今、ビジネスホテルの朝食がかなり豪華でスゴいことに

出張や小旅行で何かとお世話になることの多いビジネスホテル。実は今、このビジホの朝食がかなり豪華でスゴいことになっているらしい。

サラリーマンの食事事情に詳しい定食評論家の今柊二(こんとうじ)氏はこう話す。

「ビジホの朝食戦争激化の背景には、ビジネスマンの出張事情があります。宿泊費の制約が厳しくなる昨今、それでも出張を充実させたいと安価で高クオリティの宿選びに注力するようになりました。

その選択基準として大浴場やVOD、部屋の広さなどの設備はもちろん、付加価値である朝食が重視されるようになり、ホテル側も力を入れるようになっているんです。

なかでも、アパホテルや東横インのように店舗数も多く知名度のあるチェーン以外のビジホが、他との差別化を図ろうと朝食に力を入れている印象がありますね」

では、実際にどんな朝食が提供されているのか。1年365日違うホテルに泊まり歩いているというホテル評論家の瀧澤信秋氏によると、近年は低廉型ホテルに多く見られた「無料朝食」ですら、かなり満足度の高いものに進化しているという。

これまでの「無料朝食」には、あらかじめ宿泊費に上乗せしてパンやコーヒーを出してるだけ、というイメージがあったが…?

「そう言う方も多くいますが、それは間違い。旧来と変わらない宿泊価格でクオリティの高い朝食が提供される時代になっています。ホテルルートインの朝食の品数には驚くと思いますよ!」(瀧澤氏)

そこで早速やってきたのは東陽町のルートイン。朝食会場に入ってビックリ! 定番のウインナーやオムレツはもちろん、ロールキャベツにハンバーグ、カレーまでもが食べ放題。

ホテル ルートイン 東京 東陽町

なかでも目を引いたのは、東京下町名物である「深川丼」。具もまったくケチることなくアサリや油揚げがたっぷり。これが無料とは…本当に驚き。しかも朝食会場が夜は居酒屋として営業している場所なので、ゆったりしているのもうれしい!

ホテル ルートイン 週プレイチオシの一品「深川丼」

地方単体ビジホの食べたい朝食

「すごいクオリティですよね。ほかに無料朝食でオススメなのはコンフォートホテル。もともとアメリカのホテル、コンフォートインで提供されていたアメリカンスタイルの朝食を日本風にアレンジ。おにぎりやいなりずしも食べ放題なのがうれしいです」(瀧澤氏)

コンフォートホテルチェーン

こちらはスクランブルエッグやソーセージ、シリアルなどのほかに日替わりのスープ2種類などが食べ放題。アメリカンな雰囲気がありながらも、おにぎりやいなりずしも置いてある。これだけそろって無料というから驚きだ。

コンフォートホテルチェーン 週プレイチオシの一品「朝ワッフル」

「コスパ面でいうと、さらに驚くビジホがありますよ。兵庫県姫路(ひめじ)市にあるホテルアベスト姫路。ここは和・洋のお総菜をそろえた朝食が無料なのはもちろん、カレーライスとミニサラダなどの夕食、お茶漬けの夜食まで全部無料なんです!」(瀧澤氏)

ホテルアベスト姫路

宿泊費だけで満腹になれるとはすごいシステム。ただし、ホテルの公式ホームページからの予約でのみ無料となるのでご注意を!

「そのほか、今頑張っていて個人的に応援したいのは地方単体のビジホです。なかでも朝食がスゴかったのは、岩手県紫波町(しわちょう)ようにあるオガールイン。地産地消の理念のもと、地元産の食材にこだわった手作りのおかずが全部無料。朝からあったかい気持ちになれましたね」

オガールイン

気になる、その内容を広報に聞いてみた。

「お米や野菜はすべて紫波町産にこだわっています。特にオススメは山盛りサラダ。野菜が甘くておいしいんです。そのほかにも手作りのから揚げや卵焼き、焼き魚など日替わりのおふくろの味を山盛り用意しています。

場所もJR盛岡駅と、いわて花巻空港のちょうど中間に位置する紫波中央駅前にありますので、意外と便利ですよ(笑)」

オガールイン 週プレイチオシの一品「紫波町産野菜の大盛りサラダ」

「無料朝食=安っぽい」というのは、もはや過去の話。わざわざ食べに行きたくなる朝食もこれからのビジホには増えていくだろう。

■週刊プレイボーイ8号「日本一のビジネスホテル朝食はココだ!」より