ずっと「軽唯一のスポーツカー」という孤高の存在であり続けてきたダイハツ・コペンローブが、12年ぶりにフルモデルチェンジ ずっと「軽唯一のスポーツカー」という孤高の存在であり続けてきたダイハツ・コペンローブが、12年ぶりにフルモデルチェンジ

軽自動車は時代を映す鏡だーー。ダイハツ新型「コペン」登場、ホンダ「S660」の発売を控え、今また軽スポーツバトルが勃発寸前!

軽スポーツの変遷を見ていくと、最初はクルマに乗るだけでうれしくて、次はちょっと速く走りたくなり、さらには上から目線の白ナンバー車をブチ抜きたくなって……と、プライドと欲がどんどん高まっていく様子が手に取るようにわかる。

90年代にそれは究極まで行き着いて、ついにはバブル崩壊。その後はすっかり冷めちゃって……と、軽スポーツ史はオトコひとりの人生のようでもある。

それはともかく、今、軽スポーツが復活の兆候なのは、ダウンサイザーが定着して小金持ちも普通に軽を買うようになり、昔鳴らしたオッサンたちが「シャレで買える遊びグルマはないか?」と物色しはじめたのも大きいだろう。

でも、オッサンのものだけにしておくのはもったいない。今年から来年にかけて、ダイハツvsホンダの軽スポーツバトル再燃は必至。バトルが盛り上がれば、少なくともスズキは黙っていられなくなるはず。

スイフトのデキを見ればわかるように、スズキの技術者にも、実はスポーツカー好きは多い。スズキさぁーん、まさかシカトはないですよねぇ!?

というわけで、ワゴンタイプや低燃費が注目される一方で、盛り上がりをみせる軽の本格スポーツカー。歴史を彩った名車を今こそ振り返ってみよう!

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【国民車構想によって各メーカーが軽を販売 1960年代 軽自動車(以下、軽)とはそもそも、戦後ニッポンに自家用車を普及させるべく、政府が打ち出した「国民車構想」が始まり。それを受けて各社が軽に乗り出すも、最初に大ヒットして街にあふれたのはスバル360だった。

■68年 スバル360 ヤングSS 当初はひとり勝ちのスバルも、60年代後半は販売が急降下。最後のテコ入れで登場したのが「ヤングSS」。命名センスがステキ(笑)。エンジン出力は初期の2倍(!)の36馬力

 68年 スバル360 ヤングSS 68年 スバル360 ヤングSS

百花繚乱! パワー競争時代に突入した1970年代

【百花繚乱! パワー競争時代に突入! 1970年代 スバル、ホンダ、スズキ、ダイハツ、三菱が出そろって、軽販売競争が激化。パワー競争に突入。エンジンは2ストに4スト、水冷に空冷、駆動方式もFF、FR、RR……と、各社の個性入り乱れてバトった百花繚乱の時代だ。

■70年 スバルR-2 SS R2は360の後継車。スバルの軽は80年代までリヤエンジンだった。これは360のヤングSSに続くスポーツモデルだが、「ヤング」という言葉を省略したところに成長を感じる?

 70年 スバルR-2 SS 70年 スバルR-2 SS

■70年 ホンダZ 普通の軽に高出力エンジンを積むのが主流だった軽スポーツの世界に、突如として専用クーペボディをまとってデビュー。「水中メガネ」と呼ばれたリヤウインドーは開閉できる

 70年 ホンダZ 70年 ホンダZ

■71年 三菱ミニカスキッパー 軽の世界は当時からスピードが速い。ホンダZの翌年には、三菱も速攻でライバル車を投入。当時の主力だったミニカをベースに、兄貴分のギャランGTOの縮小版的スタイル

 71年 三菱ミニカスキッパー 71年 三菱ミニカスキッパー

■71年 スズキフロンテクーペ ミニカスキッパーと同じ年にスズキもフロンテクーペを投入。たった1年でホンダZ包囲網が完成。低いボディと高出力2ストエンジンで走りの評価も高く、走り屋御用達に

 71年 スズキフロンテクーペ 71年 スズキフロンテクーペ

■77年 スズキセルボ 70年代前半の排ガス規制でいったん休止したフロンテクーペを、軽新規格550㏄+ワイドボディで再登場させたのがセルボ。定評のデザインの元ネタは、イタリアのジウジアーロ

 77年 スズキセルボ 77年 スズキセルボ

ターボの進化でパワー競争が激化した1980年代の軽スポーツ

【ターボ技術の進化でパワー競争激化! 1980年代 1980年代はボンネットバン全盛期。商用車登録の税金が安いのを突いて、軽はこぞって、ほぼ乗用車なのに4ナンバー(商用モデル)……という形態に。そうした軽をボンバンと呼んだ。一方で、ターボの進化でパワー競争がさらに激化。

■85年 ダイハツミラTR-XX この頃はすでにラリー界はターボ4WD時代。84年のスズキ・アルトターボ(44馬力)に対抗してダイハツが放った刺客は52馬力。これで軽スポーツは一気にタガが外れる!

 85年 ダイハツミラTR-XX 85年 ダイハツミラTR-XX

■87年 スズキアルトワークス ダイハツに抜かれてスズキは完全にブチキレ! 翌年に64馬力(!)を豪語するモンスター軽を投入。過熱する競争に、軽の64馬力規制が生まれるきっかけとなったクルマ

 87年 スズキアルトワークス 87年 スズキアルトワークス

■88年 スズキアルトワークス アルトが88年にフルチェンジしたことで初代アルトワークス(上)は短命に終わり、この次期型では専用デザインを施した。全日本ラリーで無敵を誇った名マシン

 88年 スズキアルトワークス 88年 スズキアルトワークス

■88年 スバルレックスコンビスーパーチャージャーVX スズキとダイハツのパワー競争に遅れて参戦したのがスバル。エンジンは4気筒、四輪独立サス……と、ひとり超贅沢なメカニズムだったのが、技術屋スバルらしいところ

 88年 スバルレックスコンビスーパーチャージャーVX 88年 スバルレックスコンビスーパーチャージャーVX

■89年 三菱ミニカダンガン パワー競争に最後に参戦してきたのは三菱。ミニカを64馬力とフルタイム4WDで武装。「ダンガン」というネーミングも衝撃(笑)。シツコイようだが、これも4ナンバーだ

 89年 三菱ミニカダンガン 89年 三菱ミニカダンガン

(文/佐野弘宗 写真/岡倉禎志[コペン ローブ、ビート])

●【後編】では、1990年代から現在発売を予定している軽スポーツまでの歴代コレクションを掲載!