昨年4月、開業31年を迎えた「東京ディズニーランド」(以下、TDL)を擁する「東京ディズニーリゾート」の入園者数が6億人を突破。2001年に開業した「東京ディズニーシー」の入園者も含む数字だが、それでも単純計算をすると日本人ひとりが5回は足を運んでいることになる。

そんなテーマパークの王者TDLと比較したいのは、2001年に開園した大阪の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(以下、USJ)。こちらは2013年、入場者数が1億人を突破し、特にここ3年は入場者数が毎年100万人ずつ増加するという急成長を見せている。さらに2014年は総工費450億円を投資し、新エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」をオープン。こちらも連日大行列の大ヒットとなった。

王者TDLでも2014年、シンボル的存在の「シンデレラ城」でプロジェクションマッピングがスタート。とはいえ正直、USJのハリポタと比較すれば少々地味な試み…かと思いきや、2014年10月に「2017年から一部エリアの面積を2倍に拡張する」という計画を発表! 今後10年で5千億円を投じるそうで、その中にはあの『アナと雪の女王』の新アトラクションもできるという噂だ。

すさまじいTDLとUSJの拡大路線。昨年4月には増税に合わせて、どちらも入場料を値上げする強気運営を見せる点も共通しているが、特に入場者数がうなぎ登りのUSJは、毎年UPしてきたチケット代を今年も年始早々、1デイ・スタジオ・パスで7200円にするなど今月30日から3券種の価格を改定ーー。この路線は今後も続くのか?

「TDLもUSJもアトラクションの行列がいやになるくらい長くなり、客の不満を取り除く必要性があります。むしろ運営側は値上げにより行列を減らしたいくらいでしょう」

こう語るのは経済評論家の平野和之氏。確かにあまりに行列が長いと「そこまでして行きたくない」という層が出てくる可能性はあるだろう。ある意味、そんな上から目線ができるのもこのご時世、羨ましいかぎりだが…。

「現在の日本人が求めている現代アートや文化、芸術、癒やしといった空間、時間を提供できるスポットが現状、テーマパークしかないからだと思います」(平野氏)

ほかに追随するテーマパークが出てこないかぎり、TDLやUSJのためなら、いくら行列してもいい!という層は減ることがなさそうだ。

(取材/井出尚志、渡辺雅史、高山 恵[リーゼント] 鈴木晴美)