新年への気持ちと共に毎年切り替えるカレンダー。なかでも、セクシー女優のヌードカレンダーは売れているという。
なぜ売れるのか? 素朴な疑問を胸に、その秘密をメーカーに直撃した!
■B2サイズのド迫力カレンダー!
ネットでちょいと検索すればカンタンに彼女たちを拝め、レンタル店に行けば200~300円でDVDを借りることができる時代に、なぜカレンダーが売れるのか。その秘密を探るべく、メーカーの担当者に話を聞いた。
まずは、小島みなみ、成瀬心美、Rio、紗倉まな、上原亜衣など10人の女優のカレンダーを発売するメーカー、ハゴロモの三本信明氏に聞いた。
「ウチでセクシー女優さんのカレンダーを扱い始めたのは5年前から。恵比寿マスカッツの活躍を見て『やってみよう』と」
インターネットが登場する以前からではなく、ネット上に裸もあふれている時代に扱い始めるとは、意外な話だ。
「カレンダーの市場は今、縮小傾向にあります。ですが、ヌードカレンダーは、人気の女優さんにお願いしてモデルをやっていただけたら採算ラインを確実に上回る。グラビアアイドルの場合、人気はあっても思ったほどカレンダーが売れず採算ラインを割ることもある。ですから、ヌードカレンダーは会社にとって優良商品なのです」
カレンダーには表紙と1・2月、3・4月、5・6月、7・8月、9・10月、11・12月と、最後の1枚の計8枚の写真しかない。価格も税込み2700円とセルDVD並みの価格だ。それがなぜ、売れ続けるのだろうか。
「やはり、写真一枚一枚の大きさが売れる要因のひとつではないでしょうか」
売りは迫力、発掘に日々グラビアを…
ハゴロモのカレンダーは、B2と呼ばれるサイズで、縦72.8cm、横51.5cm。
「週プレさんのグラビアでいうと、見開きサイズの4倍の大きさです。ですから、いわゆるバストアップの写真を使うと、女優さんの胸や顔が実物大以上のサイズになります。この迫力は、カレンダーにしか出せません。
しかも、プロのカメラマンが1000枚から2000枚撮影したもののなかから厳選し、1・2月はオーソドックスに、7・8月は浴衣姿で季節感を、胸ばかりでは単調になるので9・10月あたりにお尻を強調したショットを、などなど考えに考えて作っています」
では、現在、数千人いるといわれるAV女優、セクシー女優の中からどのようにしてカレンダーを出す女優を選ぶのか。
「女優さんを選ぶために、各雑誌のヌードグラビアを見まくっています。グラビアでたくさん登場する人をチェックして、所属事務所の方と交渉します」
続いて話を伺ったのは、安齋らら、JULIA、希志(きし)あいの、希美(のぞみ)まゆ、辻本杏など10人の女優のカレンダーを販売するトライエックスの福島大地氏。
「ウチはヌードカレンダーを20年ほどやっています。今年売れたのは安齋ららさん。わが社で『合格ライン』としている本数の2倍以上売れています」
写真の選び方、ハゴロモとは異なるこだわりがあるという。
「1000枚以上のカットから各シーンごとにベストショットを厳選し、さらにそこからバリエーションに富んだカットを選んでいます。カレンダーは長期間飾られるものなので、飾っていても飽きのこないカットを選ぶよう意識しています」
意外なアレがロングセラーで大ヒット
2015年版のカレンダーからは、仕様を変えたそうだ。
「これまでの半分のB3サイズ(51.5×36.4cm)にしました。2014年版まではB2サイズと大きかったので、商品はポスターのように丸めて出荷していました。丸まったカレンダーを飾る際、一度逆に巻いて戻す作業をしますが、失敗してカレンダーにシワが入ってしまうというユーザーの方の声が多かった。そこで、丸めずに出荷できるよう小さいサイズにしました」
それだと、カレンダーの魅力である“迫力”が失われる気もするが、ユーザー目線に立った細かい配慮で購入者の満足度を上げる新しい試みということだろう。そして、ハゴロモと同様に女優選びには苦労があるという。
「ウチはJULIAさんが3年目で、ほかの女優さんは今年が初。数多くの女優さんのなかから、ユーザーに求められている女のコにオファーしておりますが、移り変わりの激しい世界なので、グラビアタレントに比べて毎年カレンダーを出せる方は少ないですね」
そんななか、セクシー系カレンダーのロングセラーは意外な商品だった。
「ウチで毎年確実に売れる商品は、外国人のお尻を集めた『Bottoms』というカレンダー。使われている写真はすべてモノクロなのですが、これが安定して売れている。セクシーカレンダーでは毎年売り上げ1位か2位というヒット商品で、かれこれ5年以上発売しています。日本人にはない、プリッとしたヒップがいいんですよ!」
ネットでは表現できない迫力。プロのカメラマンが1000枚から2000枚を撮影、そこから厳選したベストショット。メーカー担当者が厳選する一流のモデルたち。これがユーザーの股間に響くから、ヌードカレンダーというアナログな商品は売れ続けているのだろう。
(取材・文/渡辺雅史[リーゼント])