冬晴れの網代港で船を浮かべる週プレ釣り部は、珍しく全員快釣! ターゲットのアマダイも釣り上げ、他にも不気味な怪魚(アカグツ)の登場で船内は大盛り上がり。さらにメンバーのヒットは続く!
*** しばらくすると私にアタリ! 小気味良い引きは、これは間違いなくアマダイだろう! よしっ!これで6尾目だな、とほくそえんでいると、隣の常連さんも先ほどから竿先を曲げている。
おぉー、これはダブルヒットか。アマダイの活性高し! 同じ棚(水中の層)を探っていればたまにはある光景だ。こういうときは見ず知らずの他人でもほっこりする。隣り合う釣り人はライバルでもあるが、同じ釣り人。呉越同舟ではないが、こういうのは仲良くなるきっかけでもあるのだ。
「そっちもアタリですか?」「そ、そーみたいですね!」
ようやく上がってきた、おっ、やっぱり良型のアマダイだ! あれっ? 口からもう一本ハリスがでている?
よく見てみるとダブルヒットではなく“ダブルフッキング”!! なんと1尾のアマダイが私とお隣のエサを食べてしまっていたのだ。オキアミ1匹じゃ満足せず、2匹も食べるとは…。こんな状況、目の当たりにしたのは初めてだ。
とはいえ、釣れたのはアマダイ1匹、釣ったのはふたり。こんな場合、どうするのか。私のハリはアマダイの上あごにがっちりお手本どおり掛かっている。一方、お隣さんのハリは飲み込まれていた。少し心残りではあったが、より奥の方にハリがあるほうが先にアタったということでお隣さんに譲って差し上げました。判定は笑いながら収まったのでよかった、よかった!
思いがけないレア外道もGET!
みんなのクーラーに一つ二つ三つと獲物が増えていく。左舷艫(とも)のK氏のクーラーを覗(のぞ)くとなんと30cmオーバーのチダイ(レンコダイ、デコダイともいう)が2尾と中型アマダイ2尾。右舷の編集者もビギナーズラックが続き、ぽつぽつと数を重ねている。
船は何回か潮まわりを繰り返し粘っている。私が底近くで誘っていると、クンクンと明確なアタリがきた。ゆっくり竿を立ててスロットルを絞る。ウィーンウィーン! 竿先はお辞儀をしたまま何度も引き込まれている。今度はなんだろうか。この引きはサバかなぁ? まぁまぁの大きさがありそうだ。
潮が澄んでいるので海面下5mくらいから魚体がうっすら見えてきた。なんとなく白っぽいし、サバだと思うのだが、ただおかしいのはその引きだ。サバにしては引っ張られて糸が走らず、あまり重さを感じないのだ。
なんだろうかと目を凝(こ)らすと、アジだ! それもかなりデカい! 急いで船長に網を頼む。アジは口が弱いので玉網が必要なのだが、このサイズになればなおさらだ。あまり暴れないとはいえ、魚自体の重さがかかってハズれてしまったら元も子もない!
船長にすくってもらって、測ってみればなんと40センチオーバーの大アジ。丸々としていて旨そう。アマダイ狙いなので、外道といえば外道だが、このサイズはめったに釣れないので大満足だ!
この日のクーラーボックスは充実!
気をよくした私は、すぐさまエサを付けて、2尾目を狙い再投入。ほどなくアタリがあり、頭の中はアジのタタキとナメロウが浮かぶ。これで1~2品増えたな!などとほくそえんだが……あがったのはゴマサバでした。残念! この時、既に午前11時を回っていた。
「11時30分で上がります! あと15分頑張ってください」という声を聞いて、さぁあとひと息だと思うも、そんな都合良くは釣れず。それでも、それぞれ一日中ポツポツとアタリがあったので気持ちいい終わり方だった。
【釣果】 K氏:アマダイ中3、レンコダイ3、サバ多数、アカボラは食えないと思いリリース。 編集者:アマダイ中2、小1、レンコダイ小1、サバ多数、アカボラ3 私:アマダイ大1、中3、小2、大アジ1、サバ多数、アカボラ3
アマダイは、これから水温が下がり安定すればもっと釣果が伸びる。50cm級の大型も夢ではない。網代沖はゲストも多彩で飽きない。他の釣り物では、活きイワシを使ったヒラメ釣りや、今の時期は夜釣りのイカブリ(冷凍ヒイカ)乗り合いが人気だ。