みなさん、チョムリアップ!
ホーチミンから陸路で国境を越えやってきたのは、立憲君主制国家カンボジア。クメール語(カンボジア語)での正式名称は「プレアリアチアナーチャッカンプチア」っていうんだってさ。神龍(シェンロン)出てきそう!
国民の90%以上がクメール語を話し、仏教を信じるクメール人。英語はあまり通じないけど、みんな笑顔の振る舞いがとっても素敵で、“微笑みの国”タイを越えるほど。
カンボジアで旅人が目指す場所といえば、もちろん、アンコール遺跡群! 首都プノンペンから遺跡のあるシェムリアップまでの夜行バスはオンボロすぎてドン引きだったけど、世界遺産を見にいくときってやっぱり高揚しちゃうよね。さあ、気を取り直して、広大な遺跡郡をトゥクトゥクで散策しよう!
アンコール遺跡群は、9~15世紀に繁栄したクメール王朝の首都の跡。大きなものだけで60もの遺跡が点在し、特に人気なのが「アンコール・ワット」と「アンコール・トム」だ。
まずは、おもしろコワい顔でお出迎えの「アンコール・トム」の門をくぐり、中心にある“美しい塔”「バイヨン」へ。
青い空をバックにドドーンとそびえる姿は、まだ見ぬアンコール・ワットにも負けないんではないかという迫力。見上げると、観世音菩薩が四方から微笑んでいる。門にいた像とは違う優しい“クメールの微笑み”にすっかり私の心は開かれたのか、この壮大な遺跡でアジア編初のキス!? そのお相手は……。
『トゥームレイダー』や『天空の城ラピュタ』の世界!
観世音菩薩様でした! 南米編ではリオのカーニバルで浮かれたブラジル人にキスされ、チリではチリ屋のオジサンにキスされ、そしてアジア初のお相手は尊いこのお方! 決して私、キス魔じゃないよ! みんなが菩薩様とキスするために並んでたんだから!
お次は、アンジェリーナ・ジョリー主演の映画『トゥームレイダー』のロケ地「タ・プローム」へ。ガジュマルによる浸食は、遺跡を破壊しているのか、それとも遺跡を支えているのか議論を呼んでいるらしい。
それにしても遺跡の中での撮影許しちゃうなんて寛大だなー。ゴロゴロと崩れた遺跡の上を歩くと、まるで映画の世界のアンジーになったような錯覚に。こんなふうに、世界の映画ロケ地を体感できるのも旅の楽しみのひとつなのです!
さあ、お待たせしました! いよいよ「アンコール・ワット」です! 東西1.4km、南北1.3kmの濠(ほり)に囲まれた世界最大級の石の寺院は、それはもう圧倒的な存在感。そして観光客もワンサカ。クメール建築でできたとうもろこし頭に、どこか「サグラダ・ファミリア」を連想しちゃうのは私だけ?
聖池に映るアンコール・ワットの鏡張りは、その建築の上下対象の美しさに惚れ惚れしました!
「キムチ!」と私を呼び止めたのは?
シェムリアップは遺跡だけに留まらず、パブストリートという名の夜の繁華街も楽しい~♪
なんてったってビールがUS50セントだもん(約50円)。そりゃあ、袈裟を着たお坊さんたちだって夜遊びしたいよねー(笑)。あ、ちなみにカンボジアのお金はリエルという、これまた難しい通貨ですが、観光地のここではアメリカドルが使えちゃうから楽。ドルが使えるって、なんか南米のエクアドル思い出すなー。
すると突然、「キムチ!」と呼び止められた。韓国人に間違われたかなと思ったらマッサージ屋の勧誘。どうやら「気持ちいい!」のことだったらしい。1時間6ドルほどの“キムチいい”マッサージは、遺跡歩きで疲れた足を癒してくれる。なんでもフランス人経営が多いらしく、これまたオシャレなお店ばかり!
これまではボッタクリに警戒して避けてたトゥクトゥクにも、この国ですっかり慣れた。夜遅くなっても、1ドルで宿まで行ってくれるから安心。「アジノモト!」と勧誘してくるおもしろドライバーのに乗って帰ろっと。
カンボジア、観光と遊びがコンパクトにまとまってて旅人にはサイコーです! ランドリーに出した洗濯物が半乾きで返ってきたのは悲しかったけど……(笑)。
そしてこんなに楽しいカンボジアですが、ベトナム戦争やポル・ポト政権の内戦時に埋められた地雷は未だにあって、日々撤去作業が続けられています。私たちも、書き損じのハガキや未使用テレカで、地雷撤去や被害者救済に援助ができる。カンボジアの不安がなくなる日がきますように。
【This week's Blue】 アンコール・ワットの日の出前の鏡張りは神秘的。少し曇りだったからこそのこの青い日の出。太陽が出てる時よりもムードがあるかも。 ●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。【http://ameblo.jp/marysha/】Twitter【marysha98】