サロンや理髪店に行った日はカッコよく決まるけれど、家でそのスタイルを再現しようとしても、なかなかうまくいかないもの。素人でも簡単にカッコよくなれるスタイリング法はないものだろうか?
東京・恵比寿のヘアサロン「瞳工房(とうこうぼう)」の村上寿昭氏に、プロの技を伝授してもらった。
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―簡単にカッコよくなれるスタイリング術を教えてください!
「カッコよく見えるスタイルの基本は、トップにボリュームを出し、サイドのボリュームをおさえること。髪はトップから薄くなってサイドに残るのが普通なので、そのバランスだと老けてみえますよね? 逆にトップのボリュームが5ミリ増えると、5歳は若返って見えるんです」
―トップにボリュームですね。具体的にはどうすれば?
「スタイリングはシャンプー後のドライヤーから始まっています。まず頭を下げて、ドライヤーを下から当てるのがポイント。こうすれば髪の根元が上向きになり、自然にトップにボリュームが出ます。寝ている髪を後から立てるのは難しいので、こうしてドライ時にベースを作るのが大切。立てた髪を後から寝かせるのは簡単ですから」
―なるほど! これだけでかなりボリューム感が出ました。
「ハリネズミみたいに髪を立ち上げたら、こんどはサイドのボリュームをおさえていきます。髪を流したい方向に、ハンドアイロンのように手でおさえながら熱風を当て、さらにドライヤーを外して熱が冷めるまで手でおさえます。熱が冷める瞬間に形が決まるので、ボリュームが出やすい人は手が熱くなるギリギリまで熱風を当てるといいでしょう。このように、風と熱だけで基本的な髪の流れを作ることができます」
スタイリング剤でバランスを整えよう
―手をアイロンのように使って、ベースの流れを作るんですね。
「ドライヤーを活用することでスタイリング剤の量を減らし、頭皮の負担を軽くするというメリットも。ワックスは指1本でとり、親指以外の各指にちょんちょんとつけていきます」
「そして、ボリュームがほしいトップの髪を片手でめくって、根元につけます。そのまま前方に立ち上げながら、毛先をつまんで毛束感を出していきましょう。この毛束感も若々しさを出すためのポイントです」
「最後に手に残ったワックスで、えりあしやもみあげを整え、全体のバランスを調整。ワックスを地肌につけないように気をつけましょう」
―おお、なんだかキリッと男前になれた気がします! このやり方をマスターすれば、毎日のスタイリングがラクになりそうです。ありがとうございました!
●村上寿昭(むらかみ・ひさあき) 東京・恵比寿の美容室「瞳工房」店長。渋谷、原宿の大手サロンに8年勤続。29歳で渡仏し6年間、ヘアーメイクを学んだ後、2000年5月に瞳工房を立ち上げる。“再現性の高いヘアーを作る”をモットーに、ショートからロングまで次の日から形になるヘアースタイルを提案。【http://toukoubou.jp/】
(撮影/五十嵐和博)