「いちいち出すのが面倒」「財布がふくれる」ーーそんな理由でポイントカードを持たない人は多い。だが、楽天が「Rポイントカード」で参入したことで新たな時代に突入!

しかし、すでにポイントカードは数多くあり、「結局、どれがお得なの?」と疑問に感じる人も少なくないだろう。そこで、大手ネットショッピングサイトと提携する主なポイントカード5種類(Rポイントカード、Ponta、Tカード、WAON、nanaco)をいくつかの視点から比較してみた。

まず、もっとも気になるのは、“ポイントの貯めやすさ”だ。

今のところ、リアル店舗で貯まるポイントは100円につき1ポイントが相場。となると、リアル店舗で大量にポイントを獲得するのは結構難しいことがわかる。やはり、ポイントをがっぽり稼ぐにはネットショッピングの利用が重要だ。

特に、出店数やサイト全体の使い勝手は大事な要素。ポイント還元率は店舗により違うので一概にいえないが、せっかく買い物をしようと思ったのに、商品がなかったり、見つかりにくかったりでは話にならない。

そこで、出店数を比較してみると、一番多いのは「Yahoo!ショッピング」で約7万8000店舗。そして、「楽天市場」が約4万1000店舗(楽天トラベルなどを含むと約13万店舗)、Pontaの「ポンパレモール」が約900店舗と続く。店舗数や品ぞろえの面では、Yahoo!ショッピングと提携している「Tポイント」に軍配が上がりそうだ。

しかし、実際に買い物をするときには「Yahoo!より楽天を使う」という人が多いのではないだろうか。これは、両者のスタート時期の違いに原因のひとつがありそう。

1997年スタートの楽天市場が早くから仮想ショッピングモール色を打ち出していたのに対し、2年後の1999年にスタートしたYahoo!ショッピングは、Yahoo!本体が検索サイトとしての認知度が高く、買い物をする場というイメージが浸透しなかった。

それが変わったのは、Tカードと提携し、出店料を無料にした昨年のこと。Yahoo!ショッピングは、まだこれからのサイトなのだ。

というわけで、現状では認知度が高く、使い勝手もいい楽天で買い物をするのがポイント大量獲得の近道といえそうだ。

エンタメ性に富んだ趣向で大量ポイントも!

ちなみに、nanacoのセブンネットショッピングは書籍やCD・DVDなどを扱うサイトのため、ほかの3つとは性格が若干異なる。セブン-イレブンでの店頭受け取りなら利用金額に関係なく送料が無料になる点などはほかにない強みだ。

また、共通ポイントはゲームやアンケートモニターなどショッピング以外でも獲得することができる。

各社を比較した印象では、PontaとTカードが複数のポイント獲得ゲームの提供やCM動画によるポイント進呈を行なっていたりと、あの手この手のエンタメ性に富んだサービスを重視しているように感じられる。

しかし実際は、ポイント獲得方法として“やれば少なくても確実に獲得できる”タイプと“やることで大量ポイントを獲得するチャンスがある”タイプがあることがわかった。

例えばゲームの場合、Tポイントはゲームをクリアした人の中から抽選で大量ポイントが進呈される仕組みで、何もしなければ獲得はゼロ。そのほか、WAONポイントが獲得できる「イオンスクエアスゴロク」でも、ポイントをゲットできるのは上位ゴール達成者のみ。

一方、“やれば少なくても確実に獲得できる”のがPontaのゲーム。こちらも参加者の中から抽選により大量ポイント進呈を行なっているが、参加すれば確実に1ポイントはゲットできる。そう考えると、コツコツ貯めたいゲーム好きにはPontaがオススメ。

また、ゲーム好きではないが“コツコツ貯めたい派”にはnanacoポイントが向きそう。ゲームなどのエンタメ系は提供していないが、ペットボトルをリサイクルしたり、セブン-イレブンなどに設置されている「セブン銀行」で特定の取引を行なえばポイントをゲットできる。

新規参入のためか、この手のサービスがまだ存在しないのが楽天スーパーポイント。それだけ、ほかでのポイント還元に自信があるのかもしれない。

これからますます盛り上がることが確実なポイントカード業界。ぜひ、消費者のお得になるサービスをこぞって考えてほしいものだ。

(取材・文/井出尚志、高山恵[リーゼント])

週刊プレイボーイ43号「楽天の参入でポイント新時代に突入!ホントに得する『5大ポイントカード』はどれだ?」より(本誌では、さらに比較メリットを詳しく紹介!)