どんなに身だしなみに気を配っていても、ふと会話したときの口臭は“清潔感”をダウンさせてしまうもの。いつでも“息さわやか”で気持ちよく過ごすためにはどうすればいいのか?
五味クリニック院長の五味常明先生に、口臭予防対策についてうかがった。
■適度なおしゃべりでだ液を出そう
―歯磨きなどは普通にしているつもりですが、会話したときに「もしかして臭ってる…?」と不安になることがあります。
「現代人は誰もが口臭に神経質になりがちです。自分では気づきにくいだけに余計に不安になってしまいますよね。そこで、まずはこの方法でセルフチェックしてみましょう。紙袋やコップを用意し、その口部分に自分の鼻と口をピッタリ当てて、口から息を吐いて鼻で吸う。これを繰り返します。その袋やコップのニオイが自分の口臭です」
―なるほど。これがひとつの目安になりますね。日常生活で特に口臭がしやすいのは、どういうときでしょうか?
「まずは、だ液の分泌が不足しているときです。例えば口が乾燥している寝起きは、誰でも少なからず口臭を感じるでしょう。また、空腹時や緊張・ストレスを感じたときも、だ液の分泌が不足し口臭がしやすくなります」
―確かに寝起きはわかりやすいです…。なぜ、だ液が足りないとニオイがするんですか?
「だ液に含まれるリゾチームという酵素に、細菌を殺す働きがあるからです。その分泌が低下すると雑菌が口内に繁殖しやすくなり、ニオイの元となります。ですから、口臭予防のためには口や舌をよく動かしてだ液を出すことがとても大事。適度なおしゃべりが、だ液の分泌促進とストレス解消の両方に効果的なんです」
緑茶を飲むのも効果的!
―口臭が気になるからと黙っていると、ますますだ液が出なくなって逆効果ということですね?
「そうですね。もし会話に抵抗があるなら、だ液を分泌するエクササイズ『パピプペポ体操』もオススメ。やり方は『パピプペポ、パピプペポ…』と繰り返し発声するだけ。これで、だ液を出すことができますよ」
―「パピプペポ、パピプペポ…」。あ、ホントにだ液が出てきました!
「また、オフィスなどでちょっと口臭が気になる…というときは緑茶を飲むのもいいでしょう。緑茶に含まれるカテキンは、強い抗菌作用で口の中の雑菌を退治し、体内でニオイ物質の生成に歯止めをかける働きがあります。さらに、同じく緑茶に含まれるフラボノイドにも口臭予防効果が。お茶でうがいをするだけでも効果がありますよ」
―緑茶を飲むだけならカンタン! これでオフィスでも、息さわやかで仕事に集中できそうです!
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●五味常明(ごみ・つねあき) 五味クリニック院長、医学博士。 1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践する【http://www.gomiclinic.com/】