2月6日には東京・清澄白河に国内初店舗がオープン。その日から長蛇の行列ができ話題となった「ブルーボトルコーヒー」。
アメリカ発のコーヒー・ムーブメント“サードウエーブ”の筆頭といえる店で、3月7日には東京・青山に2号店、春には3号店が代官山にオープン予定だ。(サードウエーブの定義はこちらの記事にて→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/04/44466/)
開店から1ヵ月でも人気は継続中ということもあり、その勢いのまま店舗を増やしそうだが……。都内のカフェを中心に取材するフードライターのK氏によると、サードウエーブの特徴は1杯ずつ丁寧にコーヒーいれること。半年間の訓練を受けた店員だけが抽出するため、人材育成に時間もコストもかかってしまうという。そのため、3号店でその流れも一段落するのでは?との予想。
「ただし、サードウエーブの流れはこのまま続くと思います。サードウエーブと聞くと、いかにも新しい動きのような気がしますし、実際、アメリカでは珍しいのですが、実は日本では多くの喫茶店がずっとやってきたことですから。
1杯500円前後と少し高価なブルーボトルコーヒーも確かにおいしいですが、正直に言えば行列に並んでまで飲むべきとは思いません。そのくらい日本には個人経営のおいしい喫茶店が多いのです」(前出・K氏)
日本の大手チェーンも続々、高級化路線に波乗り!
さらに、これまで安価なコーヒーを提供してきた日本の大手コーヒーチェーンもこの波に乗るべく高級化路線にかじを切り始めている。
「ドトールコーヒーショップ」を運営するドトールコーヒーが東京・丸の内に「カフェ レクセル」を、「上島珈琲店」や「珈琲館」を運営するユーシーシーフードサービスシステムズが東京・自由が丘などに新業態の「メロウブラウンコーヒー」を出店。
また、「ロイヤルホスト」でおなじみのロイヤルホールディングスではアールアンドケーフードサービスが「スタンダードコーヒー」、カラオケの第一興商は「銀座珈琲店」など高級路線を打ち出したコーヒー専門店の運営に乗り出した企業もある。
いずれもまだ店舗数が少なく、実験段階の域を出ないが評判は上々で今後、店舗を増やしていく予定だという。
「高齢化社会の影響もあり、高くてもいいからおいしいコーヒーをゆっくり飲みたいという層は確実に増えていると思います」(K氏)
大手コーヒーチェーンを交えたサードウエーブの動きは今後も激しくなりそうだ。
(取材/井出尚志[リーゼント])
■週刊プレイボーイ11号(3月2日発売)「1杯1時間待ちの店も! コーヒー戦争ネクストステージ」より