「アッサラームアライクム!(イスラム教徒ムスリムへのあいさつ)」
ハ~イ☆オッケ~! ウフフ♪ でおなじみのローラ、第2の故郷でもあるバングラデシュ。インド国境から近い、首都のダッカにやってきました!
国境ではインド側のイミグレで「こんなすぐインド出てバングラ行くなんて、インド嫌いなの?」と嫉妬(?)されたけど、そうじゃないよ、また戻るから!
「オッケ~! じゃ、荷物運んだからお金ちょうだい! もっと!」とボラれ、こちらは全然「オッケ~!」じゃないけど、ひとまずインド出国。
周りをぐるっとインドに囲まれたバングラデシュ。ダッカは主だった観光名所はなく、名物はとにかく人、人、人! マスクが真っ黒になるくらい空気は汚いけど、心はキレイな人ばかり…だといいな。
首都圏の人口は2千万人(国全体では1億6千万人)。世界で7番目に人口が多い国で、都市国家を除くと世界で最も人口密度が高い。街中での体感人口密度は、渋谷のスクランブル交差点以上かも~! 入り組んだ小道なんて朝の満員電車みたいなカオス状態!
アジア最貧国に属し、安定性、医療、文化、環境、教育、インフラなどの項目を基にした「世界で最も住みやすい都市」ランキング(英・エコノミスト誌、2014年)では、シリアやパプアニューギニアの都市と並び、ここダッカはワースト2位と残念な結果。
でも近年では、世界中の大手アパレルメーカーが工場を移し、中国に次いでアパレル生産国世界2位に。急速な経済成長をとげています。もしかして皆もメイドインバングラの服を持ってるかもよ?
日本人とわかるとアイドル状態
ガテン系男子の引くリキシャにガタゴトと揺られ、小売店が軒を連ねる細い路地を駆け抜ける。イスラムの民族衣装の人々や前方から来るリキシャを、ぶつかるスレスレでかわすスリル。まるで、テーマパークのアトラクションみたいな非日常感あふれる世界だ。
ふと気が付くと、街にいるのは9割が男性だった。日本人女子なんて超目立っちゃって、ひとたび立ち止まれば、わらわらと人が集まり、アイドルになったかと思うくらいに囲まれる。そして皆が口をそろえて、「危ないから気をつけろ。夜は出るな」と言ってくる。
でも、実はバングラ人は、国旗の柄では日本をマネたとまで言われる親日っぷり。その背景には、日本がバングラデシュを独立国家としていち早く認めたことや、多額の経済援助のおかげもあるのだろう。そのせいか、そんなに危ない国には感じなかったけど、日本人は人気すぎてすぐ囲まれるから大変(笑)。
同じチャイ屋に何度も行くと、店のおじちゃんはとても喜んでくれて、「お金いいよ! 1杯飲みな!」というジェスチャーをしてくれた。6タカ、日本円でたった約9円のチャイ。
「ありがとう! でもお金は払うね」とおじちゃんに渡すと、日本人のように照れて断りながら最終的には受け取ってくれた。最貧国とも言われているのに、物があふれる日本から来た旅行者にお茶をごちそうしてくれようという気持ちが心の底からうれしかった。
すかさず、隣の文具屋のオヤジも出てきて、「何か食べたいものはないか? 買ってやるぞ」と名乗り出てきた。もう、本当に皆、親切。
同じく、横でチャイをすするお客のおっちゃんは日本語が話せて、「私、日本で働いてたよ。バングラデシュ、どう? 貧乏でしょ?」と謙虚に(?)話す。
「ううん! とっても豊か!」
とっさに、こう答えていた。これは決してお世辞なんかじゃない。本当の豊かさは心に表れるのだと感じ、自然に出た言葉だった。
オレンジ髭のオヤジたちの正体は?
バングラデシュはイスラム教徒が多数派。ベンガル語を話す彼らとの会話はほんの少しだけど、毎回「あなたはムスリム(イスラム教)ですか?」と聞かれる。名前を聞くよりも先に。
どう見ても、そうは見えない私にそんな質問がくる。なんて答えていいかわからないけど、とにかく「違います」と言うしかない。「じゃあ、なんの宗教なの?」と聞かれても「私は宗教を持っていません」と答えるしかないのには毎度、複雑な気分にさせられる。
仲良くなりかけてた人とも、この会話で一瞬盛り下がる感じがするのはこちらの気のせいだろうか…。インドではヒンドゥー教、バングラデシュではイスラム教、彼らは宗教を持っていることは当たり前なのだ。
ところで、バングラで一番気になったのはコレ! オレンジ髭のオヤジたち!
宗教的なものかと思ったら、実はファッションだった。日本でいう白髪染めのように、白髪を気にしたオヤジたちはメヘディと呼ばれるヘアカラーで髪や髭を染めているらしい。色的にかわいくてオシャレ。バングラ版チョイ悪オヤジって感じ?
出国ではバングラ側のイミグレにて「バングラにはほんの数日しか滞在しないのに、インドには長く行くんだね。ふ~ん」。入国ではインドに嫉妬され、出国ではバングラデシュに嫉妬される。
そこにはちょっとしたインド対バングラデシュのライバル心があるのを感じた。そして、友達になったバングラデシュ人が最後にひと言、こう言った。
「この後の旅も気をつけて。インド人を信じたらいけないよ…」
【This week’s BLUE】 ムガル朝時代の18世紀に裕福なイスラム教徒に建設されたスターモスク。壁には日本から輸入された富士山のタイルが!
●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負う小さな世界旅行者。【http://ameblo.jp/marysha/】Twitter【marysha98】