サバイディー! “タイの京都”チェンマイから超狭~いバスで22時間、“ラオスの京都”ルアンパバーンにやってきました。
“東南アジアの桃源郷”ラオスのルアンパバーンは、80もの古い寺院が建つ、街全体が世界遺産の古都。数時間もあれば周れちゃうくらい小さいけど、不思議と心をつかまれる落ち着く街なんです。
ここの名物は大規模な僧の「托鉢(たくはつ)」。托鉢とは仏教などで生活に必要な最低限の食糧などを乞い、信者に功徳を積ませるという修行。最低限なもので日々暮らすというと、旅人にも共通すると思うんだけど……、僧の修行と一緒にしたら怒られちゃうかな(笑)。
早朝5:30。まだ暗闇の中、信者は道路で僧を待ち構える。地元のおばちゃんが僧に喜捨(きしゃ)する食料の入った托鉢セット30000キップ(約420円)を売りにくるが、観光客相手の商売だし、使いまわしの食料で僧がお腹を壊すこともあったそうなので、私は見学に徹することにした。
辺りが静かにザワめくと、もう僧は目の前に。裸足なのに歩くスピードは意外と速く、数十人の僧の団体が何組もやってきてはどんどん過ぎ去っていく。
托鉢の音と観光客のシャッター音だけの静寂の中、無表情というよりも無愛想な顔でごはんをもらった僧たちは、お経を唱えると足早に寺に帰って行った。
「もう終わり?(笑)」。あっという間の托鉢だったけど「やっぱり明日も早起きして、もう一度見たい!」と思わせる異国情緒あふれる光景でした(結局、翌日は起きれなかったけど 苦笑)。
元僧の意外な素顔にあぜん
僧への敬意から、旅行者たちは常に僧と一定の距離を置いている。だからなかなか直に接する機会はないんだけど……今回、話を聞けちゃいました! 元僧に!
旅友がツアーで一緒になったという、これまた旅中の元僧はラオス人で現在、市役所会計士。名前はソー君とでもしておきましょう。年齢は23~27歳だそうだけど、なぜか正確には教えてくれない。
「寺で勉強したからね」とラオス語のほかに英語と日本語も少し話す。東南アジアに来てから僧にはずっとミステリアスさを感じていてなんとか話を聞きたいと思っていたら、まさかのチャンス。
まずはマジメに托鉢の話を聞くと、「ごはんは朝だけで12時以降は食べない」とのこと。「そんなちょっとしか食べないのに太ってる僧がいるのはなんで?」とつっこむと、「ダメダメ~」と手を振って苦笑い。こりゃあ、12時以降も食べてる僧がいるっぽいな。
13~23歳まで思春期10年を寺で過ごしたというソー君。「僧は女性に触ってはいけないし、触られてもいけないって本当?」とシリアスに聞いたら、「今はオッケ~!」と、とってもうれしそうに隣の女のコの肩に両手を添えて寄り添った(笑)。
わー、この人、めっちゃチャラい(笑)! 元僧だった彼に少しだけ抱いてた敬意の念はぶっ飛んだ。
「お酒は?」 「今はオッケ~!」 「夜遊びは?」 「オッケ~!」
ローラかと思うくらいのオッケ~節で、今の生活を思いっきり楽しんでいる模様。なんかこのテンション、南米で会った兵役を終えたイスラエル人たちの解放感に似てる。いや、それ以上か。
ソー君は調子に乗りすぎたと思ったのか、まさかの自分ツッコミで「俺、寺、帰れ!」と笑っていた。
ちなみに好きな女性のタイプは「優しくて親切。家族にも」だってさ。トリリンガルだし、会計士だし、笑いのセンスもまあまあなラオス人。地元ラオスで洞窟にガイドされ、70000キップ(約1000円)のボッタクリにあっちゃう憎めない元僧でした。
「トゥクトゥク? ウォーターフォール? …マリワナ?」
ラオスの少年は一生の内に何年か出家を経験する文化があって、観光客の集まるルアンパバーンでは英語も必要なので、教育を受ける意味でも僧になっておくと良いのだそう。
それにしても勉強だけでなく、禁欲も10年続けることができたソー君はもともとはマジメなコだったんだろうなー。今その反動がきてるけど(笑)。
そして彼らがその成果をいかして働く、ラオスのツアー会社やカフェ、ナイトマーケット。メインストリートにズラっと並ぶ夜店はこれまたルアンパバーンの名物で、夕方になると一斉に店開きする。
アジアではおみやげ屋との値段交渉も旅の醍醐味なんだけど、ラオスの人々は商売っ気がないというか、初めからディスカウントしてくれたり、強引な客引きもボッタクリもほぼない。
インドやタイから流れてきた旅人が口々に「落ち着く~。ラオスは何もないけどいい所」と言うのも納得。買い物が楽にできるのはストレスがなくていいね!
食もラオス風うどんのカオピヤックセンや、ベトナムと同じくサンドイッチ屋さんがいっぱいで困らない。ビュッフェ形式の屋台では、久々に野菜をいっぱい食べられて助かった! 栄養補給!
さらに、クアンシーの滝も有名なここでは、こんな声もかけられます。
「トゥクトゥク? 滝、ウォーターフォール? …(小声で)マリワナ?」
まさか僧の街でマリファナすすめられるとは思わなかったよ!
街とのギャップに笑っちゃったけど、もちろん「NO! マリファナ! YES! ウォーターフォール!」と言ってクアンシーの滝に打たれてきました。
もっと滞在したかったよ、ルアンパバーン! お気に入りに追加決定!
【This week's BLUE】 青テントから突然、昔の『ドラえもん』の曲が聞こえてきた! 懐かしい大山のぶ代さんの声と日本語につられて行くと、美男美女カップルを決めるべくイベントが催されていた。ラオス少女のポージングはなかなか堂々たるもの。
●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。【http://ameblo.jp/marysha/】Twitter【marysha98】