トッピングやベース食材、味つけに至るまで、カスタマイズしながら自分好みの味を作ることができる「カスタムめし」を出す飲食店が急増中だという。
果たして、どこまで自分のこだわりの味を実現できるのか? 実際に「カスタムめし」人気店を訪れて、“俺だけのメニュー”にトライしてみた!
まずは、海鮮丼の「若狭家」上野店へ。全国に12店舗を展開する海鮮丼専門店の東京1号店。16種類のトッピングを自由に組み合わせる海鮮丼が大人気で、なかでも、うに、いくら、ねぎとろ丼(1320円)が7年連続人気No.1メニューだとか。
●若狭家(わかさや) 上野店 東京都台東区上野4-6-7白鳥舎ビル TEL 03-5812-1252
トッピングで食べる東京豚骨ラーメン!
お次は、全国に7店舗展開する東京豚骨ラーメン店「自分仕立てラーメン 康竜」新宿東口店。こちらも、たくさんの選択肢の中から考えに考えて自分好みの味を作れる。麺の硬さ、味の濃さ、油加減、ネギ、旨味辛だれ、チャーシューの有無に加え、8種類のトッピングから4種類を選ぶ「自分仕立てラーメン」(820円)が一番人気。追加トッピングは100円。やはり、自分でカスタマイズした料理の出来上がりを前にする瞬間は楽しい!
●自分仕立てラーメン 康竜(こうりゅう)新宿東口店 東京都新宿区新宿3-22-3 TEL 03-5312-7727
高級食材をプラスしてたまには贅沢ちゃんぽん
こうしたカスタムオーダーに、調理過程をのぞく楽しさが加わったのが、「長崎ちゃんぽんリンガーハット」横浜港南台店の「myちゃんぽん」。全国560店舗を構えるリンガーハットの関東におけるモデル店だ。ベースになるちゃんぽんか皿うどんを選び、セルフサービスで棚からトッピングメニューをチョイス。会計を済ませ、それをオープンキッチンへ持っていくと調理してくれる。
記者がオーダーしたのはちゃんぽんのベースに、マイタケ、うずらの卵、あとズワイガニのトッピング。その後、ガラス越しのオープンキッチンで調理される光 景を見守る。約10分後にやってきたメニューは、カニの風味が漂うちょっと贅沢(ぜいたく)なちゃんぽん。値段は1290円だがボリュームもあり、大満足 だ。
●長崎ちゃんぽん リンガーハット 横浜港南台店 神奈川県横浜市港南区港南台7-46-1 TEL045-831-2319
オーダーにNGなしのスーパー回転すし
最後に行ったのは千葉・東京などに店舗を構える回転すしチェーン店「すし銚子丸」大井店。ここでは「より美味しく」宣言のもと、炙(あぶ)りなどの調理や、鯛醤油などのこだわり醤油や梅ソースを使った味つけなどのサービスをしてくれる。メニューがとにかく豊富で、メニューに載っていないオーダーも作ってもらえるなど、板前オーダーメイドのすし店だ。
そこで通常、軍艦巻で出しているウニのにぎりや、シャリを抜いたいくらの末広手巻などを注文。味のほうはもちろん美味! しかもオーダーしても料金は回転すし店価格なのがうれしい。
●すし銚子丸(ちょうしまる)大井店 東京都品川区東大井3-6-15 TEL 03-5753-2025
いずれも自分の好みの食材を、好みの調理で出してもらった100%の“完全自分メニュー”。それだけにひとつひとつのメニューがやたらと愛おしい。
果たして今後、こうしたシステムは外食業界で増えていくのだろうか。
「時代の流れとしては、増えていくのは確実だと思います。ここで紹介した店だけでなくスイーツや和食など、いろんなジャンルで広がっていくんじゃないでしょうか」(グルメ評論家・はんつ遠藤氏)
「確実に増えていくとは思いますが、無節操に進んでしまうとベースとなる味を見失い、おいしさも損なわれていくはず。まずはお店のオススメをしっかりと打ち出しながら、それを参考にカスタムできるようなシステムがつくられていくといいですね」(外食産業専門のニュースサイト『Food Watch Japan』・齋藤訓之編集長)
自分好みの味を出す店は現在もどんどん急増中。お気に入りの店を見つけ、100%お気に入りのメニューを求め、出かけてみたらどうだろうか?
(取材・文/大野智己 撮影/下城英悟 取材協力/釣本知子)