルにも幽霊が出没するのだとか。とあるホテルでは「遅い時間にひとりで入浴しないでください」と注意されることも……。かつてこの地の開拓工事の際に、囚人など多くの人間が過酷な労働を強制された。多くの犠牲者が出ている歴史から、"怨念が渦巻く地"として地元民に恐れられているらしい。

■東京 道了堂(どうりょうどう)跡 八王子市鑓水。大塚山公園内かつてはこの場所に、道を行き交う人や村人の安全を祈って、道了尊を祀(まつ)ったお堂があったそう。お堂の堂主であった老婆が殺害されたり、某大学の教授が不倫関係にあった教え子を殺害し、遺体を道了堂跡近辺に遺棄する事件が起きたといわれている。それらの影響からか、老婆のすすり泣く声や、霊の姿がたびたび目撃されるのだとか。

■大阪 首吊り廃墟 大阪市恵美須東火事で全焼したまま取り残されているビルの廃墟。3度もここで遺体が発見されたり、無数の靴が吊るされてあったりと、地元の人も近寄るのをいやがるほどの不気味な場所として知られている。「私の知人がここを訪れたときに、天井から吊るされた等身大の人形を発見したんです……。後日、それが遺体だったってわかったんですけどね」(ギンティ小林さん)

首吊り廃墟

ふたりの一致した最恐スポットは……

■沖縄 中城(なかぐす)高原ホテル廃墟 中頭郡中城村建設途中で放置されたままの廃ホテル。"聖域"であるこの場所を侵してホテルを建てようとしたため、建設途中に事故が続出したとの噂もある。ほかにも、「プールの排水溝に線香と塩を供えてボイスレコーダーを回すと、男の子の声が入る」「スーツを着た男が追いかけてくる」などさまざまな怪奇談が……。「このホテル廃墟の中には謎の巨石があるし、その近くを不思議な光が漂っているのを目撃しました……」(ギンティさん)

中城高原 ホテル廃墟

 

◆そして、吉田&ギンティがオススメする最恐スポットに決定したのは……!

■山梨 青木ヶ原樹海 南都留郡富士河口湖町"富士の樹海"とも呼ばれる、いわずと知れた自殺スポット。ネット上でも「日本一の心霊スポットはここだ」と主張する意見は少なくない。また、青木ヶ原樹海には自殺未遂者がひっそりと暮らす村が存在するという都市伝説もあるとか! 「神秘的なまでにきれいな空間。確かに死ぬときにここを選ぶ気持ちもわかります」(吉田さん)

青木ヶ原樹海

(取材/ショートカット 写真提供/吉田悠軌)