ミンガラバー! まだまだミャンマーです!
表面積43.5平方kmの広さを持つインレー湖は、仏教遺跡バガンに次ぐミャンマーの人気スポット。
ここにはずっと憧れていた首長(くびなが)族がいると聞いて、私は首を長~くして待ってました!!
バガンから夕方発のバスに乗ると、ミャンマーお得意の深夜3時着。ネムーイ。「夕方発~深夜着ではなく、夜発~早朝着にするという発想はないのだろうか?」。いつのまにか旅人の間ではこの会話があいさつになってきた(笑)。
そして、これまたお得意の入域料。「いちいち取るね(笑)!」これも定番のツッコミに。ミャンマーは入国ビザも高いのに、町ごとに入域料がかかるのはちょっと面倒。これから観光地として発展していくためには、移動や入域がもっとスムーズにできるようになればいいのに。
乗り合いタクシーで船着場まで行き、やっと小型ボートに乗り込んだ。マレーシア人の学生と同乗し、真っ暗な早朝の湖へ出発だ。
世界の各地でサンライズを見たきたけど、広~い湖の薄雲が明けていく風景はすごく幻想的で、こんな完璧な日の出を見たのは久々!
静寂の中、朝も早くから漁師は働く。インダー族名物の片足漕ぎを披露すると、近寄ってきて、「マネー…」とひと言。
こちらが沈黙を保つと、そのまま船は流され、去っていった。しつこくはないけど、一応言ってみるという控えめな(?)ミャンマー人のトライの精神は好きですね(笑)。
インレー湖にはインダー族の水上村があり、高床式住居や学校、郵便局、寺までもが湖上に存在している。ボートツアーはその中のシルバー屋、武器屋、葉巻工場、機織り屋や市場などを巡る。この中のどこかに首長のパダウン族がいるんだー! ワクワク!
素朴でかわいいミャンマー娘
工芸品工房ではお茶やクッキーでおもてなしをしてくれ、おみやげ屋も一応営業してくるけど、素朴でかわいらしいミャンマー女子が控えめに商品説明してくれる感じが好印象で、何か買っていきたいのはやまやまですが、あいにく欲しいものが見つからず。それより早くパダウン族が見たい!!
そして、ついに! 工芸品屋の奥で機織りをする首長族を発見! タイやミャンマーの山地に生息する首長族。ガイドブックや旅人ブログでもよく目にする、おかっぱ頭のおばちゃんがいたー!
そして若い女の子も、まだおばちゃんより短いけど、首には金のリングをつけている。その珍しい風貌に夢中になっていたけど、よく見ると顔もかわいらしい。
首を長くする理由は、トラに噛まれないよう防具としてとか、村からの逃亡を防ぐため、貞操の象徴、地位の象徴など諸説あるけれど、今は観光としても成り立っているので、やっぱり見た目がキレイなコが多い印象。
そして実際には首が長くなっているわけではなく、3~6kgもあるリングの重さのせいで肩が下がっているんだそう。外せば徐々に首は元に戻るんだって! またリングは24時間つけていて、「寝るときは金具が当たらないように、クルっと回して向きを変えるの」と言うけど、私から見たらリングを着けたまま寝ること自体がつらそう。
さて、首が長いほど美しいとされている首長族だけど、見慣れない私にとっては「仕事のためにエライなぁ」とか「珍しい少数民族の文化は素晴らしいなぁ」というのが第一印象で、それが“美”という感覚ではなかった。
日本人でも首がスっと長いのはキレイに見えるけど、長すぎると私たちの美意識とはかけ離れる。ブラジルだとお尻が大きいほどセクシーなコンテストがあったり、日本ではスリム美女が好まれたり、世界の美意識というのはつくづくバラバラなんだなぁ。
そして美の追求にはどこの国の女性もついつい行き過ぎちゃう傾向があるけど、どんな美しさもほどほどが大事だなと思います(笑)。
ミャンマー女子のひざ枕マッサージ
ところで、控えめでスッピンでもかわいいミャンマー女子を見ていたら、ヤンゴンのマッサージ店でのエピソードを思い出した。
現地で知り合ったミャンマー在住日本人M君が、「今日は疲れたからマッサージに寄って帰ろうっと」と言うので着いていくと、そこはKTVと呼ばれるカラオケスナックみたいな店の2階。看板もなく、怪しい雰囲気が漂う…。
マッサージ1時間3500チャト(約400円)の受付を済ますと、テレビが2台と布団数枚が敷かれた薄暗い小部屋に通され、綿のパジャマに着替えさせられた。なんかドキドキ……。
すると、ふすまが開きマッサージ女子が現れた! Tシャツジーパンスタイルの20歳くらいの女の子が布団の上に乗り込んでくる。そして、横になった私の足を掴むと、ツイスターゲームのようにいろんな角度に体を絡ませながらマッサージを始めた。イテテテ。痛い(笑)。
そんな感じの激しいマッサージから始まったが、しばらくすると頭を掴み、彼女の太ももに私を寝かし付け、優しいマッサージを始めた。
「このマッサージって普通のマッサージなの? 男の人用?」
私はずっと抱いてた疑問をやっとM君にぶつけると、彼は笑ってこう言った。「ミャンマーに長くひとりで住んでると、たまに寂しくてさ。こうやってちょっと癒やされにくるんだよ。数時間いて、いつも朝まで寝ちゃう」
あんまり答えにはなってないけど、こうやって太ももに寝てると子供の頃、お母さんに耳かきしてもらった時のことを思い出すような…。これは確かに癒やされるかも。
M君はビルマ語が少しできるので、なにやら女の子と楽しく会話を始めた。「かわいいね。デートしない?」「え! ウフフ。どうしよっかな~」。
彼の説明によると、「ミャンマーのコは素朴で幼いんだよ。こんな感じでからかいあっておしゃべりを楽しんだり。デートに誘っても門限があるから、18時までに帰らなきゃいけないとかね。以前、映画に誘ったら、お父さんが一緒に来たよ(笑)。しかも僕の隣に座ったのはお父さん。これにはまいったね(笑)」
えええ! デートに家族来ちゃうの!? ミャンマーでは正式に結婚するまでは、女性には門限があるのだそう。これはこれは、ロマンティックなデートまでにはエライ時間がかかりそうな…(笑)。
それにしても、私の担当のコは途中で飽きちゃったのか、延長を断ったからか、TVで韓流ドラマに夢中で手が止まり、やる気のないマッサージになってしまったのでした。
【This week’s BLUE】 雰囲気のあるシルバー工房。熱で銀を溶かして形を整えアクセサリーを作るのだ
●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。【http://ameblo.jp/marysha/】Twitter【marysha98】