舌についた「舌苔」は口臭の強い原因に。やわらかい布や専用グッズで定期的にケアを

社会人の誰もが少なからず気にしている口臭。その日常的な予防策としては、おしゃべりなどで口を動かし「だ液」を出すことが大切だという。

さらに、口臭の大きな原因となる「口内環境」「食生活」について、五味クリニック院長の五味常明先生にうかがった。

―口臭の原因としては、だ液の不足のほかにも何かありますか?

「口内環境が不潔なときですね。虫歯歯周病はもちろん、食後の食べかすが付着したものが腐敗して歯垢歯石舌苔(ぜったい)になったときは危険。

特に舌についた白い苔状の『舌苔』は要注意です。これは口内の細菌や新陳代謝によりはがれ落ちた上皮細胞などが、舌の表面に付着したもの。口腔ケアを怠ったり、胃腸の調子が悪いときにはできやすくなります」

―たまに歯ブラシでこすったりしていますが、それでOKでしょうか?

「歯ブラシでゴシゴシこするのは、舌の表面にある味蕾(みらい)の機能を壊してしまう危険性があるのでNG。舌苔をとるには、ガーゼややわらかいハンカチを指に巻きつけ、舌の奥から3~4回ほど往復しながらやさしく舌の表面をこするといいでしょう。やりすぎはよくありませんが、少なくとも週1回程度は舌のクリーニングを行ないたいものです」

【口内を清潔にするお役立ちグッズ(1)

(左)「ののじ 舌クリーナー」(レーベン販売)歯科専門医との共同開発。ソフト素材で舌にやさしく、3枚プレードで舌苔がスッキリ取れる。600円+税 (右)「水のいらない歯みがきシート」(素数)口の中をふくことで、歯の汚れや舌苔を除去し、口臭を予防できるマウスシート。20枚入り、500円+税

肉の食べすぎ、タバコ・酒・コーヒーはNG

―それから、ニンニクとかを食べた後も気になりますよね。あっ、焼肉食べてきたな…ってわかりますから。

「そうですね。ニンニク、ニラなどのニオイの強い食べ物を食べた後は、自分では気づかなくとも強い口臭がしている可能性があります。そのニオイを消すには、牛乳を飲むのがオススメ。牛乳は胃酸に反応して脂肪膜に変化し、ニンニクを包み込んでニオイを上がりにくくしてくれます」

―ほかに、食生活などで気をつけることは?

「朝食を抜いたり、食事のときあまり噛まないで食べる人、硬い食べ物が苦手であまり食べない人は、だ液の分泌が促進されないため口臭が強くなりがち。

また、肉などの酸性食品を多くとりすぎると、口や体内が酸性になってニオイの原因に。お酒タバココーヒーなども同様に口内環境を酸性にします。

ホウレンソウ、ニンジンなどの緑黄色野菜、ヒジキ、ワカメなどの海藻類、キノコ類、大豆、梅干などアルカリ性食品を適度にとるよう心がけましょう」

―口内のケアだけでなく、体内からも口臭を予防すれば安心ですね。

「最後に、口臭は胃腸や肝臓、腎臓などの機能低下や糖尿病などの内臓疾患が原因となることも。その場合は、口内清掃やマウススプレーなどで消すことはできません。早めに専門医に診てもらいましょう」

-口臭は健康のバロメーターでもあるんですね。日頃から気をつけたいと思います!

【口内を清潔にするお役立ちグッズ(2)】

(左)「オーラツーマウススプレー」(サンスター)ニオイの強い食事の後に便利なスプレー。有効成分l-メントール配合でニオイの原因菌を殺菌。6ミリリットル、250円+税 (右)「プロポリンス」(ピエラス)すすいで吐き出すと、お口の汚れが一目瞭然のマウスウオッシュ。ニオイや口内のネバツキを無くす効果も。12ミリリットル×6包入り、実勢価格 235円+税

●五味常明(ごみ・つねあき)五味クリニック院長、医学博士。1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践する【http://www.gomiclinic.com/】