いくらアベノミクスといわれても、「なんのご利益もない!」とお嘆きの人は多いはず。そんな時こそ知ってほしいのが、商品には“買い時”があるということ。このご時世に合わせ、世の中の仕組みを知れば安く買い物ができ、家計もグンと楽になる。

それぞれの業界に詳しい人々に話を聞いてみると、やはり、年度末で在庫放出となる3月は狙い目の商品が多いようだ。大阪・日本橋の現金卸問屋O専務が注目品を紹介する。

腕時計やな。アップルウォッチが発売される今年の春は、価格がバッティングする5万円以下の腕時計が激安で選び放題。『アップルには勝てない』と、この分野からの撤退も視野に入れて在庫を放出するメーカーが多いはずや」

スーパー関連も見逃せない。関西のスーパー業界で仕入れを担当するA統括部長が言う。

「3月は自動販売機のホットとアイスの入れ替え直前。通常130円のホット用缶コーヒーが、スーパーやディスカウントストアでは39円と7割引き。賞味期限が3ヵ月を切った商品は、8割引きの26円も狙えます!」

続いて、4月には軽自動車税が現行の1.5倍に値上がり。やはり購入するなら3月末なのか? 激安ハンター、じつはた☆くんだ氏が答える。

「焦ってはいけません。各メーカーは増税前の駆け込み需要に備えて増産し、各ディーラーに過酷な販売台数ノルマを課す。その数字を表向きクリアするため、ディーラーは目標未達成の車種をいったん自社登録し、“新古車”としてあらためて流通させるでしょう。

大手中古車販売店の店頭に、走行距離0kmの新古車が4月後半から並ぶはず。3月中に登録済みなので、税金も安い旧制度のままな上、新古車なら値引き額もディーラーの自由。ナビやオーディオなどのオプションも含め、実質10万円引きが交渉の目標ラインです」

10万円はデカい! 浮いたお金で何をしようか…。

「4月はパチンコ解禁となった新社会人への“まき餌”として、台の設定が甘い。ここで『やっぱりダメか』というイメージを与えてしまうと、新規顧客を逃してしまいますからね。つまり、この時期なら普段より勝てるチャンスがグンと上がるんです。レッツ・パチンコ!」(エンタメ系ライターB氏)

ジメジメした6月にお買い得な?

クルマを買って、パチンコで儲けて、5月に突入。前出のO専務、この時期は?

「昨年末、50万円以上の高級応接家具がかなり売れた。これは本当に儲かっている会社だけじゃなく、見栄や希望的観測で買ったアホな会社も多かったんや。こんな金の使い方する会社は、遅かれ早かれ飛んでしまうわな。

で、みんながゴールデンウィークで浮かれているこの頃が中小企業の夜逃げのピーク。それで、連休明けのリサイクルショップに新古品の高級応接セットやデザイン家具が並ぶわけやな」

そして、あっという間に6月。大手アパレルメーカーの豪腕マーケターD姉貴がアドバイスする。

「暑くてジメジメした梅雨に、長袖ワイシャツなんて何やっても売れない。だから底値は6月。それも、ブランド直営品の見切り品を狙うべきだね」

と、申しますと?

「オリジナルブランドは、仕入れ量の3割売れば販売店は元が取れる。一方、他社ブランド製品は仕入れマージンが発生するから4割5分が収益ラインなんだよね。だから、高品質なシャツを極限まで安く買いたいなら直営店に限る。すでに目標数字を達成できていれば、店長の裁量で見切り品にとんでもない激安価格をつけることも可能だから」(D姉貴)

なるほど。さらにはジメジメ暑いこの季節、ドーンとスタミナ注入しますか!

「一年で最も食中毒に敏感になるこの時期は、高級和牛バラ肉ですね。昨年までは各部位を切り分けるときに出る規格サイズ外のバラ肉も、まとめて単価の高い“成型肉ステーキ”として販売可能だったのですが、現在は衛生規制が強化され、店舗単位での加工が実質不可能。すべてバラ肉のまま、どんどん売り切らねばならず、必ず余剰気味になります。通常100g1000円の高級和牛が底値は8割引きの200円!」(前出・A統部)

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(取材/近兼拓史)

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