高橋ジョージ・三船美佳夫妻のように、仲が良さそうにみえても突然切り出される「離婚」。無意識に「地雷」の導火線に火をつけてしまっているのは、男のほう? 

そこで、夫婦円満のために知っておくべきポイントを学ぼう。

■絶対決めておくべき大事な約束事とは?

実は、結婚後の「女性の地雷化」は知らず知らずのうちに男性側が引き起こしている可能性もある。

ここでは、(自分のほうの)火種を事前に潰(つぶ)しておくために、男性が心得ておくべき結婚の掟(おきて)をご紹介。教えてくれたのは、『結婚を後悔しない50のリスト』(ダイヤモンド社)の著者・大塚寿(ひさし)氏。

大塚「“夫婦間の重要なルール”を事前に決めることはイザコザを起こさないための大前提ですが、ルールを決める際にどうしても、もめることがあるでしょう。そんなときは自分に都合のいいアドバイスが書かれた結婚本や雑誌を見せながら、『こんなふうにルール決めたほうがいいらしいんだけど』と、あくまで一般的な意見であるかのように伝えるなど工夫が必要ですね」

また、“決めたルールを破らせないための工夫”も必要、と話すのは『家族はなぜうまくいかないのか』(祥伝社新書)の著者で慶應義塾大学・中島隆信教授。

中島「口約束だけでは、ルールを破ってしまう可能性が高いですよね。そこで私がオススメしたいのは、結婚生活の“大事な約束事”を多くの人の前で発表するという方法。例えば、結婚式の2次会など友人が集まっている場所で『お互いが幸せになるための約束』として宣言すると、お互いにルールを破りづらくなりますよ」

具体的には、どのようなルールを設けるべき?

ケンカ後に仲直りするためのルール

大塚「まず決めておくべきなのは“お金に関するルール”。『家計口座』とそれぞれの『趣味・貯蓄口座』を分けるようにしておきましょう。家計については共同で管理しながら節約していくべきですが、趣味に使うお金や貯金額まで教え合う必要はありません。夫婦の間でもプライバシーを守っておかなければ、お互いが息苦しくなってしまいますから」

他に決めておくべきルールは?

大塚「もうひとつ重要なのは、“ケンカ後に仲直りするためのルール”をつくっておくこと。一緒に生活していれば必ず不満な点が出てきますが、我慢しすぎるといずれ爆発するときが来てしまいます。だから言いたいことがあるときはケンカしてでもぶつけ合ったほうがいいんです。ただ、それを長引かせてはダメ。そこで大切になるのが『今日のケンカを明日に持ち越さない』など、ケンカを終わらせるルールになるわけです」

では実際、どのようなケースで夫婦のイザコザは起きやすいのか、日本離婚カウンセリング協会の竹内弥智子氏に聞いてみた。

竹内「相談にいらっしゃる女性の多くが『決定的な理由はないけど、日々の積み重ねで夫がいやになった』と口にします。ルールづくりも非常に大切ですが、このようなささいな不満にも注意を払うことが必要です」

その対策は可能?

竹内「ひと言で言うと、『日頃からのコミュニケーション』に尽きます。タオルの畳み方などささいな不満も、うまくコミュニケーションをはかれば解決はできるわけですから。

他に、家事や育児に対する『ありがとう』や、つらい思いをさせたときの『ごめんね』を忘れずに言うといった配慮はもちろん大切ですが、忘れてはいけないのは“妻への愛情表現”

奥さんはネガティブになると『家事や育児なんて女性なら誰でもできる。私じゃなくてもいいのでは…』と考えてしまいがちです。それよりも『ひとりの女性として魅力を感じている』ことをしっかりと伝えてあげましょう」

上から目線でNGな言動は?

恥ずかしくて、つい言わなくなってしまいそうだが…前出の大塚氏もこう語る。

大塚「夫からすれば、毎日一緒にいたら褒める箇所なんてない!と思うかもしれませんが、そこは観察力を鍛えましょう。奥さんの服装の変化、それがなければ部屋を歩き回ってでも小さな変化を探して褒め、『キミのことを気にかけている』アピールを忘れないように」

では逆に、NGな言動は?

大塚「顔立ちや奥さん側の家族に関する不満など“自分の力で変えようのない部分”への批判はタブー。さらに、『普通はこうだろ』という押しつけや『誰のおかげで!』という上から目線の発言も絶対NGですね」

最後に、争いは起こらないけど妻がどんどん“女”でなくなっていく…そんな事態への対策を中島氏が教えてくれた。

中島「結婚後に女性が“オバサン化”してしまうことがよく起きるのは、社会との関わりがなくなり、他人からの目を意識しなくなることが原因です。年に数回、会社の同僚などを自宅に招く機会をつくるだけで、奥さんの美意識は高まりますよ。ライバル心を燃やさせる意味で、男性だけでなく女性も一緒に招くと効果的でしょう」

妻を褒める、上から目線で発言しない…そんな日々の積み重ねで、ジョージさんも年下妻を失わずにすんだのかもしれない。

というわけで、以下、10のポイントをまとめてみよう。

夫婦円満にする10のポイント

1.ルールを決める際は自分に都合のいい本や雑誌を味方につける2.結婚生活における大きな約束事は多くの人の前で発表する3.「家計口座」と「趣味・貯蓄口座」は必ず分ける4.ささいな不満の多くは「コミュニケーション不足」から生じると心得よ5.妻や家の変化を常に探し、話題を見つけるように!6.家事や育児への感謝はもちろん、奥さんへの愛情表現をストレートに7.年に数回自宅に女性を招く機会をつくり、妻のオバサン化を防ぐ8.自分の力で変えようのない部分への批判は言わない9.絶対に怒るNGワードを知っておくこと10.ケンカ後に仲直りするためのルールを決めること

(取材/黄 孟志)