専用水で20分間頭をもみほぐすことで、汚れがとれ血流が促進。さらに育毛効果が!

健やかな髪を育てるために必要な頭皮ケア。毎日のシャンプーはその基本だが、さらに進んだケアとして取り入れたいのが、最近よく耳にする「ヘッドスパ」だ。

いったいどんなことをするのか、またその効果とは? 東京・恵比寿のヘアサロン「瞳工房(とうこうぼう)」の村上寿昭氏にうかがった。

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―最近、流行のヘッドスパですが、どんなことをするんでしょうか?

「ヘッドスパの目的は、大きく『頭皮のクレンジング』『頭皮マッサージ』そして『髪の修復』です。さっそく頭皮のチェックから始めてみましょう。うーん……。一見、髪も多いし心配なさそうに見えましたが、頭皮を拡大してみると実はけっこう痛んでますね」

―エッ!? どのへんが……ですか?

「健康な頭皮は、毛根のまわりにオアシスのような水たまりがあって、毛穴から毛髪が3~4本は生えているもの。でも、写真を見ると毛根のまわりがドライになって、毛穴からは1本しか毛髪が生えていません。髪も細くなっているのがわかります」

まずは頭皮の状態をチェック!

弱っている頭皮。赤丸で囲んだ部分は特にダメージが大きい。毛根のまわりが乾燥し、毛穴から毛髪が1本しか生えていない

―確かに……。1本の箇所がけっこうあります。

もし、この1本が抜けたら、ここは空き地になってしまいます。空き地が増えるということは……わかりますよね? この状態だと毛根は岩のように固まっていて、毛穴もふさがっているはず。改善しようと思っていくら育毛剤をつけても、頭皮にしみ込むことができないんです」

詰まった毛穴の汚れをクレンジング

―ぜんぜん大丈夫だと思っていただけに、ショックです。いったい、どうすれば?

「そんなときこそ、『ヘッドスパ』です。さっそく試してみましょう。当サロンの場合は、シャンプーの後、『パイウォーター』という専用の水を頭皮にシャワーしながら循環させ、20分間のマッサージを行ないます。

シャンプーよりもっと頭皮をつまむような、頭皮から脂を絞り出しているようなイメージでマッサージしていきます。これにより、シャンプーで落ちない皮脂や整髪剤などの汚れを浮かせて溶かし、詰まった毛穴をキレイにクレンジングします」

施術前の無色透明なパイウォーター。生体水に近い水といわれる

20分間、水を循環させながらひたすらマッサージしてもらう。とても気持ちいい!

「20分間マッサージを続けるうちに、だんだんと頭皮の脂や整髪剤などの汚れが白く浮き上がってきました。透明だったパイウォーターもこんなに白く濁っています。汚れがとれて頭皮がキレイになった証拠ですね」

浮き上がった汚れがヘッドスパの台に付着している

浮き上がった汚れで水がこんなに白濁した!

新陳代謝が促されて育毛効果も!

―なんだか、頭が軽くなってリフレッシュできた気がします!

「マッサージにより頭皮のツボが刺激され、固まった頭のコリがほぐれます。また血流が良くなり毛根も活性化することで、新陳代謝が促されて育毛効果も。毛根に穴が開いたので、こんどは育毛剤もしっかりと頭皮にしみこんでくれますよ。さらに、マッサージによるリフトアップや、眠気も疲れもとれてシャキッとします。

最後に、再び頭皮をチェックしてみましょう。頭皮の脂汚れがすっかりとれ、毛根のまわりにオアシスが復活しているのがわかりますね。サロンに行く1ヵ月半に1回程度、ヘッドスパをやってあげると、将来的に全然違ってくるでしょう。特に抜け毛や頭皮ダメージの気になる人はぜひ試してみてください。当サロンでも人気のメニューで、来ると必ずやってほしいといわれるお客様が多いですよ」

施術後。毛穴の汚れがとれ、オアシスが復活している!

―たいへん勉強になりました! 見た目にまだ髪が多いからと安心せずに、今から継続的に頭皮ケアをして「頭皮の畑」を健康に耕しておきたいと思います!

*瞳工房でのヘッドスパ料金は、1回3000円~4000円です

●村上寿昭(むらかみ・ひさあき)東京・恵比寿の美容室「瞳工房」店長。渋谷、原宿の大手サロンに8年勤続。29歳で渡仏し6年間、ヘアーメイクを学んだ後、2000年5月に瞳工房を立ち上げる。“再現性の高いヘアーを作る”をモットーに、ショートからロングまで次の日から形になるヘアースタイルを提案。【http://toukoubou.jp/】

(撮影/五十嵐和博)